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ジュゼッペ・マッツォーラ『ペレウスとテティスの結婚』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年11月26日(土)16時11分 | 編集 |
2011年11月26日(土)


目次
1. アイギナの孫ペレウス
2. 美貌の女神テティス
3. ペレウスとテティスの結婚式
4. 原題


今回取り上げる作品は、ジュゼッペ・マッツォーラ作『ペレウスとテティスの結婚』です。

2011年11月26日ジュゼッペ・マッツォーラ『ペレウスとテティスの結婚』456

1. アイギナの孫ペレウス


地上界でトロイの王子パリスが羊飼いとして暮らしていた頃、天上界では結婚式が行われていました。

結婚式の新郎新婦は、プティアの王ペレウスと海の女神テティスです。
プティアとは、現在のギリシアのテッサリアに相当するとされています。

ペレウスは人間の男で、父はアイアコス、祖父はゼウスです。
アイアコスは、ゼウスとアイギナとの間に生まれた息子です。

アイギナについては、2011年7月2日(土)の記事『ティツィアーノ・ヴェチェッリオ『シシュポス』 loro2012.blog.fc2.com』を参照して下さい。

系譜を示します。

ゼウス→アイアコス→ペレウス


2. 美貌の女神テティス


テティスは、生後すぐにヘラに捨てられたヘパイストスを養育した女神です。
テティスは、その美貌に目を付けたゼウスとポセイドンから求愛されました。

しかし、テティスがゼウスやポセイドンと結婚した場合、父より優れた子が生まれるという予言がなされました。

この予言の実現を回避するために、ゼウスとポセイドンはテティスとの結婚を諦めたのです。

テティスが他の男神と結婚した場合、ゼウスの地位を脅かすような子が生まれるかも知れません。
この事態を回避するために、ゼウスはテティスを人間の男に嫁がせることにしたのです。

選ばれたのは、プティアの王ペレウスでした。


3. ペレウスとテティスの結婚式


イタリアの画家ジュゼッペ・マッツォーラ(1748-1838)は、ペレウスとテティスが結婚式をあげている場面を描きました。

向かって左で、白い衣装を身につけて座っているのが、女神テティスです。
その向かって右で、上半身裸で立っているのがペレウスです。

この結婚式に引き続いて行われた披露宴は、結果的にトロイ戦争を引き起こす、一つの原因になりました。


4. 原題


ジュゼッペ・マッツォーラ(Giuseppe Mazzola)が描いた『ペレウスとテティスの結婚』は、英語ではThe Marriage of Peleus and Thetisと言います。

この作品は、トリノにある美術館(La Galleria Sabauda di Torino)で見ることが出来ます。


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Reyer van Blommendael『パリスとオイノネ』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年11月20日(日)15時17分 | 編集 |
2011年11月20日(日)


目次
1. 災いをもたらす王子
2. 生き延びる王子
3. 原題


今回取り上げる作品は、Reyer van Blommendael作『パリスとオイノネ』です。

2011年11月20日Reyer van Blommendael『パリスとオイノネ』369

1. 災いをもたらす王子


パリスは、トロイの王プリアモスと王妃ヘカベとの間に生まれた王子です。
生まれた当初は、パリスではなく、アレクサンドロスと名付けられました。

王子であるアレクサンドロスは、本来であればトロイの宮廷で育てられるはずでした。
しかし、母ヘカベがアレクサンドロスを出産する直前に、不吉な夢を見てしまったのです。

その夢とは、自分が生んだ「燃える木」によって、トロイの街が炎上するというものでした。

夢判断をする占い師達は、「燃える木」がアレクサンドロスを意味すると解釈し、アレクサンドロスの存在がトロイの滅亡を招くと説きました。

そして、生まれたばかりのアレクサンドロスを殺すべきだと、王夫妻に進言します。

王プリアモスと王妃ヘカベはトロイを守るために、その進言を受け入れます。

そして、生まれたばかりのアレクサンドロスをイデ山へ連行し、殺害して遺棄するよう、家来に命じました。

イデ山とはトルコ北西部に位置する山で、現在ではカズ山と呼ばれています。


2. 生き延びる王子


王からアレクサンドロスを殺すよう命じられた家来は、さすがに赤ん坊を殺害することには躊躇(ためら)いを感じました。

結局その家来は、王プリアモスの命に背き、アレクサンドロスをイデ山に放置することにしたのです。

後のトロイ戦争の結末を知っている立場からすると、この家来の判断は誤りであったということになりますね。

イデ山中で置き去りにされた赤ん坊のアレクサンドロスは、奇跡的に羊飼いに拾われて、彼によってパリスと命名されました。

時が経って成長したパリス少年は、養父と同じように羊飼いとなりました。
そして、イデ山に住むニンフのオイノネと結婚して、幸せに暮らしていました。

オランダの画家Reyer van Blommendael(生年不詳-1675)は、パリスとオイノネの仲睦まじい姿を描いています。

パリスは妻オイノネの右手を優しく握って、樹皮を指差しています。
樹皮には文字が刻まれていて、パリスがオイノネにその意味する内容を教えているところです。

オイノネは興味深い面持ちで、パリスが指し示す文字を見つめています。

この時点では、将来パリスがオイノネを捨ててヘレネと結婚することになろうとは、誰にも予想出来ません。


3. 原題


Reyer van Blommendaelが描いた『パリスとオイノネ』は、フランス語ではPâris et Œnoneと言います。

この作品は、フランス北部の町リール(Lille)にある美術館(Palais des beaux-arts de Lille)で見ることが出来ます。





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ジョヴァンニ・ダ・サン・ジョヴァンニ『アウロラとティトノス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年11月18日(金)14時08分 | 編集 |
2011年11月18日(金)


