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カテゴリ:ギリシア神話絵画 の記事一覧

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ピーテル・パウル・ルーベンス『アレスとレア・シルヴィア』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年04月10日(火)14時20分 | 編集 |
2012年4月10日(火)


目次
1. シルウィウス誕生
2. アイネイアスの死後
3. アルバ・ロンガ
4. ヌミトルの娘レア・シルヴィア
5. アレスとレア・シルヴィアとのセックス
6. 原題
7. まとめ


今回取り上げる作品は、ピーテル・パウル・ルーベンス作『アレスとレア・シルヴィア』です。

2012年4月10日ピーテル・パウル・ルーベンス『アレスとレア・シルヴィア』256

1. シルウィウス誕生


新都市ラウィニウムで暮らすアイネイアスとラウィニアとの間には、シルウィウスという息子が生まれます。

系譜を示します。

ラティウム王ラティヌス→ラウィニア→シルウィウス


やがて、ラティウム王ラティヌスが亡くなり、アイネイアスがラティウム王となりました。

アイネイアスには、トロイから連れて来た息子のアスカニウスがいました。
系譜を示します。

アンキセス→アイネイアス→アスカニオス


シルウィウスとアスカニオスは、父は同じアイネイアスですが、母親が異なります。
アスカニオスの母親は、トロイ陥落時に亡くなったクレウサでしたね。


2. アイネイアスの死後


ラティウム王アイネイアスが死んだ後、アスカニウスがラティウム王位を継承します(在位:紀元前1179-紀元前1141)。

しかし、周囲のラテン人たちは、トロイ人の血を引くアスカニウスがラティウム王を継承したことに難色を示しました。

ラティヌスの血を受け継ぐシルウィウスが王となるべきだ、ということを主張したわけです。

シルウィウスは、ラティヌスの血とアイネイアスの血の両方を受け継いでいます。
一方、アスカニウスはラテン人の血を受け継いではいません。

そこで妥協案として、シルウィウスが成人した時に、アスカニウスがラティウムの街を出ることになりました。


3. アルバ・ロンガ


ラティウム王となったアスカニウスは、義母ラウィニアと共同でラティウムの街を統治していました。

そして義弟シルウィウスが成人した時に、約束通り、アスカニウスはラティウムを離れることになります。

ラティウムを離れたアスカニウスは、アルバ・ロンガと呼ばれる新しい都市を、ラティウム近郊に建設しました。

そしてアスカニウスは、ラティウムにあった宮殿の機能の大半を、アルバ・ロンガに移します。

王アスカニウスが去ったラティウムには、義母ラウィニアと義弟シルウィウスが残りました。

アスカニウスは、ラティウムの街を離れたとは言え、形式的には依然としてラティウム王です。
しかし、実質的には新都市アルバ・ロンガの王となりました。

アスカニウスの死後、シルウィウスは正式にラティウム王となります(在位:紀元前1141-紀元前1112)。

そしてシルウィウスは、義兄アスカニウスが創設したアルバ・ロンガ王の地位も継承したのです。

後年、歴史家によってアルバ・ロンガの王位継承は、以下の系譜で示されることになりました。

ラティヌス→アイネイアス→初代アルバ・ロンガ王アスカニウス→シルウィウス→(中略)→プロカス→ヌミトル


4. ヌミトルの娘レア・シルヴィア


初代アルバ・ロンガ王アスカニウスから数えて、13代目の王に当たるのがプロカスです。
プロカスには、長兄ヌミトルと次男アムリウスがいました。

ヌミトルは、プロカスの死後、王位を継承し、娘レア・シルヴィアと息子ラウススを儲けました。

次男アムリウスは、父プロカスから財産を相続しましたが、それだけでは満足できません。
やがて、兄王ヌミトルを追放し、アルバ・ロンガ王位を簒奪したのです。

ヌミトルの息子ラウススは、王となったアムリウスによって殺害されました。

娘のレア・シルヴィアは、命だけは助けられましたが、女神ウェスタに仕える巫女(みこ)になるよう命じられました。

女神ウェスタとは、ローマ神話における竈(かまど)の神で、竈から派生して家庭全般の守護神となりました。

ウェスタは家政を司りますが、出産経験のない処女神です。

なお、ウェスタは、ギリシア神話ではヘスティアに相当します。

女神ウェスタに仕える巫女になるということは、生涯、処女を貫くということです。

アムリウスは、レア・シルヴィアを女神ウェスタに仕える巫女にすることによって、兄ヌミトルの血統を根絶やしにする魂胆でした。


5. アレスとレア・シルヴィアとのセックス


