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ピエトロ・リベーリ『眠るエンデュミオン』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年05月31日(火)16時58分 | 編集 |
記事のタグ: エルミタージュ美術館
2011年5月31日(火)


目次
1. 不老不死
2. 原題


今回取り上げる作品はピエトロ・リベーリ作『眠るエンデュミオン』です。

2011年5月31日ピエトロ・リベーリ『眠るエンデュミオン』174

1. 不老不死


美少年エンデュミオンは人間である以上、いつかは老いて死んでいく存在です。
月の女神セレネはその事実を悲しみ、エンデュミオンを美しいままで留まらせる方法を探りました。

そして、セレネは最高神ゼウスに依頼してエンデュミオンを不老不死の身にしてもらったのです。
但し、人間が不老不死の身を得るためには永遠の眠りにつく必要がありました。

こうしてエンデュミオンはゼウスの神力により永遠に眠り続けることになってしまったのです。
イタリアの画家ピエトロ・リベーリ(1605-1687)は眠り続けるエンデュミオンを描きました。

エンデュミオンは死んではいません。
左膝を立てているのは生きている証です。

しかし、不老不死の身になるために二度と目を覚(さ)ますことはないのです。
エンデュミオンは美しい姿のまま、事実上、命を終えたのです。


2. 原題


ピエトロ・リベーリ(Pietro Liberi)が描いた『眠るエンデュミオン』は英語ではSleeping Endymionと言います。

この作品はエルミタージュ美術館(State Hermitage Museum)で見ることが出来ます。


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ニコラ・プッサン『セレネとエンデュミオン』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年05月30日(月)15時06分 | 編集 |
2011年5月30日(月)


目次
1. 暁の別れ
2. 原題


今回取り上げる作品は、ニコラ・プッサン作『セレネとエンデュミオン』です。

2011年5月30日ニコラ・プッサン『セレネとエンデュミオン』242

1. 暁の別れ


フランスの画家ニコラ・プッサン(1594-1665)が描いているのは、セレネがエンデュミオンと別れて行く場面です。

太陽が昇る時間になると月の女神セレネは姿を消すことになるのです。
前景向かって左で立っているのがセレネです。

その向かって右で、右膝をついて美貌のセレネを見上げているのがエンデュミオンです。

美女と美少年はお互いに別れることを悲しんでいます。

数時間後には太陽が沈んで再び会えるのですが、その数時間が待ちきれないほどの恋愛を二人はしているわけです。

後景向かって左で左腕を突き出しているのは、暁の女神エオスです。
後景向かって右で馬車を操っているのは、太陽神ヘリオスです。

エオスとヘリオスはセレネにとっては姉と兄にあたります。


2. 原題


ニコラ・プッサン(Nicolas Poussin)が描いた『セレネとエンデュミオン』は、英語ではSelene and Endymionと言います。

この作品は、アメリカのミシガン州デトロイトにあるデトロイト美術館(Detroit Institute of Arts)で見ることが出来ます。





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ステファノ・トレッリ『ディアナとエンデュミオン』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年05月29日(日)13時24分 | 編集 |
2011年5月29日(日)