目次
1. トロイ王子ティトノス
2. 不死ゆえの苦しみ
3. メムノンの母
4. 原題


今回取り上げる作品は、ジョヴァンニ・ダ・サン・ジョヴァンニ作『アウロラとティトノス』です。

2011年11月18日ジョヴァンニ・ダ・サン・ジョヴァンニ『アウロラとティトノス』669

1. トロイ王子ティトノス


アウロラは、ギリシア神話ではエオスに相当します。

ティトノスは、トロイの王子です。
父はトロイ王ラオメドンで、トロイ最後の王プリアモスはティトノスの兄弟にあたります。

系譜を示します。

ゼウス→ダルダノス→エリクトニオス→トロス→イロス→ラオメドン→ティトノス


ティトノスは、美貌の持ち主でした。
暁の女神エオスが、このティトノスに恋をしました。

エオスは、ティトノスに永遠の命を与えることを思いつきます。
そうすれば、ティトノスは死ぬことなくいつまでもエオスと愛し合うことが出来るからです。

エオスはゼウスに依頼して、ティトノスを不死の身にしてもらいました。


2. 不死ゆえの苦しみ


ティトノスは不死の体を得ましたが、老いていく宿命を変えることは出来ません。
いつまでも命は続くのですが、肉体は老衰していくのです。

美しかったティトノスが年を経るごとに老化していく様を見て、エオスはティトノスへの興味を失っていきます。

ティトノスはついに、エオスの宮殿の奥に置き去りにされてしまいました。

か細い声しか出せないような状態になったティトノスは、やがてセミに姿を変えられたと言われています。

イタリアの画家ジョヴァンニ・ダ・サン・ジョヴァンニ(1592-1636)が描いているのは、年老いたティトノスを見ているエオスの姿です。

画面下部のティトノスは白髪となり、肉体が衰えて起き上がることも出来なくなっています。
エオスはそんなティトノスに花を撒き散らしながら、朝の到来を告げる役割を果たしているのです。


3. メムノンの母


エオスはティトノスと愛し合い、息子メムノンを生むことになります。
系譜を示します。

トロス→イロス→ラオメドン→ティトノス→メムノン


メムノンはトロイ戦争において、アキレスとの戦いで討ち死にすることになります。

母エオスは息子メムノンの死を嘆き、涙をこぼしました。
その涙は、朝露になったと言われています。


4. 原題


ジョヴァンニ・ダ・サン・ジョヴァンニ(Giovanni da San Giovanni)が描いた『アウロラとティトノス』は、英語ではAurora and Tithonusと言います。

この作品は、フィレンツェにあるバルディーニ美術館(Museo Bardini)で見ることが出来ます。





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アンドレア・アッピアーニ『オリンポス山』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年11月14日(月)15時30分 | 編集 |
2011年11月14日(月)


目次
1. オリンポス山での給仕
2. 原題


今回取り上げる作品は、アンドレア・アッピアーニ作『オリンポス山』です。

2011年11月14日アンドレア・アッピアーニ『オリンポス山』161

1. オリンポス山での給仕


イタリアの画家アンドレア・アッピアーニ(1754-1817)が描いているのは、オリンポス山においてゼウスに給仕しているガニュメデスの姿です。

中央で赤い衣装を身につけて、右手に杖を持っているのがゼウスです。
その向かって右に座っている美女は、妻のヘラです。

画面向かって右端で、左肩を露にして右手で容器を持っているのが、ガニュメデスです。
この容器の中には、ネクタルが入っています。


2. 原題


アンドレア・アッピアーニ(Andrea Appiani)が描いた『オリンポス山』は、英語ではThe Olympusと言います。

この作品は、ミラノにあるブレラ美術館(Pinacoteca di Brera)で見ることが出来ます。





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ピーテル・パウル・ルーベンス『ガニュメデスの誘拐』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年11月13日(日)12時28分 | 編集 |
2011年11月13日(日)


目次
1. ヘベとの引き継ぎ
2. 原題


今回取り上げる作品は、ピーテル・パウル・ルーベンス作『ガニュメデスの誘拐』です。

2011年11月13日ピーテル・パウル・ルーベンス『ガニュメデスの誘拐』329

1. ヘベとの引き継ぎ


フランドルの画家ピーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)が描いているのは、鷲によって神々の世界へと連れて来られたガニュメデスがヘベと出会っている場面です。

