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Gérard de Lairesse『リュコメデスの娘たちの中から見つけられるアキレス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年12月30日(金)16時33分 | 編集 |
2011年12月30日(金)


目次
1. スキュロス王リュコメデスの侍女アキレス
2. 原題


今回取り上げる作品は、Gérard de Lairesse作『リュコメデスの娘たちの中から見つけられるアキレス』です。

2011年12月30日Gérard de Lairesse『リュコメデスの娘たちの中から見つけられるアキレス』240

1. スキュロス王リュコメデスの侍女アキレス


オランダの画家Gérard de Lairesse(1641-1711)が描いているのは、オデュッセウスがアキレスの素性を見抜いた場面です。

画面中央で女装して、左手を黒髪につけているのがアキレスです。

この絵を見ると、中央に立つ人物の体の線は柔らかく、腕も丸みを帯びて、とても「闘将」アキレスには見えませんが、胸をはだけていないところからアキレスだと分かります。

その向かって左で、右腕を突き出している男性がオデュッセウスです。
オデュッセウスは、自分の素性を隠すために商人の身なりをしています。

画面向かって右にいる侍女たちは、オデュッセウスが持参した髪飾りなどの宝飾品に関心を示しています。

そんな中、ただ一人侍女に扮したアキレスだけは、武具に興味を示しました。

武具を鮮やかな手さばきで操るアキレスは、男であることがバレてしまいました。

素性が明らかになったアキレスはスキュロス宮廷を離れ、トロイ戦争に参加することになったのでした。


2. 原題


Gérard de Lairesseが描いた『リュコメデスの娘たちの中から見つけられるアキレス』は、英語ではAchilles Discovered among the Daughters of Lycomedesと言います。

この作品は、ストックホルムにあるスウェーデン国立美術館(National Museum of Fine Arts)で見ることが出来ます。


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Jan de Bray『リュコメデスの娘の中からアキレスを見つけるオデュッセウス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年12月27日(火)13時56分 | 編集 |
2011年12月27日(火)


目次
1. 女装するアキレス
2. 商人に変装したオデュッセウス
3. 原題


今回取り上げる作品は、Jan de Bray作『リュコメデスの娘の中からアキレスを見つけるオデュッセウス』です。

2011年12月27日Jan de Bray『リュコメデスの娘の中からアキレスを見つけるオデュッセウス』239

1. 女装するアキレス


アキレスの母テティスは、もしアキレスがトロイとの戦争に参加すれば、命を落とすであろうという予言を耳にしました。

テティスは息子アキレスの命を守るために、スキロス島の王リュコメデスの元へ、アキレスを女装させた上で送り込みます。

スキロス宮廷では、皆アキレスのことを女性だと信じ、リュコメデスの侍女として扱っていました。


2. 商人に変装したオデュッセウス


アキレスが侍女として働くスキロス宮廷へ、商人のなりをしたオデュッセウスがやって来ました。

オデュッセウスは、アキレスがスキロス宮廷に女性のふりをして潜んでいることを聞き、アキレスをトロイとの戦争に参加させるためにやって来たのです。

つまり、アキレスもオデュッセウスも、お互いに素性を隠して宮廷内で面会しているわけです。

但し、オデュッセウスはアキレスがこの中にいるという情報を持っていますが、アキレスは目の前の商人が、実はオデュッセウスだとは思ってはいません。

宮廷内に入ったオデュッセウスは、リュコメデスの娘や侍女たちに、宝石などの女性向けの商品を展示して、彼女たちの関心を引きました。

オデュッセウスが持参した商品の中には、刀などの武具が含まれていました。

一人の侍女は、首飾りなどには興味を示さず、すぐに武具を取ってその扱い易さを試し始めました。
その様子を見ていたオデュッセウスは、その侍女が実はアキレスであることを見抜きます。