目次
1. 月の女神セレネとアルテミスとの混同
2. ヒュペリオンの娘
3. 原題


今回取り上げる作品は、ステファノ・トレッリ作『ディアナとエンデュミオン』です。

2011年5月29日ステファノ・トレッリ『ディアナとエンデュミオン』486

1. 月の女神セレネとアルテミスとの混同


ディアナは、ギリシア神話ではアルテミスに相当します。

アルテミスはゼウスとレトの娘で、元々は狩猟と純潔を司る女神でした。
そして、しばらくしてから月の女神としての役割が、加えられたのです。

当初、ギリシア神話における月の女神は、セレネでした。
しかし、いつしかアルテミスは、月の女神セレネと同一視されるようになりました。

そして、それによって二人の女神の逸話が、混同されて伝えられることになったわけです。

従って、厳密に言うと、セレネとアルテミスは異なる女神です。
その性格も違いますし、両親も違います。

ただ、今となっては、月の女神が登場する逸話が、どちらの女神に属するものなのかを区別することが、難しくなってしまったのです。


2. ヒュペリオンの娘


セレネは、ヒュペリオンとテイアの間に生まれた娘です。
系譜を示します。

ウラノス→ヒュペリオン→セレネ

セレネは、人間の美少年エンデュミオンに恋をしました。
エンデュミオンは、アエトリオスとカリュケとの間に生まれた息子です。

アエトリオスは、ゼウスとプロトゲネイアの間に生まれた息子です。
カリュケは、テッサリア王アイオロスとエナレテとの間に生まれた娘です。

イタリアの画家ステファノ・トレッリ(1712-1784)が描いているのは、セレネとエンデュミオンが出会って愛の言葉を語り合っている場面です。

月の女神セレネが活動していますので、時間帯は夜ということになります。

向かって右で豊満な乳房や腹部を露にしているのが、月の女神セレネです。
向かって左で、左膝を立てているのがエンデュミオンです。

美貌の女神と人間の美少年との恋は、長くは続きませんでした。


3. 原題


ステファノ・トレッリ(Stefano Torelli)が描いた『ディアナとエンデュミオン』は、英語ではDiana and Endymionと言います。

この作品は、エルミタージュ美術館(State Hermitage Museum)で見ることが出来ます。





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ウィリアム・アドルフ・ブグロー『フローラとゼピュロス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年05月28日(土)14時12分 | 編集 |
2011年5月28日(土)


目次
1 花の女神フローラ
2. 原題


今回取り上げる作品は、ウィリアム・アドルフ・ブグロー作『フローラとゼピュロス』です。

2011年5月28日ウィリアム・アドルフ・ブグロー『フローラとゼピュロス』342

1 花の女神フローラ


フランスの画家ウィリアム・アドルフ・ブグロー(1825-1905)が描いているのは、ゼピュロスがフローラに愛の言葉を囁(ささや)いている場面です。

フローラは、ギリシアにいた頃はクロリスと呼ばれていました。
その後クロリスは、ゼピュロスに愛されてイタリアへと連れて来られました。

フローラとは、クロリスのローマ神話における名前です。

フローラは髪に花飾りをつけて、視覚と嗅覚の両面からゼピュロスの関心を引こうとしていますね。
ゼピュロスは右手の指でフローラの左腕をそっと撫でて、フローラの性感を高めています。

フローラの口元には、小さな笑みがこぼれていますね。
ゼピュロスは、フローラに対して愛の言葉と共に、何か面白いことを言ったのかも知れません。

発展途上の小ぶりな乳房と可憐な首筋を露にしながら、フローラは愛のひと時を過ごしているのです。


2. 原題


ウィリアム・アドルフ・ブグロー(William Adolphe Bouguereau)が描いた『フローラとゼピュロス』は、フランス語ではFlore et Zéphyrと言います。

この作品は、フランス東部の街ミュルーズ(Mulhouse)にある美術館(Musée des Beaux Arts de Mulhouse)で見ることが出来ます。





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サンドロ・ボッティチェッリ『春』 第2弾
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年05月27日(金)14時49分 | 編集 |
記事のタグ: ウフィッツィ美術館
2011年5月27日(金)


目次
1. 西風の神ゼピュロス
2. 風の神アネモイ
3. 原題


今回取り上げる作品は、サンドロ・ボッティチェッリ作『春』です。

2011年5月27日サンドロ・ボッティチェッリ『春』217

1. 西風の神ゼピュロス


イタリアの画家サンドロ・ボッティチェッリ(1445-1510)が描いた『春』は、2010年8月1日の記事『サンドロ・ボッティチェッリ『春』 loro2012.blog』で取り上げたことがあります。