レア・シルヴィアが巫女になって数年後、あり得ないことが起きてしまいました。
レア・シルヴィアが懐妊したのです。

ウェスタ神殿で奉仕する生活をひたすら続けている巫女たちには、外部の男性との接点などありません。

徹底的な禁欲生活が求められ、処女のまま謹厳な聖職者としての宗教的生活を送るのが、ウェスタの巫女の本来のあり方です。

その巫女の中の一人であるレア・シルヴィアが、妊娠したのです。
レア・シルヴィアに尋ねてみると、父親は軍神アレスだと言い張ります。

結局、レア・シルヴィアはアレスによって処女を奪われたという説が、定説となって行きました。

フランドルの画家ピーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)は、アレスがレア・シルヴィアの美貌に目をつけて、これから性交に及ぼうとする場面を描きました。

アレスは、軍神としては頼りない一面を示すこともありますが、美貌の男神として名高いです。

このままでは処女を奪われてしまいそうなレア・シルヴィアですが、アレスの端正な顔立ちをうっとりと見つめながら、何となく、抵抗するのを止めるかのような仕草にも見えますね。

巫女になったとは言え、セックスしたいという欲望を捨て切れないのは、人間として当然のことだと思います。


6. 原題


ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens)が描いた『アレスとレア・シルヴィア』は、英語ではMars and Rhea Silviaと言います。

この作品は、ウィーンにあるリヒテンシュタイン美術館(Liechtenstein Museum)で見ることが出来ます。


7. まとめ


ギリシア神話の神々や英雄たちが登場する話を取り上げるのは、今回までです。
2011年3月7日から始まったギリシア神話絵画のシリーズも、今回を持って完結です。

ギリシア神話とローマ建国史は、密接な結び付きがあるのですが、話の舞台がイタリア半島に移りますので、ギリシア神話絵画というカテゴリに入る記事は、今回で最後となります。

今日までギリシア神話の連載を読んでくれた皆さん、ありがとうございました。

次回からは、ローマ建国史というカテゴリに入る話を展開して行きます。


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フェルディナント・ボイル『ラティヌスから月桂樹を授けられるアイネイアス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年04月09日(月)16時35分 | 編集 |
2012年4月9日(月)


目次
1. トロイ王族とラティウム王女の結婚
2. 原題


今回取り上げる作品は、フェルディナント・ボイル作『ラティヌスから月桂樹を授けられるアイネイアス』です。

2012年4月9日フェルディナント・ボイル『ラティヌスから月桂樹を授けられるアイネイアス』318

1. トロイ王族とラティウム王女の結婚


トゥルヌスとの戦いに勝利したアイネイアスは、ラティウム王ラティヌスの娘ラウィニアと結婚しました。

そして、アイネイアスは、ラウィニウムという街を建設しました。

ラウィニウムとは、妻ラウィニアの名に因(ちな)みます。
このラウィニウムは、トロイ人がイタリア半島に築いた最初の街ということになります。

神々は、陥落したトロイの街を再興するために、トロイ王族のアイネイアスを生き残らせて、イタリア半島へと導きました。

このアイネイアスが建設したラウィニウムは、後に、永遠の都となるローマへの第一歩となるのです。

オランダの画家フェルディナント・ボイル(1616-1680)が描いているのは、ラティウム王ラティヌスがアイネイアスの勝利を祝っている場面です。

画面中央で立ち、兜を被り、右手に月桂冠を持っているのがラティヌスですね。
向かって左で、ラティヌスから月桂冠を与えられているのがアイネイアスです。

トロイの王族アイネイアスは、異国ラテンの地で、王ラティヌスの後継者としての地位を認められたわけです。


2. 原題


フェルディナント・ボイル(Ferdinand Bol)が描いた『ラティヌスから月桂樹を授けられるアイネイアス』は、英語ではAeneas at the court of Latinusと言います。

この作品は、アムステルダムにあるオランダ海洋美術館(Netherlands Maritime Museum)で見ることが出来ます。

次回、ギリシア神話絵画シリーズは、最終回となります。






ルカ・ジョルダーノ『トゥルヌスに勝つアイネイアス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年04月07日(土)16時41分 | 編集 |
2012年4月7日(土)