オランダの画家Jan de Bray(1627-1697)は、アキレスが数ある商品の中から、まず刀を手に取った場面を描いています。

中央で白い女性用の服を着て、右手で刀の柄を握っているのがアキレスです。
画面向かって左端の、両肩から商品のかごをぶら下げている男性が、オデュッセウスです。

オデュッセウスは、商人の身なりをしてアキレスに素性がバレないようにしています。

アキレスも今日までは、スキロス宮廷内で侍女らしく振舞っていました。

しかし、オデュッセウスの計略に乗せられ、武具を見ていたら闘争本能を掻き立てられてしまったのでした。


3. 原題


Jan de Brayが描いた『リュコメデスの娘の中からアキレスを見つけるオデュッセウス』は、英語ではThe Discovery of Achilles among the Daughters of Lycomedesと言います。

この作品は、ワルシャワ国立美術館(The National Museum in Warsaw)で見ることが出来ます。





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ジャック=ルイ・ダヴィッド『パリスとヘレネの愛』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年12月23日(金)12時01分 | 編集 |
記事のタグ: ルーヴル美術館
2011年12月23日(金)


目次
1. アプロディーテの後押し
2. 原題


今回取り上げる作品は、ジャック=ルイ・ダヴィッド作『パリスとヘレネの愛』です。

2011年12月23日ジャック=ルイ・ダヴィッド『パリスとヘレネの愛』269

1. アプロディーテの後押し


フランスの画家ジャック=ルイ・ダヴィッド(1748-1825)が描いているのは、パリスとヘレネが仲睦まじく寄り添っている姿です。

絶世の美女ヘレネの愛を勝ち取ったパリスは、満足気な面持ちです。
パリスは、ヘレネの柔らかな左腕を右肩で感じながら、美形の顔立ちをじっと見つめています。

一方、ヘレネもトロイの王子パリスにしなだれかかって、甘えた表情を見せています。
後景向かって右端に描かれている柱の彫像は、愛と美と性の女神アプロディーテです。

パリスは、アプロディーテに黄金の林檎を渡した見返りとして、スパルタ王妃ヘレネを手に入れました。

パリスは、ただ単にヘレネを略奪しただけではありません。
ヘレネの愛も勝ち取ったのです。

これは全て、アプロディーテの後押しがあったからこそです。

この時点では、二人とも愛の世界に浸りきって幸せを共有しています。
しかし、悲劇は、もう間近まで迫って来ているのです。


2. 原題


ジャック=ルイ・ダヴィッド(Jacques-Louis David)が描いた『パリスとヘレネの愛』は、フランス語ではLes Amours de Pâris et d'Hélèneと言います。

この作品は、ルーヴル美術館(Musée du Louvre)で見ることが出来ます。





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フランチェスコ・プリマティッチオ『ヘレネの略奪』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年12月20日(火)13時07分 | 編集 |
2011年12月20日(火)


目次
1. ヘレネの本心
2. テセウスによるヘレネ略奪事件
3. 原題


今回取り上げる作品は、フランチェスコ・プリマティッチオ作『ヘレネの略奪』です。

2011年12月20日フランチェスコ・プリマティッチオ『ヘレネの略奪』 272

1. ヘレネの本心


パリスはメネラオスの隙を見て、王妃ヘレネを奪い去ります。

フランチェスコ・プリマティッチオ(1504-1570)の絵では、無理矢理にヘレネが連れ去られたかのような構図になっています。

しかし、実際にはヘレネの心は、アプロディーテの魔法によってパリスへの思いで一杯でした。

部下の手前、略奪に際して抵抗する姿勢を示したとしても、それはヘレネの本心ではありませんでした。

画面中央で両手を上げて、男たちに抱きかかえられているのがヘレネです。
ヘレネの右の太股に左手を掛けているのが、パリスです。

後景では柱廊の前で、王妃略奪を防ごうとするスパルタ兵たちをトロイ兵たちが組み止めています。
この後、ヘレネはパリスと一緒に船に乗って、トロイへと向かうことになるのです。


2. テセウスによるヘレネ略奪事件


2011年10月13日(木)の記事『Odorcio Politi『ヘレネとサイコロで遊ぶテセウスとペイリトオス』 loro2012.blog.fc2.com』で述べましたが、ヘレネは10歳の頃、アテナイ王テセウスとラピタイ王ペイリトオスによって略奪されたことがあります。