ヘベは神々の饗宴において給仕の役割を担って来ました。
ヘベは母ヘラの意向によってヘラクレスと結婚することになりました。

そして結婚を機に父ゼウスによって給仕としての任務を解かれ、後任者に抜擢されたガニュメデスに引き継ぐことになったのです。

画面向かって右には2人の女性が描かれています。
顔立ちの気品からして、向かって右の白い服を着ている女性がヘベだと思われます。

青い服を着ている女性はヘベの侍女で、金の杯をガニュメデスに手渡しています。

この金杯は給仕役だったヘベが今まで管理して来たものなのですが、引継ぎに際してガニュメデスの手に渡りました。

画面向かって左の後景には、神々の饗宴の様子が描かれています。
ガニュメデスはもう二度とトロイ王国へと戻ることは出来なくなりました。


2. 原題


ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens)が描いた『ガニュメデスの誘拐』は、英語ではThe Abduction of Ganymedeと言います。

この作品はウィーンにあるリヒテンシュタイン美術館(Liechtenstein Museum)で見ることが出来ます。





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コレッジョ『ガニュメデスの誘拐』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年11月12日(土)14時04分 | 編集 |
記事のタグ: 美術史美術館
2011年11月12日(土)


目次
1. トロイの王子
2. 誘拐されるガニュメデス
3. アントーニオ・アッレーグリ
4. 原題


今回取り上げる作品は、コレッジョ作『ガニュメデスの誘拐』です。

2011年11月12日コレッジョ『ガニュメデスの誘拐』776

1. トロイの王子


ギリシア神話の登場人物の中に、ガニュメデスというトロイの王子がいます。
ガニュメデスの父は、トロイ王トロスです。

ガニュメデスには兄イロスがいて、そのイロスの子孫がパリスです。
系譜を示します。

トロス→イロス→ラオメドン→プリアモス(トロイ王家滅亡)→パリス


トロイとは、ギリシア神話に登場する都市の名前です。
ヨーロッパでは長い間、トロイは神話の中の都市であって、実在はしないと考えられていました。

しかし、19世紀後半にハインリッヒ・シュリーマン(1822-1890)がトロイ遺跡を発掘したことにより、その実在が証明されたことは有名ですよね。

ブラッド・ピットが主演した映画『トロイ』は、このトロイを舞台にしたトロイ戦争を扱ったもので、ギリシア側の視点から描かれたものでした。


2. 誘拐されるガニュメデス


トロイという都市は、考古学や地質学の進歩によってその実在が科学的にも証明されたわけですが、ガニュメデスについては、あくまでも神話の世界の人物という捉え方をしている人が大半でしょうね。

なぜなら、彼は鷲に連れ去られたからです。
そんなことはやはり現実にはあり得ませんので、架空の話として捉えるのが普通だと思います。

ガニュメデスを誘拐するよう命じたのは、最高神ゼウスです。
この誘拐は、ヘラクレスの死と関係しています。

ヘラクレスは死後、神々の仲間入りをしました。
そして、ゼウスとヘラの娘ヘベを妻としました。

ヘベは神々の宴会の給仕役をしていたのですが、ヘラクレスと結婚することによりその役目を終えました。

給仕役がいなくなったことにより、ゼウスは後任を探す必要に迫られました。

そこで、ヘベの後任として地上界から神の世界へと無理矢理に連れて行かれたのが、美貌の少年ガニュメデスだったわけです。

ギリシア神話を読むと、ゼウスは何をやっても許される立場にあったようですね。

地上の美少年を神々の世界へと誘拐するなどという恐ろしいことも、ゼウスであれば容易に実行してしまうのです。


3. アントーニオ・アッレーグリ


この絵画を描いたコレッジョ(1489-1534)は、イタリアルネサンス期の画家です。

コレッジョとは北イタリアにある都市の名前で、画家コレッジョにはアントーニオ・アッレーグリ(Antonio Allegri)という本名があります。

通例では、彼のことを本名ではなく、生まれた土地に因んでコレッジョと呼んでいます。

コレッジョの描くガニュメデスは、大きな鷲に連れ去られるというよりは、自分から鷲にしがみついているようにも見受けられます。

足元には白い犬がいますので、大鷲はまだそれほど高い所までは上昇していない様子です。
この時点では、ガニュメデスにも心のゆとりがあるのかも知れません。

また、何のために鷲が自分のところへやって来て、どこへ連れ去ろうとしているのかという趣旨も、知らされてはいないのでしょうしね。

163cm×70cmという縦長のこの作品は、コレッジョ晩年の1531年頃の制作とされています。
晩年と言っても、40歳代前半ですけどね。

160センチ以上の高さがある絵画ですから、人によっては見上げるような形でこの絵を目にすることになると思います。

これから高く舞い上がっていこうとする鷲とガニュメデスの姿を描く上で、最も視覚効果が高いと思われる縦横の比率を研究してこのような形になったのでしょうね。


4. 原題


コレッジョ(Correggio)が描いた『ガニュメデスの誘拐』は、イタリア語ではRatto di Ganimedeと言います。

il rattoは、強奪、という意味です。

ドイツ語では、Die Entführung des Ganymedと言います。
die Entführungが、誘拐、という意味です。

この作品は、ウィーンの美術史美術館(Kunsthistorisches Museum)に所蔵されています。





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Demeter Laccataris『ヘベ』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年11月10日(木)16時48分 | 編集 |
2011年11月10日(木)