目次
1. 勝利するトロイ人
2. 原題


今回取り上げる作品は、ルカ・ジョルダーノ作『トゥルヌスに勝つアイネイアス』です。

2012年4月7日ルカ・ジョルダーノ『トゥルヌスに勝つアイネイアス』250

1. 勝利するトロイ人


イタリアの画家ルカ・ジョルダーノ(1634-1705)が描いているのは、アイネイアスがトゥルヌスとの戦いに勝利した場面です。

この戦争は、トロイ人対ラテン人という構図になりました。
最終的には、両軍の大将であるアイネイアスとトゥルヌスとの一騎打ちで、勝負が決まりました。

トロイ王家の血を引くアイネイアスが、土着のトゥルヌスを破り、ラティウムにおける支配権を獲得した瞬間です。

トゥルヌスを殺したアイネイアスは、その後、ラティウム王女ラウィニアと結婚します。

トロイ王家は、地元トロイではギリシア人に敗れて滅びました。

しかし、戦争を生き延びたアイネイアスが、異国の地ラティウムにおいて、再び王家再興の足がかりを作ったのです。


2. 原題


ルカ・ジョルダーノ(Luca Giordano)が描いた『トゥルヌスに勝つアイネイアス』は、イタリア語ではEnea vince Turnoと言います。

vincere Zは、Zに勝つ、という意味です。
この作品は、フィレンツェにあるコルジーニ美術館(Galleria Corsini)で見ることが出来ます。






ニコラ・プッサン『アイネイアスに武具を示すヴィーナス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年04月05日(木)16時43分 | 編集 |
2012年4月5日(木)


目次
1. 母アプロディーテ
2. 原題


今回取り上げる作品は、ニコラ・プッサン作『アイネイアスに武具を示すヴィーナス』です。

2012年4月5日ニコラ・プッサン『アイネイアスに武具を示すヴィーナス』242

1. 母アプロディーテ


ヴィーナスはギリシア神話ではアプロディーテに相当します。

フランスの画家ニコラ・プッサン(1594-1665)が描いているのは、アプロディーテが息子アイネイアスに新調した武具を見せているところです。

武具を作成したのはアプロディーテの夫ヘパイストスです。

画面中央で豊満な肉体を披露しながら、空に浮かんでいるのがアプロディーテです。
向かって左で赤いマントを身につけているのがアイネイアスです。

向かって右には新調された武具が大木に掛けてあります。


2. 原題


ニコラ・プッサン(Nicolas Poussin)が描いた『アイネイアスに武具を示すヴィーナス』は、フランス語ではVénus montrant ses armes à Enéeと言います。

montrer ZはZを見せるという意味です。

この作品は、フランス北部の町ルーアン(Rouen)にある美術館(Musée des beaux-arts de Rouen)で見ることが出来ます。






アンソニー・ヴァン・ダイク『ヴァルカンに武具の鋳造を依頼するヴィーナス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年04月04日(水)16時46分 | 編集 |
記事のタグ: ルーヴル美術館
2012年4月4日(水)


目次
1. アイネイアスの武具
2. 原題


今回取り上げる作品は、アンソニー・ヴァン・ダイク作『ヴァルカンに武具の鋳造を依頼するヴィーナス』です。

2012年4月4日アンソニー・ヴァン・ダイク『ヴァルカンに武具の鋳造を依頼するヴィーナス』509

1. アイネイアスの武具


ヴァルカンは、ギリシア神話ではヘパイストスに相当します。
ヴィーナスは、ギリシア神話ではアプロディーテに相当します。

フランドルの画家アンソニー・ヴァン・ダイク(1599-1641)が描いているのは、ヘパイストスの鍛冶場を訪れているアプロディーテです。

アプロディーテは、息子のアイネイアスのために、武具を新調することを思いつきました。
そして鍛冶屋であるヘパイストスに依頼するために、彼の仕事場を訪れることにしたのです。