従って、今回のパリスによる略奪は、ヘレネの生涯において二回目のものということになりますね。

幼い頃からヘレネの美しさは、各地で評判になっていました。

それぞれ王妃を亡くして独り身だったテセウスとペイリトオスも、美少女ヘレネに関心を持ったわけです。

テセウスはクレタ王女のパイドラを妻としていましたが、パイドラは自殺しました。
ペイリトオスも、妻ヒッポダメイアを亡くしていました。

テセウスたちに連れて行かれたヘレネを奪回するために、兄のカストルとポリュデウケスがアテナイに侵攻しました。

無事ヘレネを奪回してスパルタへ戻る際、カストルたちはテセウスの母アイトラを捕虜として連行しています。

アイトラは息子のテセウスに依頼されて、幼かったヘレネを養育していたのです。

アイトラは、スパルタにおいては王女ヘレネの侍女となりました。

ヘレネがパリスによって連行された際、アイトラも付き従ってトロイ軍の船に乗り込むことになります。

トロイゼンの王女アイトラは、後にギリシア軍の攻撃によってトロイの街が陥落する様を、目のあたりにすることになるのです。


3. 原題


フランチェスコ・プリマティッチオ(Francesco Primaticcio)が制作した『ヘレネの略奪』は、英語ではThe Rape of Helenと言います。

この作品は、イングランド北東部の街バーナード・キャッスル(Barnard Castle)にあるボーズ美術館(Bowes Museumで見ることが出来ます。





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アンゲリカ・カウフマン『ヘレネがパリスと恋に落ちるよう仕向けるヴィーナス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年12月18日(日)14時49分 | 編集 |
2011年12月18日(日)


目次
1. トロイの王子パリス
2. 最高の美女ヘレネ
3. 原題


今回取り上げる作品は、アンゲリカ・カウフマン作『ヘレネがパリスと恋に落ちるよう仕向けるヴィーナス』です。

2011年12月18日アンゲリカ・カウフマン『ヘレネがパリスと恋に落ちるよう仕向けるヴィーナス』 venushel

1. トロイの王子パリス


パリスの審判が終わった後、アプロディーテは、まずパリスにトロイ王宮主催の競技大会に参加するよう命じます。

その際に、赤子の時に身につけていた衣類を持参するよう助言します。

競技大会で好成績を収めたパリスは、トロイ王宮に招かれました。

そして、パリスが携えている衣類を見た王プリアモスと王妃ヘカベは、この若者がかつて自分たちが家来に命じてイデ山に捨てたアレクサンドロスであることを認めました。

アレクサンドロスは、これ以降、トロイの王子パリスとしてトロイ宮廷で暮らすことになりました。

この時に、王女カッサンドラはパリスをトロイ宮廷に住まわせることに反対しました。
予知能力があったカッサンドラは、兄パリスがトロイ滅亡の原因となることを見抜いたからです。