目次
1. 給仕係
2. 原題


今回取り上げる作品は、Demeter Laccataris作『ヘベ』です。

2011年11月10日Demeter Laccataris『ヘベ』393

1. 給仕係


ヘベは、ゼウスとヘラの間に生まれた愛らしい娘です。
若々しい肉体美を誇る女神であることから、青春を司る役目を担っています。

ハンガリーの画家Demeter Laccataris(1798-1864)が描いているのは、神々の饗宴の給仕役をしているヘベの姿です。

ヘベは、天界において、オリンポスの神々が若さを保つために口にするネクタルやアンブロシアを、給仕する役目も担っていました。

ヘラクレスは死後、神々の世界に入ることを許されました。
そして、ヘラは娘のヘベを、ヘラクレスに妻として与えたのです。

ヘベがヘラクレスと結婚し、給仕役の任を解かれたため、宴会時に神々に給仕する担当者が不在となりました。

そこで、ゼウスはトロイの王子ガニュメデスを、天界へと連れて来ることにしたわけです。


2. 原題


Demeter Laccatarisが描いた『ヘベ』は、英語ではHebeと言います。
この作品は、個人所蔵となっています。





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フランソワ・ルモワーヌ『ヘラクレスの神格化』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年11月09日(水)14時05分 | 編集 |
2011年11月9日(水)


目次
1. 天界でのヘラクレス
2. ガニュメデス
3. 原題


今回取り上げる作品は、フランソワ・ルモワーヌ作『ヘラクレスの神格化』です。

2011年11月9日フランソワ・ルモワーヌ『ヘラクレスの神格化』364

1. 天界でのヘラクレス


人間としての命を終えたヘラクレスは、天界へと引き上げられました。
そして、長年にわたり険悪な関係にあったヘラとも和解します。

和解の証として、ヘラは娘のヘベをヘラクレスに妻として与えました。

フランスの画家フランソワ・ルモワーヌ(1688-1737)が描いているのは、天界に到着したヘラクレスの姿です。

画面向かって右で、左手に黒い棍棒を持って、車の上に立っているのがヘラクレスです。

中央上部で着座しているのは、最高神ゼウスと最高女神ヘラです。

ゼウスの右の足元には、ゼウスの聖獣の鷲が描かれています。
ヘラの左の足元には、ヘラの聖鳥の孔雀が描かれています。

ゼウスの向かって左に立っている女神は、ゼウスの娘ヘベですね。

ゼウスは右手でヘベの左手を取って、左手の人差し指をヘラクレスの方に向けています。
ゼウスはヘベに対して、天界へと上って来たヘラクレスと結婚するようにと命じているところですね。

ヘベの右肩に右手を添えているのは、結婚の祝祭の神ヒュメナイオスです。
ヒュメナイオスは、左手に松明を掲げています。


2. ガニュメデス


ヘベは、神々の宴会で給仕する役目を担っていました。
ヘベはヘラクレスと結婚したことにより、その役目を解かれたのです。

その結果、オリュンポスの給仕役が不在になりました。
そこでへべの後任としてゼウスから目を付けられたのが、トロイの王子ガニュメデスなのです。


3. 原題


フランソワ・ルモワーヌ(François Lemoyne)が描いた『ヘラクレスの神格化』は、英語ではThe Apotheosis of Herculesと言います。

この作品は、ヴェルサイユ宮殿(Château de Versailles)で見ることが出来ます。
ヘラクレスの間の、天井画の一部です。





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Jean Baptiste Borrekens『ヘラクレスの神格化』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年11月08日(火)15時51分 | 編集 |
記事のタグ: プラド美術館
2011年11月8日(火)


目次
1. アテナの先導
2. 原題


今回取り上げる作品は、Jean Baptiste Borrekens作『ヘラクレスの神格化』です。

2011年11月8日Jean Baptiste Borrekens『ヘラクレスの神格化』301

1. アテナの先導


ヘラクレスは、オイタ山頂で死にました。
その直後、天界から処女神アテナが馬車に乗って迎えに来ました。

こうしてヘラクレスは、天界へと上って行くことになったのです。

フランドルの画家Jean Baptiste Borrekens(1611-1665)は、馬車に乗って天界へと突き進むヘラクレスの姿を描いています。

ヘラクレスは、右手に棍棒を持っていますね。


2. 原題


Jean Baptiste Borrekensが描いた『ヘラクレスの神格化』は、スペイン語ではLa Apoteosis de Hérculesと言います。

この作品は、プラド美術館(Museo Nacional del Prado)で見ることが出来ます。





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グイド・レーニ『火葬台の上のヘラクレス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年11月07日(月)13時12分 | 編集 |
記事のタグ: ルーヴル美術館
2011年11月7日(月)


目次
1. ヘラクレスの最期
2. 原題


今回取り上げる作品は、グイド・レーニ作『火葬台の上のヘラクレス』です。

2011年11月7日グイド・レーニ『火葬台の上のヘラクレス』447

1. ヘラクレスの最期


イタリアの画家グイド・レーニ(1575-1642)が描いているのは、火葬壇の上で死ぬ間際のヘラクレスの姿です。

ヘラクレスは死に絶える間際まで、ヒュドラの毒に苦しみました。
ヘラクレスは、火葬壇に放たれた火に焼かれながら、ついに絶命します。

英雄ヘラクレスは、このようにして波乱万丈の生涯を閉じたのです。

妻デイアネイラは、事の次第を聞かされ自らの過ちを後悔します。
そして、喉を掻き切って自殺しました。

死後、ヘラクレスは神に列せられます。


2. 原題


グイド・レーニ(Guido Reni)が描いた『火葬台の上のヘラクレス』は、フランス語ではHercule sur le bûcherと言います。

le bûcherは、火葬台、という意味です。

この作品は、ルーヴル美術館(Musée du Louvre)で見ることが出来ます。





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ルカ・ジョルダーノ『火葬壇上のヘラクレス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年11月06日(日)11時51分 | 編集 |
記事のタグ: プラド美術館
2011年11月6日(日)