今回は、西風の神ゼピュロスに焦点を当てます。
画面向かって右端にいるのが、西風の神ゼピュロスです。

ゼピュロスは、向かって右からニ番目のクロリスに求愛します。
クロリスはゼピュロスの愛を受けて、花の女神フローラへと変身するのです。

向かって右から三番目の、薔薇の花を地面に撒いているのがフローラです。

薔薇の花は、アプロディーテの花とされています。
アプロディーテは、ローマ神話におけるヴィーナスに相当します。


2.風の神アネモイ


ゼピュロスは、風の神アネモイの中の一柱(ひとはしら)です。
アネモイは、全部で四柱います。

東風の神はエウロスで、季節との関連付けは、なされてはいません。
西風の神はゼピュロスで、春と初夏のそよ風を運びます。

南風の神はノトスで、晩夏と秋の嵐を運びます。
北風の神はボレアスで、冷たい冬の空気を運びます。

アネモイは、星空の神アストライオスと暁の女神エオスとの間に生まれました。
アストライオスの父は、クレイオスです。

系譜を示します。

ウラノス→クレイオス→アストライオス→アネモイ

アネモイは、ローマ神話におけるウェンティ(Venti)に相当します。

イタリア語で「風」は、il ventoと言います。
il ventoの複数形は、i ventiです。


3. 原題


サンドロ・ボッティチェッリ(Sandro Botticelli)が描いた『春』は、イタリア語ではPrimaveraと言います。

primaveraは、春、という意味です。
この作品は、ウフィッツィ美術館(Galleria degli Uffizi)で見ることが出来ます。





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ポンペオ・バトーニ『キューピッドとプシュケの結婚』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年05月26日(木)12時05分 | 編集 |
2011年5月26日(木)


目次
1. ヒュメナイオス
2. 原題


今回取り上げる作品は、ポンペオ・バトーニ作『キューピッドとプシュケの結婚』です。

2011年5月26日ポンペオ・バトーニ『キューピッドとプシュケの結婚』232

1. ヒュメナイオス


イタリアの画家ポンペオ・バトーニ(1708-1787)が描いているのは、エロスとプシュケが晴れて結婚する場面です。

画面中央で赤いマントを着て左手で松明を掲げているのは、結婚の祝祭の神ヒュメナイオスです。
ヒュメナイオスは結婚式には必ず現われるとされていて、式の司会進行役を務めます。

ヒュメナイオスを挟んで向かい合っているのが、エロスとプシュケです。
ここでは、エロスは子供として描かれていますね。

向かって左で着座しているのは、アプロディーテです。

息子エロスとプシュケの結婚式に列席しているということは、アプロディーテはプシュケを許したということですね。

向かって右で雲に乗っているのは、西風の神ゼピュロスです。
エロスとプシュケはお互いに指輪を交換し、正式な夫婦となりました。


2. 原題


ポンペオ・バトーニ(Pompeo Batoni)が描いた『キューピッドとプシュケの結婚』は、英語ではThe Marriage of Cupid and Psycheと言います。

この作品は、ベルリンにあるベルリン美術館(The Berlin State Museums)で見ることが出来ます。





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アンソニー・ヴァン・ダイク『キューピッドとプシュケ』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年05月25日(水)14時41分 | 編集 |
2011年5月25日(水)


目次
1. 天界へと昇るプシュケ
2. 原題


今回取り上げる作品は、アンソニー・ヴァン・ダイク作『キューピッドとプシュケ』です。

2011年5月25日アンソニー・ヴァン・ダイク『キューピッドとプシュケ』331

1. 天界へと昇るプシュケ


箱の中の正体は永遠の眠り、即ち死でした。
プシュケは箱を開けたまま永遠の眠りについてしまったのです。

アンソニー・ヴァン・ダイク(1599-1641)は息絶えたプシュケに駆け寄るエロスを描いています。

横たわるプシュケが右手に持っているのは、ペルセポネから受け取った「永遠の眠りが入っていた箱」です。

急ぎ駆けつけたエロスはこの後プシュケにネクタルを飲ませます。
そして神々の暮らすオリンポスへと連れて行きました。

プシュケはオリンポスにて神々の仲間入りをすることを認められました。
そしてプシュケとエロスは晴れて天界で結婚することになるのです。


2. 原題


アンソニー・ヴァン・ダイク(Anthony van Dyck)が制作した『キューピッドとプシュケ』は、英語ではCupid and Psycheと言います。

この作品はイングランドのBerkshire州にあるウィンザー城(Windsor Castle)に収蔵されています。





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ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス『黄金の箱を開けるプシュケ』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年05月24日(火)14時36分 | 編集 |
2011年5月24日(火)