しかし、カッサンドラの言うことは戯言(たわごと)として、誰にも相手にされませんでした。


2. 最高の美女ヘレネ


アプロディーテはパリスから黄金の林檎を渡してもらうために、パリスに対してこの世の最高の美女を与えるという約束をしました。

この世の最高の美女とは、スパルタ王妃ヘレネを指します。
パリスはヘレネに会うために、スパルタ王宮へ行くことにします。

父王プリアモスから出航の許可を得たパリスは、アプロディーテの息子アイネイアスを伴って、スパルタへと向かいました。

このアイネイアスは、ギリシア神話において、後に重要な役を担い、歴史の表舞台に再登場することになる人物です。

さて、当時のスパルタは、メネラオスが王として統治していました。
メネラオスは、ヘレネの夫です。

スパルタでヘレネに会ったパリスは、一目で恋に落ちました。
一方のヘレネも、アプロディーテが魔法をかけたことにより、パリスに恋心を抱くようになりました。

オーストリアの画家アンゲリカ・カウフマン(1741-1807)が描いているのは、パリスとヘレネがアプロディーテの導きで出会った場面です。

向かって一番左に着席して、青いドレスを着ているのがヘレネです。
ヘレネの表情は心なしか硬く、身構えている様子が伺えます。

ヘレネの右肩に右手を添えているのは、アプロディーテです。
アプロディーテはヘレネに対して、パリスへの恋心を抱くように仕向けています。

その向かって右で、右手に弓矢を持っているのはエロスです。
エロスに赤い服を引っ張られているのが、パリスです。

パリスは絶世の美女を前にして、幾分、怖気付いた面持ちですね。
この後、パリスはヘレネに対して、自分の妻としてトロイへ連れて行きたいと告白します。


3. 原題


アンゲリカ・カウフマン(Angelica Kauffmann)が描いた『ヘレネがパリスと恋に落ちるよう仕向けるヴィーナス』は、英語ではVenus Induces Helen to Fall in Love with Parisと言います。

この作品は、エルミタージュ美術館(State Hermitage Museum)で見ることが出来ます。







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ピーテル・パウル・ルーベンス『パリスの審判』(その2)
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年12月16日(金)14時53分 | 編集 |
2011年12月16日(金)


目次
1. 審査結果
2. セックスの総元締め
3. 原題


今回取り上げるのは、ピーテル・パウル・ルーベンス作『パリスの審判』(その2)です。

2011年12月16日ピーテル・パウル・ルーベンス『パリスの審判』(その2)256

1. 審査結果


匂い立つような裸体を晒す女神たちの透明感溢れる柔肌を見つめながら、パリスは審査どころではなかっただろうと推察します。

性的衝動を抑えることで頭の中が一杯になり、誰が最も美しいかということより、誰の提示した条件が最も快楽につながるかを判断材料にしたと思われます。

結果、パリスが黄金の林檎を手渡したのはアプロディーテでした。

画面中央で、赤い布を肩から掛けているのがアプロディーテです。
右の太股に抱きついているのは、息子のエロスですね。

美人の母親を持ったエロスの表情も、誇らしげです。


2. セックスの総元締め


パリスのような10代後半という年齢の男にとっては、領土や武勲という果実よりも美女との性愛という見返りの方が、遥かに魅力的なものに映るでしょうね。

しかも、審査中のパリスの目の前には、その性愛の対象たる熟れた肉体が3つも並んでいて、しかも、手を出すことは許されないという生殺し状態です。

アプロディーテは性愛の女神ですから、男性をセックスの快楽で虜(とりこ)にするという権限を持っています。

セックスの総元締めですね。

セックスの魅力を前面に押し出して、男の心を鷲掴みにするとは、やはりアプロディーテは、最強の女神です。

最強にして最高の美女、それがアプロディーテです。

残念な結果に終わった軍神アテナは、2011年12月13日(火)の記事『ピーテル・パウル・ルーベンス『パリスの審判』(その1) loro2012.blog』で取り上げた作品とは異なり、豊麗な背中を見せていますね。

右足の傍に、彼女の持ち物である楯アイギスが描かれています。

時が経過して、パリスは約束通り絶世の美女と謳(うた)われたスパルタ王妃ヘレネの愛を受けることになります。

このパリスに対するヘレネの愛が、トロイ戦争を引き起こすことになるのです。


3. 原題


ピーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)が制作した『パリスの審判』は、英語ではThe Judgement of Parisと言います。

この作品は、ロンドンにあるナショナル・ギャラリー(The National Gallery)で見ることが出来ます。





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エンリケ・シモネ『パリスの審判』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年12月15日(木)16時28分 | 編集 |
2011年12月15日(木)