アイネイアスとは、アプロディーテとアンキセスとの間に出来た息子です。
アイネイアスは、トロイア王家の傍系にあたります。

系譜を示します。

トロス→アッサラコス→カピュス→アンキセス→アイネイアス


アイネイアスはトロイ陥落後、父アンキセスを背負ってトロイの街を脱出しました。
トロイ脱出後、紆余曲折を経てアイネイアスはイタリア半島に入ります。

トロイ王家の末裔アイネイアスは、ラティウムの地に生活基盤を築きます。
そして、アイネイアスの血筋は、ロムルスとレムスへと繋がっていくのです。


2. 原題


アンソニー・ヴァン・ダイク(Anthony van Dyck)が描いた『ヴァルカンに武具の鋳造を依頼するヴィーナス』は、フランス語ではVénus demande à Vulcain de forger des armes pour son fils Énéeと言います。

正確に訳すと、『ヴィーナスは彼女の息子アイネイアスのために武具を鋳造するようヴァルカンに依頼している』となります。

この作品は、ルーヴル美術館(Musée du Louvre)で見ることが出来ます。






フランソワ・ブーシェ『アイネイアスのための武具をヴァルカンに依頼するヴィーナス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年04月03日(火)16時48分 | 編集 |
記事のタグ: ルーヴル美術館
2012年4月3日(火)


目次
1. 鍛冶の神ヘパイストス
2. 原題


今回取り上げる作品は、フランソワ・ブーシェ作『アイネイアスのための武具をヴァルカンに依頼するヴィーナス』です。

2012年4月3日フランソワ・ブーシェ『アイネイアスのための武具をヴァルカンに依頼するヴィーナス』508

1. 鍛冶の神ヘパイストス


ヴィーナスは、ギリシア神話ではアプロディーテに相当します。
ヴァルカンは、ギリシア神話ではヘパイストスに相当します。

アイネイアスは、トロイ王家のアンキセスとアプロディーテとの間の子です。
父アンキセスは既に他界し、母アプロディーテが息子アイネイアスを天界から守護しています。

アイネイアスは、間もなくトゥルヌスとの全面対決を控えています。

息子アイネイアスが戦いに勝てるよう、母アプロディーテはアイネイアスの武具を新調することにしました。

アプロディーテは夫ヘパイストスに、新しい武具を制作してもらうよう頼みに行きました。
ヘパイストスとアプロディーテとの間には、愛はありません。

しかし、鍛冶の神としてのヘパイストスの腕は、アプロディーテも認めています。

フランスの画家フランソワ・ブーシェ(1703-1770)が描いたのは、アプロディーテがヘパイストスに新しい武具を作るよう頼んでいる場面です。

向かって左で、剣を持っているのがヘパイストスです。
向かって右で雲に乗り、右手の人差指を突き出しているのがアプロディーテです。

ヘパイストスは、アンキセスの息子アイネイアスのために、武具を制作することになりました。


2. 原題


フランソワ・ブーシェ(François Boucher)が描いた『アイネイアスのための武具をヴァルカンに依頼するヴィーナス』は、フランス語ではVénus demande à Vulcain des armes pour Énéeと言います。

この作品は、ルーヴル美術館(Musée du Louvre)で見ることが出来ます。






サルヴァトル・ローザ『アイネイアスの夢』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年03月31日(土)21時56分 | 編集 |
記事のタグ: メトロポリタン美術館
2012年3月31日(土)


目次
1. ラティウム王ラティヌス
2. トゥルヌスとの戦い
3. 原題


今回取り上げる作品は、サルヴァトル・ローザ作『アイネイアスの夢』です。

2012年3月31日サルヴァトル・ローザ『アイネイアスの夢』544

1. ラティウム王ラティヌス


イタリア半島に到着したアイネイアスは、イタリア半島中央部の西地域を支配していた王ラティヌスの臣下となります。

イタリア半島中央部の西地域は、ラティウムと呼ばれていました。
ラティウムは、現在のラツィオ州に相当します。

ラティウム王ラティヌスと妻アマタとの間には、ラウィーニアという娘がいました。
しかし、ラティウム王家には後継ぎとなる息子がいませんでした。

アイネイアスがラティウムにやって来る以前に、ラウィーニアには婚約者がいました。
婚約者は、ルトゥリ王トゥルヌスです。

トゥルヌスはラウィーニアといずれ結婚し、ラティウム王国を継承する予定になっていたのです。


2. トゥルヌスとの戦い


ラティウム王ラティヌスは、臣下となったアイネイアスの才気を見抜きました。
そして、アイネイアスにラティウム王国を継いで欲しいと考えるようになります。

そしてついに、娘のラウィーニアとルトゥリ王トゥルヌスとの婚約を破棄してしまいました。
続けて、ラウィーニアとアイネイアスとの結婚を許可し、公表します。

ラティヌスの行ったこの措置に対して、妻アマタと元婚約者トゥルヌスは猛烈に反発しました。
そして、トゥルヌスとアイネイアスは、戦いで雌雄を決することになったのです。