目次
1. 冥界へ行くプシュケ
2. 箱の正体
3. 原題


今回取り上げる作品は、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス作『黄金の箱を開けるプシュケ』です。

2011年5月24日ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス『黄金の箱を開けるプシュケ』541

1. 冥界へ行くプシュケ


キューピッドは、ギリシア神話ではエロスに相当します。

プシュケはエロスの愛を取り戻すために、アプロディーテに命じられた試練を次々にこなしていきました。

アプロディーテは最後の試練として、プシュケに次のような課題を与えました。

「冥界の女王ペルセポネのところへ行き、美を分け与えてもらいなさい。衰え始めた私の美貌を保つために、ペルセポネが持っている冥界の美が必要なのです。」

この命に従い、プシュケは冥府にいるペルセポネのところへ赴きました。


2. 箱の正体


ペルセポネは、プシュケの頼みを聞き入れ、美の入った箱を渡してくれました。

ペルセポネから美の入った箱を受け取ったプシュケは、冥界から地上に戻った後、この箱の中身がどうしても気になります。

アプロディーテだけでなくプシュケ自身も、数々の試練を乗り越えるうちに容色が衰えているのではないか、という不安を抱えていました。

もし試練に打ち勝ってエロスにもう一度会えたとしても、美しさが損なわれた自分にはもう振り向いてくれないかも知れない・・・。

このように考えたプシュケは、好奇心に負けて箱を開けてしまいました。

イギリスの画家ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス(1849-1917)が描いているのは、ペルセポネから与えられた箱を開けているプシュケです。

ペルセポネがくれた箱に入っているのは、美のはずでした。
ところが箱の中身は、美ではなく永遠の眠りだったのです。

永遠の眠りとは、即ち、死です。
こうして、プシュケは命を落とすことになるのです。


3. 原題


ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス(John William Waterhouse)が描いた『黄金の箱を開けるプシュケ』は、英語ではPsyche Opening the Golden Boxと言います。

この作品は、個人所蔵となっています。





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ルカ・ジョルダーノ『プシュケに試練を与えて罰するヴィーナス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年05月23日(月)20時53分 | 編集 |
2011年5月23日(月)


目次
1. デメテルの神殿
2. アプロディーテの神殿
3. 原題


今回取り上げる作品は、ルカ・ジョルダーノ作『プシュケに試練を与えて罰するヴィーナス』です。

2011年5月23日ルカ・ジョルダーノ『プシュケに試練を与えて罰するヴィーナス』275

1. デメテルの神殿


プシュケはエロスとの約束を破り、火を灯(とも)してエロスの姿を見てしまいました。
この裏切り行為により、エロスはプシュケから離れて行きました。

プシュケは、自分の好奇心の強さに打ち勝つことが出来なかったのです。
そして、そのことを深く反省し、何とかエロスの愛を取り戻す方法はないかと考えました。

宮殿を出たプシュケは、森や街をさ迷いながらエロスの姿を探し続けます。
やがて、プシュケはデメテルの神殿へと辿り着きました。

デメテルは、アプロディーテがプシュケを恨んでいることを告げました。

そして、偶然とはいえ、エロスに火傷まで負わせてしまったことが、神々の怒りを招いていることも告げました。

プシュケは、デメテルの神殿を後にしてアプロディーテの神殿へと向かうことを決意します。
たとえ恨まれていようとも、エロスの母であるアプロディーテに善後策を伺うことにしたのです。