目次
1. ピロクテテス
2. ヘラクレスの弓矢とパリスの死
3. 原題


今回取り上げる作品は、ルカ・ジョルダーノ作『火葬壇上のヘラクレス』です。

2011年11月6日ルカ・ジョルダーノ『火葬壇上のヘラクレス』836

1. ピロクテテス


ヒュドラの毒が全身に回ったヘラクレスは、息も絶え絶えの状態になっています。
ヘラクレスは自分の体をオイタ山の頂上で火葬にするよう、息子のヒュロスに命じました。

ヒュロスたちはヘラクレスを頂上まで運び、火葬用の壇を拵(こしら)えました。
観念したヘラクレスは、部下たちに火をつけるよう命じます。

しかし、今までお世話になって来たヘラクレスにトドメを刺すような真似は、誰にも出来ません。
松明を掲げたまま、ヒュロスたちはその場に佇(たたず)んでいました。

そこへ、羊飼いのピロクテテスが通りかかります。
ピロクテテスは、羊を追って偶然この場面に遭遇したのでした。

事情を悟ったピロクテテスは、ヘラクレスさえ良ければ自分が火をつけると申し出ます。
ヘラクレスは、ピロクテテスの勇気ある申し出に、感謝の言葉を述べました。

そして、愛用してきた弓と矢をピロクテテスに、お礼として差し出したのです。

イタリアの画家ルカ・ジョルダーノ(1634-1705)が描いているのは、ピロクテテスが火葬壇に火をつけようとしている場面です。

前景で背を向けて右手で松明を持っているのが、ピロクテテスです。
中央で右腕を突き上げているのが、ヘラクレスです。

ヘラクレスの身につけている白い衣服には、あちらこちらに血が滲(にじ)んでいますね。


2. ヘラクレスの弓矢とパリスの死


後年に、ピロクテテスはこのヘラクレスから貰った弓矢を携えて、トロイ戦争に参加することになります。

そしてピロクテテスはこの弓矢を用いて、トロイの王子パリスを射て、瀕死の重傷を負わせることになるのです。

パリスは即死ではありませんでしたが、この傷が元で間もなく死にました。
パリスを殺したのは、ヘラクレスの弓矢だったということになるわけです。

このギリシア神話絵画シリーズも、いよいよ、トロイ戦争が近づいて来ましたね。


3. 原題


ルカ・ジョルダーノ(Luca Giordano)が描いた『火葬壇上のヘラクレス』は、スペイン語ではHércules en la piraと言います。

la piraは、火刑の時の火、を指します。

この作品は、プラド美術館(Museo Nacional del Prado)で見ることが出来ます。





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フランシスコ・デ・スルバラン『ヘラクレスの死』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年11月05日(土)12時37分 | 編集 |
記事のタグ: プラド美術館
2011年11月5日(土)