この戦いは、一騎打ちではなく、両者ともに部下を引き連れての戦いですので、結果として、トロイ人とラテン人の戦争が始まったわけです。

イタリアの画家サルヴァトル・ローザ(1615-1673)が描いているのは、戦いの中で疲れたアイネイアスが眠っている場面です。

向かって左で、眠っているのがアイネイアスです。

向かって右にいるのは、アイネイアスの夢の中に現れたティベリヌスです。
ティベリヌスとは、テヴェレ川の神です。

戦いに明け暮れるアイネイアスに対して、ティベリヌスが励ましの言葉をかけているところです。
アイネイアスの戦いは、まだまだ続きます。


3. 原題


サルヴァトル・ローザ(Salvator Rosa)が描いた『アイネイアスの夢』は、英語ではThe Dream of Aeneasと言います。

この作品は、ニューヨークのメトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)で見ることが出来ます






ピエトロ・ダ・コルトーナ『テヴェレ川の河口に到着するアイネイアス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年03月30日(金)16時51分 | 編集 |
2012年3月30日(金)


目次
1. イタリア半島上陸
2. 原題


今回取り上げる作品は、ピエトロ・ダ・コルトーナ作『テヴェレ川の河口に到着するアイネイアス』です。

2012年3月30日ピエトロ・ダ・コルトーナ『テヴェレ川の河口に到着するアイネイアス』1 185

1. イタリア半島上陸


イタリアの画家ピエトロ・ダ・コルトーナ(1596-1669)が描いているのは、アイネイアス一行がイタリア半島に上陸しようとする場面です。

カルタゴの地を後にして地中海を渡り、ようやくテヴェレ川の河口へと辿り着くところです。

2012年3月30日ピエトロ・ダ・コルトーナ『テヴェレ川の河口に到着するアイネイアス』2 322

画面中央で、赤いマントを着ているのがアイネイアスですね。

トロイ王家の血を引くアイネイアスがイタリアに到着しようとする、歴史的な場面です。
アイネイアスは、炎上し陥落したトロイの街を、異国の地で再興する使命を担っていました。

今まさに、その第一歩を踏み出そうとしています。


2. 原題


ピエトロ・ダ・コルトーナ(Pietro da Cortona)が描いた『テヴェレ川の河口に到着するアイネイアス』は、イタリア語ではEnea giunge alle foci del Tevereと言います。

giungereは、達する、という意味です。
この作品は、ローマにあるGalleria Doria Pamphiljで見ることが出来ます。






ジョシュア・レノルズ『ディドの死』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年03月29日(木)16時54分 | 編集 |
2012年3月29日(木)


目次
1. ディドの死
2. 原題


今回取り上げる作品は、ジョシュア・レノルズ作『ディドの死』です。

2012年3月29日ジョシュア・レノルズ『ディドの死』209

1. ディドの死


イングランドの画家ジョシュア・レノルズ(1723-1792)が描いているのは、カルタゴの女王ディドが息を引き取った場面です。

アイネイアスに見捨てられたディドは、美しいまま死ぬという選択をしました。

ディドとの愛を捨てたアイネイアスは、イタリア半島上陸を目指します。
もしアイネイアスがカルタゴでの生活を選んでいたら、後のローマは存在しません。

アイネイアスがイタリア半島を目指したのは、神の意志だったのです。

神の意志に逆らうことは出来ません。
ディドには気の毒ですが・・・。


2. 原題


ジョシュア・レノルズ(Joshua Reynolds)が描いた『ディドの死』は、英語ではThe Death of Didoと言います。

この作品は、イギリスのロイヤル・コレクション(The Royal Collection)の一つです。

ロンドンにあるバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)で見ることが出来ます。






セバスティヤン・ブルドン『ディドの死』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年03月28日(水)14時26分 | 編集 |
記事のタグ: エルミタージュ美術館
2012年3月28日(水)