2. アプロディーテの神殿


アプロディーテは美貌のプシュケを見るなり、その美しい顔を殴りつけました。

そして、プシュケが召使として役に立つ女かどうかを確かめるために、幾つかの無理難題を命じたのです。

一つ目の命令は、穀物の仕分けです。
二つ目の命令は、黄金の羊毛の収集です。

三つめの命令は、山頂近くの絶壁から流れ落ちる滝の水を、水差しに入れることです。

イタリアの画家ルカ・ジョルダーノ(1634-1705)が描いているのは、アプロディーテがプシュケに三つめの命令として水を取ってくるように指示しているところです。

画面向かって左側で、全裸で官能的な肉体を露にしているのが、アプロディーテです。
アプロディーテは、左手の指で山の方向を示しています。

後景に描かれた急峻な山の頂きには、人が登れない絶壁があります。
その絶壁には、滝が流れ落ちています。

絶壁ですので、その滝には人が近づくことは出来ません。
さらに、滝の番をしている竜がいますので、滝の水を収集することは普通に考えたら不可能です。

その滝の水を取ってくることが、アプロディーテの出した命令なのです。

アプロディーテの向かって右で、服を着て両腕を広げているのがプシュケです。

アプロディーテの前では、プシュケはその美貌を誇ることは許されません。
従って、衣装を身につけた状態で描かれているのです。

結局、ゼウスの遣わした鷲が、プシュケの代わりに水差しを咥えて滝に近づきました。
竜の脅しを巧みにかわした鷲は、首尾良く滝の水を水差しに入れて戻って来ました。

こうしてプシュケは、三つの難題を周囲の協力により、全てこなすことが出来たのでした。


3. 原題


ルカ・ジョルダーノ(Luca Giordano)が描いた『プシュケに試練を与えて罰するヴィーナス』は、英語ではVenus punishing Psyche with a taskと言います。

この作品は、イギリス王室のロイヤル・コレクションの一つで、ウィンザー城(Windsor Castle)で見ることが出来ます。





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ジャン・オノレ・フラゴナール『キューピッドからの贈り物を姉達に見せるプシュケ』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年05月22日(日)13時37分 | 編集 |
2011年5月22日(日)


目次
1. プシュケの姉達
2. 姉達による唆し
3. 男性の正体
4. 原題


今回取り上げる作品は、ジャン・オノレ・フラゴナール作『キューピッドからの贈り物を姉達に見せるプシュケ』です。

2011年5月22日ジャン・オノレ・フラゴナール『キューピッドからの贈り物を姉達に見せるプシュケ』291

1. プシュケの姉達


会話の相手を望んだプシュケは、西風の神ゼピュロスに依頼して姉二人を宮殿まで運んでもらいました。

姉達は怪物によってプシュケが拐(さら)われて、もう既に殺されていると思っていました。
ところが、プシュケは夢のような宮殿で幸せに暮らしていたのです。

地上では手に入らないような装飾品や衣装に囲まれて、何不自由ない生活をプシュケは送っていました。

フランスの画家ジャン・オノレ・フラゴナール(1732-1806)は、プシュケと姉達の様子を描いています。

画面中央で白い服を着て座っているのがプシュケです。

姉二人はその向かって左で立っています。
プシュケの世話係が示す衣装や宝石類に興味津々の面持ちですね。

姉二人は次第に妹プシュケに対して嫉妬心を抱くようになりました。
いくら周囲に話し相手がいないとは言え、プシュケは衣食住に事欠かない生活をしています。

そして、物質面で何ら不足がないだけでなく愛情を込めて抱いてくれる男性までいるのです。
しかもその男性からの愛撫は一日も休むことなく毎晩続いていると聞かされました。