目次
1. アテナの買収工作
2. ヘラの買収工作
3. アプロディーテの買収工作
4. 原題


今回取り上げる作品は、エンリケ・シモネ・ロンバルド作『パリスの審判』です。

2011年12月15日エンリケ・シモネ『パリスの審判』232


1. アテナの買収工作


3人の女神たちは、黄金の林檎を手にするためにパリスに対して買収工作を図ります。
向かって左端にいるのは軍神アテナです。

アテナはパリスに対して黄金の林檎を渡してもらう見返りとして、戦いにおける勝利を与えることを約束しました。

武勇の誉れ高い男になれるという餌で、パリスを釣ろうとしたわけですね。

アテナはアルテミスと同じく処女神でもあります。
局部を布で隠そうとしているのは、柔肌の露出は出来る限り避けたいという気持ちの表れでしょうね。


2. ヘラの買収工作


アテナの隣で服を着ているのがヘラです。

ヘラはパリスに対して黄金の林檎を渡してもらう見返りとして、広大な領地と絶大な権力を与えることを約束しました。

権力という餌でパリスを釣ろうとしたわけですね。

彼女の足元にいるのは孔雀です。
孔雀はヘラの聖鳥とされています。

孔雀の羽に目の模様が出来た理由は、2011年6月12日(日)の記事『ピーテル・パウル・ルーベンス『ユノとアルゴス』 loro2012.blog』で述べました。


3. アプロディーテの買収工作


アプロディーテはパリスに対して黄金の林檎を渡してもらう見返りとして、人間界における最高の美女の愛を与えることを約束しました。

性の悦楽という餌で、パリスを釣ろうとしたわけですね。

アプロディーテの言う最高の美女とは、スパルタ王女ヘレネのことです。
ヘレネはゼウスとレダとの間に生まれた娘で、卵から生まれた4人の内の一人です。

エンリケ・シモネ(1866-1927)が描くアプロディーテは、処女神アテナとは対照的に全身をパリスの前にさらけ出しています。

豊麗な肉体美で若者の心を鷲掴みにして、美女コンクールを制しようという考えです。

ヘラは衣服を身につけていますし、アテナは脱ぐことに抵抗を見せています。
この時点で、アプロディーテの勝利は決定づけられたと言って良いでしょう。

アプロディーテは男性が何を望んでいるのかを熟知しています。
だからこそ、彼女は愛と性の女神として君臨しているのです。

アプロディーテの隣に座っているのは息子のエロスです。


4. 原題


エンリケ・シモネ・ロンバルド(Enrique Simonet Lombardo)が制作した『パリスの審判』は、スペイン語ではEl juicio de Parisと言います。

el juicioが審判という意味です。

この作品はスペイン南部の地中海に面した都市マラガの美術館(Museo de Bellas Artes)で見ることが出来ます。





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ピーテル・パウル・ルーベンス『パリスの審判』(その1)
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年12月13日(火)14時49分 | 編集 |
2011年12月13日(火)


目次
1. 羊飼いになった王子
2. 伝令役ヘルメス
3. 美女コンテストの開始
4. 豊満な肉体美
5. 復讐の女神アレクト
6. 原題


今回取り上げるのはピーテル・パウル・ルーベンス作『パリスの審判』(その1)です。

2011年12月13日ピーテル・パウル・ルーベンス『パリスの審判』(その1)243

1. 羊飼いになった王子


ピーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)が描いているのはパリスが美しき女神たちを前にして審判をしている場面です。