目次
1. ネッソスの罠
2. オイカリアの王女イオレ
3. デイアネイラの疑心
4. 焼け爛れる体
5. 原題


今回取り上げる作品はフランシスコ・デ・スルバラン作『ヘラクレスの死』です。

2011年11月5日フランシスコ・デ・スルバラン『ヘラクレスの死』273

1. ネッソスの罠


ヘラクレスはネッソスがデイアネイラを強姦しようとする姿を見て、急ぎ1本の毒矢を放ちました。
矢は見事にネッソスに命中しネッソスの蛮行は阻止されました。

デイアネイラの貞節はギリギリのところで守られたのです。

この矢はかつてヘラクレスが退治した怪物ヒュドラの猛毒の血が塗られていました。
死んで行くネッソスには矢に毒が塗られていることが分かりました。

美貌の人妻とセックスをするという思いを遂げられなかったネッソスは、絶命する直前に傍にいたデイアネイラに嘘を吹き込みます。

「将来、もしヘラクレスが他の女に心を奪われたとしても、この自分の血をヘラクレスに与えれば必ず妻であるあなたの元へ戻るであろう・・・。」


ネッソスが言ったことを真に受けたデイアネイラは彼の血を容器に移し、後方から近づいて来るヘラクレスに気付かれないように衣服の中にしまい込みました。

しかし、この血にはヒュドラの猛毒が混じっているのです。

ネッソスの罠とも気づかずにデイアネイラはこの猛毒入りの血を保管し、後日ヘラクレスに対して使うことになるのです。


2. オイカリアの王女イオレ


この後、ヘラクレスはオイカリア王エウリュトスを討つために出発します。
かつてヘラクレスはオイカリア王女イオレとの結婚話が成就しなかったことがありました。

それが契機となりヘラクレスは二度目の狂気をヘラから吹き込まれました。
そしてヘラクレスはデルフォイの神託に従いオンファレへの無償奉仕を余儀なくされたのでした。

それ以来ヘラクレスはイオレとの結婚を認めるという約束を反故にしたエウリュトスを恨んでいたのです。

ヘラクレスは兵を集めてオイカリアへ進軍します。
そしてヘラクレスはオイカリアの街を征服し、王エウリュトスや王子たちを皆殺しにします。

但し、美貌の王女イオレだけは捕虜として生かしておくことにしました。

戦いを終えたヘラクレス一行は帰途エウボイアに立ち寄りました。
エウボイアとは現在のエーゲ海にあるユービア島に同定されています。

ヘラクレスはエウボイアにおいてオイカリア戦の勝利をゼウスの神殿に報告しようと考えました。

神殿において祭祀を執り行い生贄を捧げる場合は、それに相応しい衣服を身につける必要があります。

ところが、戦争の帰途エウボイアの神殿に立ち寄ったヘラクレスは儀式用の衣服を持っていませんでした。

そこで伝令使のリカスを妻デイアネイラの元に遣わして、祭祀用の服を持って来るように命じたのです。


3. デイアネイラの疑心


宮廷に到着したリカスはデイアネイラに戦勝報告をします。
それと同時に美貌の王女イオレがヘラクレスの捕虜になったことを告げました。

美貌のイオレがヘラクレスの捕虜になったということは間もなく愛人になるということです。
デイアネイラの心はざわめきます。

その時、死ぬ間際のネッソスから聞かされた言葉が頭をよぎりました。

そしてネッソスの血を入れた容器を取り出し、祭祀用の衣服に血を浸した上でリカスに渡したのです。

もちろん、この血にはネッソスのものだけでなく怪物ヒュドラの猛毒の血も混じっています。
何も知らないリカスはデイアネイラから渡された祭祀用の衣服を携えてエウボイアに戻りました。


4. 焼け爛れる体


リカスから衣服を受け取ったヘラクレスは早速身につけて祭司を開始しました。

衣服に染み付いていたヒュドラの猛毒はヘラクレスの体温によって温められていきます。
そして猛毒はヘラクレスの皮膚から染み渡り全身を駆け巡ります。

間もなくヘラクレスの肉体は高熱を発しながら腐り始めました。
夫の愛を失いたくないというデイアネイラの女心が完全に裏目に出てしまったわけです。

スペインの画家フランシスコ・デ・スルバラン(1598-1664)はヘラクレスがリカスから受け取った衣服によって身を焼かれている場面を描きました。


5. 原題


フランシスコ・デ・スルバラン(Francisco de Zurbarán)が描いた『ヘラクレスの死』はスペイン語ではMuerte de Hércules, abrasado por la túnica del centauro Nesoと言います。

Nesoはネッソスのことです。

この作品はプラド美術館(Museo Nacional del Prado)で見ることが出来ます。





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グイド・レーニ『ネッソスに略奪されるデイアネイラ』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年11月04日(金)12時31分 | 編集 |
記事のタグ: ルーヴル美術館
2011年11月4日(金)


目次
1. ヘラクレスの妻デイアネイラ
2. 好色なネッソス
3. 原題


今回取り上げるのは、グイド・レーニ作『ネッソスに略奪されるデイアネイラ』です。

2011年11月4日グイド・レーニ『ネッソスに略奪されるデイアネイラ』452

1. ヘラクレスの妻デイアネイラ


ヘラクレスは、カリュドン王女デイアネイラを妻としました。

デイアネイラは、カリュドンの猪退治で活躍したメレアグロスの妹で、本当の父はディオニュソスです。

グイド・レーニ(1575-1642)が画面中央に描いている美女は、デイアネイラです。

ヘラクレスは妻と幼い息子ヒュロスを連れて旅をしている途中、大きな川を渡ることになりました。

ケンタウロスのネッソスが、川の渡し役としてそこで働いていました。
ケンタウロスとは、この作品に描かれているように半人半獣の怪物です。

ケンタウロスは、上半身が人間で下半身が馬の姿で描かれることがほとんどです。

乱暴をはたらき大酒飲みで好色なところから、ケンタウロスは人間の持つ獣性を表しているとされています。

川を渡るにあたり、ヘラクレスは息子ヒュロスを自分が担いで渡ることにしました。
そして妻のデイアネイラを渡してくれるよう、ネッソスに依頼しました。


2. 好色なネッソス


快諾したネッソスは、ヘラクレスよりも先にデイアネイラを担いで川を渡って行きます。
ネッソスは、美貌の人妻を担ぐというまたとない機会を得たわけです。

ネッソスは、デイアネイラの香り立つような柔肌に触れるたびに、邪(よこしま)な考えが頭をよぎります。

そして欲情したネッソスは、デイアネイラを犯すことを決意します。

まあ、決意と言っても元々が好色な存在なのですから、初めからそのつもりだったのでしょうね。

ネッソスのような異形の存在が、デイアネイラのような美女の豊満な乳房を我が物にするためには、力づくで犯すしかありません。

恐らく、それまでにも、多くの美女が犠牲になり、強姦されてきたのでしょう。

まさに、獣(けだもの)ですね。

画面向かって右端には、小さな姿でヘラクレスが描かれています。
これだけの距離があれば、ヘラクレスは簡単には追いつけないとネッソスは思ったのでしょう。

ネッソスは、美女を担いで勝ち誇ったような表情を見せています。

デイアネイラの柔らかい右手が、ネッソスの屈強な右肩に触れています。
この肌の触れ合いが、ネッソスの性欲をかき立てたわけです。

ネッソスのペニスは完全に勃起し、もはや制御できない状態になっています。

美貌の人妻デイアネイラは、絶体絶命の状況に追い込まれます。
このままでは強姦されるという恐怖を感じているため、美しい顔がこわばっています。


3. 原題


グイド・レーニ(Guido Reni)が制作した『ネッソスに略奪されるデイアネイラ』は、フランス語ではDéjanire enlevée par le centaure Nessusと言います。