目次
1. カルタゴを去るアイネイアス
2. 原題


今回取り上げる作品は、セバスティヤン・ブルドン作『ディドの死』です。

2012年3月28日セバスティヤン・ブルドン『ディドの死』386

1. カルタゴを去るアイネイアス


ゼウスから、トロイを再興するようにとの命を受けたアイネイアスは、カルタゴを離れることにしました。

トロイ再興の地としてゼウスが指定したのは、イタリア半島です。

アイネイアスの愛人となっていたカルタゴの女王ディドは、見捨てられる形になってしまいました。
絶望したディドは、火葬壇の上で自刃(じじん)して果てました。

セバスティヤン・ブルドン(1616-1671)は、ディドが胸を突いて自殺する場面を描いています。
中央で、目をつぶっているのがディドです。

ディドの左肘が体を支える構図になっていますので、この時点ではまだディドには、息があることがわかります。

火葬壇からは煙が上がり、これからディドの豊麗な肉体を焼き尽くしていくことになります。

ディドの左手の下に描かれているのは、愛するアイネイアスが残していった剣です。
ディドの上部に描かれている有翼の女神は、ヘラの忠実な部下である虹の女神イリスです。

イリスはディドの魂を肉体から解き放つために、髪にはさみを入れようとしているところです。
この美しい髪は、やがて冥府へと届けられることになるのです。


2. 原題


セバスティヤン・ブルドン(Sébastien Bourdon)が制作した『ディドの死』は、ロシア語ではСмерть Дидоныと言います。

Смертьが、死、という意味です。
ディドは、ロシア語ではДидонаと綴ります。

この作品は、エルミタージュ美術館(Государственный Эрмитаж)で見ることが出来ます。






ピエール=ナルシス・ゲラン『アイネイアスとディド』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年03月27日(火)13時20分 | 編集 |
記事のタグ: ルーヴル美術館
2012年3月27日(火)


目次
1. アイネイアスとディドの愛
2. 原題


今回取り上げる作品はピエール=ナルシス・ゲラン作『アイネイアスとディド』です。

2012年3月27日ピエール=ナルシス・ゲラン『アイネイアスとディド』268

1. アイネイアスとディドの愛


ピエール=ナルシス・ゲラン(1774-1833)が描いているのは首尾よく恋仲になったアイネイアスとディドが語り合っている場面です。

アイネイアスはトロイの街が陥落する時の様子をディドに話して聞かせているのです。

異国の地カルタゴで女王ディドを愛人としたアイネイアスはこの後、ゼウスの命を受けてイタリアへ渡ることになります。

ディドはアイネイアスに捨てられる形になってしまうのです。


2. 原題


ピエール=ナルシス・ゲラン(Pierre-Narcisse Guérin)が制作した『アイネイアスとディド』はフランス語ではÉnée et Didonと言います。

この作品はルーヴル美術館(Musée du Louvre)で見ることが出来ます。






フランチェスコ・ソリメーナ『アイネイアスとアスカニオスを装ったキューピッドを受け入れるディド』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年03月26日(月)14時36分 | 編集 |
2012年3月26日(月)


目次
1. カルタゴの女王ディド
2. 原題


今回取り上げる作品は、フランチェスコ・ソリメーナ作『アイネイアスとアスカニオスを装ったキューピッドを受け入れるディド』です。

2012年3月26日フランチェスコ・ソリメーナ『アイネイアスとアスカニオスを装ったキューピッドを受け入れるディド』215

1. カルタゴの女王ディド


アイネイアス一行は、炎上するトロイの街を脱出し、クレタ島などを経た後、北アフリカのカルタゴに上陸します。

カルタゴの女王が、ディドです。

アイネイアスの母であるアプロディーテは、息子のエロスに命じて、ディドがアイネイアスと恋に落ちるように仕向けます。

エロスは、ローマ神話ではキューピッドに相当します。

トロイから身一つで逃げたアイネイアスが、当座を生き延びるためには、ディドの協力が不可欠です。
しかも単なる協力ではなく、愛情に裏付けられた協力が望ましいわけです。