プシュケの性欲は毎晩満たされ心身ともに充実している様子が明らかです。
姉二人にとって女としての幸せを全て手に入れたプシュケは憎しみの対象となっていくのです。

画面上部の左に描かれているのは不和と争いの女神エリスです。
エリスの頭髪は蛇と化し左手に握っているのも蛇ですね。

蛇というのは嫉妬や憎しみの象徴として描かれることが多いです。


2. 姉達による唆(そそのか)し


姉達は姿を見せない男性を怪物と決めつけます。
そして、いずれプシュケを殺害するだろうと予言しました。

そうなる前に短剣で相手の男を殺してしまいなさいと嗾(けしか)けます。

プシュケは男性からの愛の言葉を信じていました。
しかし、姿を見せないことに対しては不信感を募らせていました。

姉達に煽られてプシュケは戒めを破ってしまうのです。


3. 男性の正体


ある夜、エロスはいつものようにプシュケとセックスした後、プシュケの髪を撫でながら深い眠りにつきました。

プシュケはエロスが眠っていることを確認した後、そっと起き出しました。
そして蝋燭に火を点けて男性の体を照らしてみたのです。

床に横たわっていたのはエロスでした。
毎晩自分を抱いてくれていたのはあのエロスだったのです。

動揺したプシュケは持っていた燭台から蝋を零(こぼ)してしまいました。
そして、その蝋がエロスの体に落ちてしまったのです。

熱さで飛び起きたエロスは瞬時に事態を把握します。
愛の言葉を信じられず裏切ったプシュケに対して、エロスは背中を向けて立ち去ってしまいました。


4. 原題


ジャン・オノレ・フラゴナール(Jean Honoré Fragonard)が描いた『キューピッドからの贈り物を姉達に見せるプシュケ』は、英語ではPsyche showing her Sisters her Gifts from Cupidと言います。

この作品は、ロンドンのナショナル・ギャラリー(The National Gallery, Trafalgar Square, London)で見ることが出来ます。





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ルカ・ジョルダーノ『目に見えない精霊たちに給仕されるプシュケ』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年05月20日(金)16時43分 | 編集 |
2011年5月20日(金)


目次
1. 孤独な生活
2. 原題


今回取り上げる作品は、ルカ・ジョルダーノ作『目に見えない精霊たちに給仕されるプシュケ』です。

2011年5月20日ルカ・ジョルダーノ『目に見えない精霊たちに給仕されるプシュケ』274

1. 孤独な生活


プシュケは西風ゼピュロスによって、エロスの宮殿に連れて行かれました。
この宮殿は、この世のものとは思えないぐらい素晴らしい宮殿です。

緑に恵まれ、澄み切った水に満たされ、騒がしさとは無縁の世界です。
この世の楽園かと見紛うほどの快適な空間で、プシュケは暮らしていました。

ただ一つ難点があるとすれば、プシュケの周囲には誰もいないのです。

食事や身支度の世話をしてくれる存在は感じられるのですが、姿が一切見えません。
何一つ不満のない暮らしですが、プシュケには目に見える確かなものが何もありませんでした。

イタリアの画家ルカ・ジョルダーノ(1634-1705)が描いているのは、精霊たちに給仕されているプシュケの姿です。

向かって右で、テーブルの上に置かれた食べ物を右手で取ろうとしているのがプシュケです。

周りにいる精霊たちは甲斐甲斐しくプシュケの世話をしていますが、プシュケには何も見えていません。


2. 原題


ルカ・ジョルダーノ(Luca Giordano)が描いた『目に見えない精霊たちに給仕されるプシュケ』は、英語ではPsyche served by invisible spiritsと言います。

この作品は、イギリス王室のロイヤル・コレクションの中の一枚で、ウィンザー城(Windsor Castle)で見ることが出来ます。





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ピエール=ポール・プリュードン『プシュケの略奪』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年05月19日(木)16時24分 | 編集 |
記事のタグ: ルーヴル美術館
2011年5月19日(木)