Déjanireがデイアネイラ、Nessusがネッソスです。

enlever Zは、Zを誘拐する、という意味で、ここでは過去分詞(enlevée)の形で使われていて受動態になっています。

le centaureは、ケンタウロス、という意味です。

この作品は、ルーヴル美術館(Musée du Louvrer)で見ることが出来ます。





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ペリーノ・デル・ヴァガ『巨人族の没落』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年11月03日(木)12時49分 | 編集 |
2011年11月3日(木)


目次
1. 巨人族とは何か?
2. ガイアの不満
3. ギガントマキア
4. 原題


今回取り上げる作品は、ペリーノ・デル・ヴァガ作『巨人族の没落』です。

2011年11月3日ペリーノ・デル・ヴァガ『巨人族の没落』197

1. 巨人族とは何か?


クロノスが父ウラノスの男根を切り落とした際に、血が滴り落ちました。
その血が大地へと染みこんでいった時に生まれたのが、巨人族です。

巨人族は、ギガンテス族と呼ばれる場合もあります。
英語のgiantは、ギガンテス族に由来します。

ギリシア神話において、大地とはガイアを指します。
従って、巨人族はガイアとウラノスが儲けた子供たちということになります。

クロノスらティタン十二神も、ガイアとウラノスが儲けた子供たちです。
しかし、巨人族とティタン族は全く異なる存在です。


2. ガイアの不満


ゼウスは、ティタノマキアにおいて敗北したティタン族を、タルタロスへと送りました。
この処置に不満を持ったのが、ガイアです。

ティタン族は、ガイアにとっては子供たちです。
その子供たちがタルタロス送りになることは、ガイアにとっては受け入れがたいことでした。

ガイアとしては何とかして、ティタン族をタルタロスでの幽閉生活から救い出したいのです。
しかし、最高神ゼウスの許可は下りるはずもありません。

立場としてはガイアはゼウスの祖母なのですが、権力はゼウスが握っています。
そこでガイアは、ティタノマキアにおいてゼウスに協力したギガンテス族に援助を求めました。

ギガンテス族も、ガイアの子です。
ガイアの願いを受け入れたギガンテス族は、ゼウス政権と戦うことを決意します。


3. ギガントマキア


ついに、オリュンポスの神々とギガンテス族の全面戦争が始まりました。
この戦争は、ギガントマキアと呼ばれています。

ゼウスが勝利を祈って神託を受けたところ、次のように言われました。

「オリュンポスの神々は負けはしないが、人間の力を借りなければ勝利はない。」


この神託を受けて、ゼウスは人間の女性アルクメネと性交します。
そして、アルクメネはヘラクレスを生んだのです。

人間の血を引くヘラクレスを味方に引き入れて、オリュンポス政権は戦争に突入します。

ギガンテス族に対して、ゼウスは雷を打ちつけ、アテナは火山を投げ、ポセンドンは島を投げました。
最後にヘラクレスが毒矢を放ち、ギガンテス族は壊滅させられたのです。

イタリアの画家ペリーノ・デル・ヴァガ(1501-1547)が描いているのは、このギガントマキアの最終局面です。

画面上部中央にいる、髭を蓄えた男神がゼウスです。

ゼウスが左手に持っている赤いものは、雷霆(らいてい)ですね。
「霆」は激しい雷を指しますので、要するに強烈な稲妻ということですね。

ゼウスの向かって左隣に立っているのは、ヘラクレスです。
画面が暗くて見にくいですが、左手には棍棒を持っています。

ヘラクレスの隣の隣で、有翼の帽子を被っているのはヘルメスです。
ヘルメスは、神々の伝令役ですね。

この帽子は、ペタソスと呼ばれています。

ゼウスの真下にいるのは、ポセイドンです。

ゼウスの向かって右で、ヘルメットを被っているのは軍神アレスです。
右手には、棒を持っていますね。

アレスはゼウスとヘラの子で、ローマ神話ではマルスに相当します。

アレスの右にいて、右手を胸に置いているのはヘラです。
ヘラはゼウスの姉であり、正妻でもある女神です。

ヘラの向かって右で裸体で描かれているのは、アプロディーテです。
ローマ神話では、ヴィーナスですね。

アプロディーテはアレスと愛人関係になり、エロスを生むことになります。

エロスとは、ローマ神話ではアモルに相当します。
アモルは、クピドと呼ばれる場合もあります。

雲を挟んで下半分に描かれているのは、ギガンテス族の面々です。
ギガンテス族の多くは戦意喪失し、死に絶えたものもいます。

画面中央下部には、大股を開いて局部を見せるという屈辱的な姿で描かれているものもいますね。
ギガントマキアは、ゼウス政権の大勝利に終わりました。


4. 原題


ペリーノ・デル・ヴァガ(Perino del Vaga)が描いた『巨人族の没落』は、イタリア語ではLa caduta dei Gigantiと言います。

la cadutaが、権力の凋落、という意味です。