エロスの力によって、ディドはアイネイアスに恋をしました。

イタリアの画家フランチェスコ・ソリメーナ(1657-1747)が描いているのは、女王ディドが恋に落ちる瞬間です。

向かって左で、着座しているのがディドです。

ディドの左手を、可愛らしい右手で握っているのはエロスです。
エロスは恋の矢を背負い、羽を生やしている姿で描かれています。

しかし、ディドの目にはエロスではなく、アイネイアスの息子アスカニオスの姿として映っているわけです。

画面中央で、右手を差し出しているのがアイネイアスです。

傍流とは言えトロイ王家の血を受け継ぐアイネイアスは、カルタゴ女王ディドにとって不足のない相手です。

アプロディーテの策略が成功し、アイネイアスはひとまず、安住の地を手に入れることが出来ました。


2. 原題


フランチェスコ・ソリメーナ(Francesco Solimena)が描いた『アイネイアスとアスカニオスを装ったキューピッドを受け入れるディド』は、英語ではDido receiving Aeneas and Cupid disguised as Ascaniusと言います。

この作品は、ロンドンのナショナル・ギャラリー(The National Gallery, Trafalgar Square, London)で見ることが出来ます。






フランソワ・ド・ノメ『炎上するトロイ及びアイネイアスとアンキセスの脱出』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年03月25日(日)16時57分 | 編集 |
2012年3月25日(日)


目次
1. クレウサの死後
2. 原題


今回取り上げる作品は、フランソワ・ド・ノメ作『炎上するトロイ及びアイネイアスとアンキセスの脱出』です。

2012年3月25日フランソワ・ド・ノメ『炎上するトロイ及びアイネイアスとアンキセスの脱出』216

1. クレウサの死後


アイネイアスは、父アンキセスを背負い、息子アスカニオスを連れて辛うじてトロイから脱出します。
アイネイアスの妻クレウサは、脱出の混乱の中で、命を落とします。

フランスの画家フランソワ・ド・ノメ(1593-1620以降不明)が描いているのは、アイネイアスの脱出の場面です。

前景向かって右で、人を背負っているのがアイネイアスです。
アイネイアスの背中に乗っているのは、父アンキセスです。

アイネイアスの向かって右にいる子供は、息子のアスカニオスです。
アスカニオスは、左手に松明を持って行先を照らしています。

幼いアスカニオスは、母クレウサを失った悲しみに暮れる間もなく、街からの脱出を図っているところです。


2. 原題


フランソワ・ド・ノメ(François de Nomé)が描いた『炎上するトロイ及びアイネイアスとアンキセスの脱出』は、英語ではThe Burning of Troy with the Flight of Aeneas and Anchisesと言います。

この作品は、スウェーデンの首都ストックホルムにあるスウェーデン国立美術館(Nationalmuseum)で見ることが出来ます。






フェデリーコ・バロッチ『トロイを脱出するアイネイアス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年03月24日(土)14時04分 | 編集 |
記事のタグ: ボルゲーゼ美術館
2012年3月24日(土)


目次
1. トロイ陥落後
2. クレウサの死
3. 原題


今回取り上げる作品は、フェデリーコ・バロッチ作『トロイを脱出するアイネイアス』です。

2012年3月24日フェデリーコ・バロッチ『トロイを脱出するアイネイアス』 233

1. トロイ陥落後


トロイ王プリアモスは、アキレスの息子ネオプトレモスによって殺害されました。
王プリアモスが討ち取られたことにより、トロイ王家は滅亡します。

ギリシア軍によって、トロイの街に火がつけられました。
難攻不落と謳われたトロイの街は、ここに陥落したのです。

トロイ王家の中で生き残ったのは、アイネイアスの家族だけでした。
系譜を示します。

トロイ王イロス→トロイ王女テミステ→アンキセス→アイネイアス→アスカニオス


アイネイアスは、プリアモスの娘クレウサと結婚していました。
系譜を示します。

トロイ王イロス→ラオメドン→プリアモス→クレウサ


アスカニオスは、アイネイアスとクレウサとの間に出来た息子です。


2. クレウサの死


アイネイアス一家は、トロイの街が燃え盛る最中、脱出を試みます。

イタリアの画家フェデリーコ・バロッチ(1526頃-1612)が描いているのは、アイネイアス一家がトロイの街から脱出する場面です。

画面中央で兜を被り、老人を抱き抱えているのがアイネイアスです。
アイネイアスが抱えている老人は、父アンキセスです。

向かって左にいる少年が、アスカニオスです。
この男性3名は、首尾よくトロイの街を脱出することが出来ました。

しかし、向かって右端に描かれているクレウサだけは、脱出の混乱の中で命を落とすことになりました。


3. 原題


フェデリーコ・バロッチ(Federico Barocci)が描いた『トロイを脱出するアイネイアス』は、英語ではAeneas' Flight from Troyと言います。