目次
1. 西風ゼピュロス
2. 原題


今回取り上げる作品は、ピエール=ポール・プリュードン作『プシュケの略奪』です。

2011年5月19日ピエール=ポール・プリュードン『プシュケの略奪』392

1. 西風ゼピュロス


エロスは愛するプシュケと一緒に宮殿で暮らすため、地上からプシュケを略奪することにしました。

略奪の実行は、ゼピュロスに依頼しました。
ゼピュロスとは、西風の神です。

岩山の頂に一人置き去りにされているプシュケは、西風によって遥か彼方へと運ばれていくことになります。

フランスの画家ピエール=ポール・プリュードン(1758-1823)は、プシュケが風の精たちに拐(さら)われていく様子を描いています。

気がつくと、プシュケは夢のような宮殿の中にいることになります。


2. 原題


ピエール=ポール・プリュードン(Pierre-Paul Prud'hon)が制作した『プシュケの略奪』は、フランス語ではL'enlèvement de Psychéと言います。

l'enlèvementが、拉致、という意味です。

この作品は、ルーヴル美術館(Musée du Louvre)で見ることが出来ます。





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ルカ・ジョルダーノ『アポロンの神殿に犠牲を捧げるプシュケの両親』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年05月18日(水)16時51分 | 編集 |
2011年5月18日(水)


目次
1. アポロン神殿の神託
2. 原題


今回取り上げる作品は、ルカ・ジョルダーノ作『アポロンの神殿に犠牲を捧げるプシュケの両親』です。

2011年5月18日ルカ・ジョルダーノ『アポロンの神殿に犠牲を捧げるプシュケの両親』273

1. アポロン神殿の神託


美しいプシュケには多くの求婚者が現れました。
しかし男たちはプシュケの美しさを目のあたりにすると、一様に自己卑下して身を引くのです。

結果的にプシュケには適当な婿が定まらないということになっていました。
プシュケの両親はプシュケの結婚についてアポロンの神殿に伺いを立てることにしました。

イタリアの画家ルカ・ジョルダーノ(1634-1705)が描いているのは、プシュケの両親がアポロン神殿で犠牲を捧げて神託を伺っている場面です。

祭壇の前で合掌して跪いているのはプシュケの母親ですね。
愛娘の結婚に関わる問題ですので、母親としては切実な思いで神に向かっています。

神託の結果は次のように示されたのです。

「プシュケの夫になるのはこの世のものではない。プシュケに喪服を着せ高い岩山に置き去りにするが良い。」

神託を聞いた両親は、プシュケが怪物の餌食になる運命なのだと思いました。
しかし神託は必ず実現します。

プシュケも両親もここから先の人生を諦めて、神託に従うことにしたのです。
美貌のプシュケは、一人岩山に置き去りにされて死を覚悟します。


2. 原題


ルカ・ジョルダーノ(Luca Giordano)が描いた『アポロンの神殿に犠牲を捧げるプシュケの両親』は、英語ではPsyche’s parents offering sacrifice to Apolloと言います。

この作品はイギリス王室のロイヤル・コレクションの中の一枚で、ウィンザー城(Windsor Castle)で見ることが出来ます。





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小林よしのり『ゴーマニズム宣言SPECIAL 天皇論』を読んだ感想
記事URL  カテゴリ | 書評 | 2011年05月18日(水)01時43分 | 編集 |
2011年5月18日(水)


私が読んだ本を紹介する企画の第2弾は小林よしのり著『ゴーマニズム宣言SPECIAL 天皇論』です。


1. 基本データ


書籍名 ゴーマニズム宣言SPECIAL
副 題 天皇論
著 者 小林よしのり
ISBN 4-09-389715-8
ページ数 384ページ


2. 目次


序章 わしが「君が代」を歌うようになったわけ
第1章 無自覚な天皇尊崇
第2章 雅子妃への祈り
第3章 初めての新年一般参賀  
第4章 天皇の基礎知識1・天皇には姓がない
第5章 天皇の基礎知識2・皇居と国家元首
第6章 皇室祭祀と三種の神器
第7章 今上天皇の大御心・御即位二十年・福祉
第8章 今上天皇の大御心・御即位二十年・慰霊
第9章 天皇は「神」だったのか?
第10章 天皇は「カミ」である!
第11章 天皇即位の条件に「人格」はない
第12章 学術を装った「宮中祭祀廃止論」の悪意
第13章 「天皇制」「天皇家」という言葉は間違い
第14章 天皇イメージの変遷
第15章 明治憲法は天皇絶対主義だったのか?
第16章 「完全政教分離」という破壊思想
第17章 シナの「王道」、日本の「皇道」
第18章 天皇は差別の元凶ではない
第19章 なぜ「国体護持」が必要だったのか?
第20章 天皇と公民で成り立つ「国体」
最終章 国民主権は国体にあらず