この作品は、イタリア北部の港町ジェノヴァにあるヴィッラ・デル・プリンチペ(Villa del Principe)で見ることが出来ます。





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フランソワ・ルモワーヌ『ヘラクレスとオンファレ』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年11月02日(水)10時41分 | 編集 |
記事のタグ: ルーヴル美術館
2011年11月2日(水)


目次
1. 奴隷となったヘラクレス
2. ヒッポリュテの斧
3. 射精管理する女
4. アウゲイアスへの復讐
5. 原題


今回取り上げる作品は、フランソワ・ルモワーヌ作『ヘラクレスとオンファレ』です。

2011年11月2日フランソワ・ルモワーヌ『ヘラクレスとオンファレ』401

1. 奴隷となったヘラクレス


オンファレに買われたヘラクレスは獅子の皮と棍棒を取り上げられてしまいました。
フランソワ・ルモワーヌ(1688-1737)の作品で、向かって左に描かれているのがオンファレです。

オンファレはヘラクレスから取り上げた獅子の皮を下半身に巻きつけ、太い棍棒を右腕で挟んでいますね。

棍棒の先端の形状を見れば分かるとおり、これは男根を表しています。

オンファレは屈強なヘラクレスを奴隷として買い受け、様々な労役をさせることになります。
ヘラクレスに課せられた労役の中にはオンファレを性的に満足させることも含まれていました。

太く逞しい男根を握り締めて離そうとしないオンファレを毎晩のように満足させるのは、ヘラクレスにとっても重労働だったことでしょう。

さらに、日中はヘラクレスは針仕事も命じられていました。
ヘラクレスが右手に持っているのは錘(つむ)です。

錘とは糸に撚(よ)りをかけながら巻き取る道具のことです。
紡錘(ぼうすい)と呼ばれる場合もあります。

左手に持っている繊維の塊から繊維を引き出して糸を紡いでいくわけです。

腕力を武器に生きて来たヘラクレスにとって、長時間の細かい手作業に従事する日々は苦痛が多かったことでしょう。

ヘラクレスの下半身に掛けられている衣は女性用です。
つまり、ヘラクレスはオンファレによって女装させられ糸紡ぎをさせられていたわけです。

昼間は女装と共に糸紡ぎをさせられ、夜はフェラチオで射精させられた直後に長時間の前戯とペニスの挿入を求められる日々・・・。

いずれもオンファレが満足するまで続けなければならず、さすがのヘラクレスもヘトヘトになっていたことでしょう。


2. ヒッポリュテの斧


オンファレが治めていたリディア王国とは現在のトルコ西部に相当する地域です。
ヘラクレスを奴隷としたオンファレはヘラクレスが持っていた斧も取り上げました。

この斧はヘラクレスが9番目の功業として成し遂げたアマゾンの女王ヒッポリュテが持っていたアレスの腰帯を奪った際に合わせて自分のものとした斧です。

オンファレはこの斧をたいそう気に入りリディア王国の紋章にしたのです。
なお、リディア王国(紀元前7世紀-紀元前547)は実在の王国です。


3. 射精管理する女


ヘラクレスは三年間オンファレに奴隷として仕えた後、晴れて自由の身となります。

三年間、毎日フェラチオとセックスにより最低でも一日に二度の射精をするという難行苦行を耐え抜いたわけです。

ある意味これは12の功業よりも困難と言えますね。
しかも対等の立場ではなく奴隷という立場での射精を義務付けられていたのです。

ヘラクレスは自分の段取りで射精することなど絶対に許されません。
オンファレの許可があってはじめて射精することが許されるのです。

男は射精を統制することなど本来は出来ません。
我慢にも限界があり一般の男性であれば10分持てばいい方でしょう。

2回連続のセックスなどもまず普通の男には無理です。
しかしヘラクレスはオンファレの奴隷ですから、一切口答えは出来ません。

この時代のギリシアもしくは地中海世界では、セックスの場で男に対して優位に立ち射精を管理する女がいたということなのでしょうね。


4. アウゲイアスへの復讐


自由の身になったヘラクレスは、かつて意地悪な仕打ちを受けたエリスの王アウゲイアスへの復讐を開始するのでした。

アウゲイアスはヘラクレスの五番目の功業において、家畜小屋を清掃したのに報酬としての牛を引き渡さなかった王です。

約束を反故にされた恨みをヘラクレスは忘れません。
ヘラクレスは大規模な戦力を組織し見事アウゲイアスを討ち取りました。

この戦いの最中、双子の弟イピクレスは敵の矢に当たり命を落としました。


5. 原題


フランソワ・ルモワーヌ(François Lemoyne)が制作した『ヘラクレスとオンファレ』はフランス語ではHercule et Omphaleと言います。

この作品はルーヴル美術館(Musée du Louvre)で見ることが出来ます。





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