この作品は、ローマにあるボルゲーゼ美術館(Galleria Borghese)で見ることが出来ます。






ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ『ヴィーナスと時の寓意』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年03月23日(金)23時50分 | 編集 |
2012年3月23日(金)


目次
1. トロイ王家の傍流
2. セックスの女神から学ぶべきこと
3. ローマ建国の祖の誕生
4. 原題


今回取り上げる作品は、ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ作『ヴィーナスと時の寓意』です。

2012年3月23日ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ『ヴィーナスと時の寓意』495

1. トロイ王家の傍流


イタリアの画家ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ(1696-1770)が描いているのは、トロイ王家の血を引くアイネイアスが誕生した場面です。

まずは、アイネイアスの先祖の系譜を見ておきましょう。

トロイという国名の元となった王は、トロスです。
トロスには3人の息子がいて、イロス、アッサラコス、ガニュメデスと言います。

ガニュメデスは、ゼウスによって神々の世界へと拉致され、宴会の給仕として働くことになります。
イロスの息子がラオメドンで、ラオメドンの息子がプリアモスです。

プリアモスはトロイ陥落時に殺害され、トロイ王国最後の王となった人物です。
パリスは、プリアモスの息子です。

まとめるとこうなります。

トロス→イロス→ラオメドン→プリアモス(トロイ王家滅亡)→パリス


アッサラコスの息子がカピュスで、カピュスの息子がアンキセスです。
アンキセスとアプロディーテとの間に生まれた息子が、アイネイアスです。

まとめるとこうなります。

トロス→アッサラコス→カピュス→アンキセス→アイネイアス→アスカニウス


従ってアイネイアスの家は、トロイ王家の傍流ということになるわけです。


2. セックスの女神から学ぶべきこと


アイネイアスは、アプロディーテを母とします。

アプロディーテは、セックスこそが神々の世界を動かして行く原動力になると信じていて、様々な相手と愛の遍歴を重ねて行く女神です。

多くの男神たちと性交することを通じて、自分一人では生み出すことの出来ない快感を手にし、その積み重ねにより、女神としての霊力を蓄えて来たのです。

これを人間の女性に置き換えれば、女性がセックスを通じて快感を得て、その積み重ねにより、美貌に磨きをかけ、色気を蓄えていく、ということになるわけですね。

女性が色気を蓄積するには、ある程度の男性遍歴が必要です。

20代の女性が、熟女の持つ色気を醸し出すことができないのは、積み重ねや訓練が足りないからなんですね。

セックスにせよ、学問にせよ、スポーツにせよ、何ごとに対しても粘り強く、諦めず、日々の訓練を怠らなかった者だけが、真の実力を蓄えることができるのです。


3. ローマ建国の祖の誕生


そんなアプロディーテが、人間の男性アンキセスと性交することになりました。
この二人の性交渉の原因は、最高神ゼウスが作ったとされています。

アプロディーテは、これまでに、「本業」である愛と性の女神の役割を果たすべく、多くの神々と人間たちとを結びつけて来ました。

その結果、神と人間を両親とする子がたくさん生まれ、特殊な能力を備えた彼らは、この世を良くするために様々な活躍をして来ました。

ところが、アプロディーテ自身は、これまでに人間の子を生んだことがありませんでした。

そこでゼウスがアプロディーテに、人間の子を生ませようとして恋を吹き込んだのです。
そしてアプロディーテが恋に落ちた相手は、トロイ王家の血を引くアンキセスでした。

中景向かって左で、豊満な上半身を披露しているのがアプロディーテです。
前景向かって右の、有翼の老人は、時間を偶像化したものです。

「時間」が両手に抱いているのが、アイネイアスです。

「時間」に守護されたアイネイアスは、トロイ陥落の中を生き延びて、やがてローマ建国の祖となっていくのです。

いよいよ、このギリシア神話絵画シリーズも、最終章のアイネイアスのところまで辿り着きました。
最終回まで、あと少しです。


4. 原題


ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ(Giovanni Battista Tiepolo)が描いた『ヴィーナスと時の寓意』は、英語ではAn Allegory with Venus and Timeと言います。

この作品は、ロンドンのナショナル・ギャラリー(The National Gallery, Trafalgar Square, London)で見ることが出来ます。






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