3. この本を読もうと思ったきっかけ


私は大学4年の頃にアイザック渋谷校に通って英会話を学んでいました。

正直なところ特に目的意識もなく漠然と通っていただけだったので、あまり効果があったとは思えません。

アイザックが提供する授業内容が悪いのではなく、私の学ぶ姿勢に問題があったのだろうと思っています。

このアイザックで私を担当していたオーストラリア人女性の教師がいました。

彼女はブリズベンの出身で夫と共に来日し、アイザックで英語を教える傍ら空手を習っていると言っていました。

日本語はあまり喋れないようで、授業における私とのやりとりは当然のことながら全て英語でした。
何回目かの授業の時に経緯は忘れましたが、「天皇とは何か」という質問を彼女から受けました。

彼女は天皇の名前が「ヒロヒト」であるということは知っていました。
そう、私が大学4年だったのは1988年で昭和63年のことです。

その授業の時間内で、天皇について英語で簡潔に説明する能力は当時の私にはありませんでした。

そこで、後日レポート用紙に「天皇とは何か」について英語で書いて渡しますという申し出をしたのでした。

そのレポートはA4用紙で約10枚の分量になったと記憶していますが、内容面でどんなことを書いたのかは全く覚えていません。

ただ、レポートを読んだ女性教師は「なるほどね。」というような反応だったと思います。

そういう経験を持っている私にとって、小林よしのりが天皇についてどのような見解を示すのかとても興味がありました。

もちろん小林よしのりが書く以上、この書籍は基本的には漫画です。

ただ、『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』などと同じで、きちっと理論構成されていて読み応えがあります。

彼の主張を端的に表せば「天皇とは祭祀王である」ということになります。

天皇が毎月1、11、21日に旬祭(しゅんさい)と呼ばれる宮中祭祀を行っていることなど、日本人があまり知らないであろうことも詳細に述べられています。

毎度のことながら小林氏の情報収集力や読解力、歴史に関する知識の深さなどには感嘆します。
わずか1,575円でこれだけの情報が得られるわけですから費用対効果は大きいと思います。


ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論
小林 よしのり
小学館
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フランソワ・ジェラール『プシュケとアモル』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年05月17日(火)16時21分 | 編集 |
記事のタグ: ルーヴル美術館
2011年5月17日(火)


目次
1. アモルの純愛
2. 原題


今回ご紹介する絵画は、フランソワ・ジェラール作『プシュケとアモル』です。

2011年5月17日フランソワ・ジェラール『プシュケとアモル』496

1. アモルの純愛


アモルは、ギリシア神話ではエロスに相当します。

フランソワ・ジェラール(1770-1837)が1798年に描いた『プシュケとアモル』では、エロスがプシュケに口づけをしている場面が描かれています。

プシュケは地上で暮らす人間である以上、神の姿を見ることは出来ません。
従って、プシュケには額に口づけをしているエロスの姿が、見えていないのです。

至近距離で口づけをされながら、どこか他人事のような表情を浮かべているのは、そうした理由があるからなのです。

エロスの右手の中指と薬指は、プシュケの右の耳に今にも触れそうです。

エロスがこれ以上プシュケの敏感な肉体に触れたら、プシュケは次第に押し寄せてくる快感に抗(あらが)うことが出来なくなるでしょう。

プシュケの頭上には、蝶がひらひらと舞っています。
ギリシア神話において、蝶はプシュケの象徴として描かれることが多いです。


2. 原題


フランソワ・ジェラール(François Gérard)が描いた『プシュケとアモル』は、フランス語ではPsyché et l'Amourと言います。

l'Amourが、キューピッド、という意味です。
小文字のl'amourにすると、愛、という意味になります。

この作品は、ルーヴル美術館(Musée du Louvre)に所蔵されています。





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