画面向かって右側に腰掛けた状態で描かれている男性がパリスです。

ルーベンスは作品の中に何頭か羊を描いています。

後景中央に2頭の羊が大きく描かれていますし、後景向かって右端にも数頭が小さく描かれていますよね。

さらにパリスの両脚の間には犬が1匹います。
これは牧羊犬(ぼくようけん)と言って、放牧中の羊の見張りをするよう訓練を受けた犬です。

羊と牧羊犬、及び「王子」らしからぬ貧しい身なりでパリスを描くことによって、ルーベンスはパリスが羊飼いであったということを表現しているわけです。


2. 伝令役ヘルメス


パリスの後方で翼の付いた帽子ペタソスを被り、赤いマントを身につけているのはヘルメスです。
左手に持っている杖はケリュケイオンと呼ばれています。

神々への伝令役ヘルメスは人間界のイデ山においてパリスが下した審判について、すぐさま神々へ報告する任務を負っていたわけです。


3. 美女コンテストの開始


パリスの前に現れた三女神は惜しげもなく衣服を脱ぎ捨て、いよいよ地上における女神たちの美女コンテストが開始されました。

これだけの美女たちが豊満な肉体美を誇示して至近距離にいるわけですから、パリスの下半身は制御出来なくなっていたはずです。

我慢できる男などいませんね。

ルーベンスがパリスの下半身に濃紺の布を掛けた状態で描いているのは、同じ男としてパリスの高揚した精神状態が読めるからです。

パリス少年は怒濤(どとう)のように押し寄せる性欲と闘いながら、それでも健気(けなげ)に審査員の役割を果たそうとしています。

ただ、パリスの性的興奮が最高潮に近づき男根が完全に勃起していることは女神たちにはバレていますけどね。


4. 豊満な肉体美


画面中央で背を向けて立っているのがヘラです。
ヘラの足元には聖鳥である孔雀がいます。

ルーベンスはヘラを題材として女性の首筋から背中にかけての美しさを描きました。

三女神の中央にいて横顔を見せているのはアプロディーテです。
画面向かって左端でアプロディーテの脱ぎ捨てた衣装を片付けているのは息子のエロスです。

ルーベンスはアプロディーテを題材として女性の膨(ふく)よかな腹部や時折見え隠れする豊かな乳房の美しさを描きました。

画面向かって一番左にいて私たちに体の前面を見せているのがアテナです。

ルーベンスはアテナを題材として女性の脇の下から乳房にかけての柔らかさ、さらには肉付きの良い太股や脹ら脛の美しさを描きました。

アテナの右足の脹ら脛のあたりに描かれているのは兜ですね。

それから枝にぶら下げられて腰の位置に見えているのは楯アイギスです。
アイギスに描かれているのはメドゥーサですね。

その楯の上方に黒くて分かりづらいのですが梟(ふくろう)が描かれています。
オレンジ色の布の左側ですね。

ルーベンスがなぜ梟を描いているかというと、梟はアテナの聖なる象徴と捉えられているからです。
ギリシア神話においてはヘラの聖鳥が孔雀で、アテナの聖鳥が梟です。

3人の女神はかなり膨(ふく)よかな姿で描かれていて、現代の「痩身美」の基準からすると「美しくない肉体」という評価をされてしまいそうです。

もちろん、男女それぞれ好みの問題もあると思いますが、私はこのような熟した肉体に美しさを感じます。

マスコミなどでさんざん煽(あお)られて「痩身こそが美である」と信じ込まされている女性が多いのだとしたら、それは女性だけでなく男性にとっても不幸なことなのです。

男性の多くは女性の痩せこけた肉体を望んではいません。

体質的に特に難点がないにも関わらず甘い物などを我慢して食事量も可能な限り減らし、「痩せていることが美しいのだ」と自分に言い聞かせている女性が増えることは痩身業界やダイエット食品業界にとっては歓迎されるのかも知れません。

しかし、多くの一般男性は女性が切実に思っているほど「女性の痩身美」を求めているわけではないのですよ。


5. 復讐の女神アレクト


この作品においてはパリスが右手に持って差し出している林檎を受け取るべく、アプロディーテが左足を一歩前に進めていますね。

実はこのアプロディーテの動きがパリスの下した判断を示唆しているのですが、審査結果についてはルーベンスの別の作品で紹介します。

なおヘラの頭上、空中に描かれているのは復讐の女神アレクトです。

右手に松明を持って口を開いて何やら言葉を発しながら空を進んでいます。
左手に握り締めているのは蛇ですね。

アレクトは親殺しや偽誓の罪を犯した者に復讐する女神です。
あるいは若者の無礼、客への非礼、権力者の横柄な態度もその対象となります。

この美女コンテストの後、スパルタにおいてパリスがとった行動はアレクトの復讐対象になるということを予告しているのでしょうね。

ここから、パリスやトロイ王家の運命が大きく変わっていくのです。


6. 原題


ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens)が制作した『パリスの審判』は英語ではThe Judgement of Parisと言います。

この作品はロンドンにあるナショナル・ギャラリー(The National Gallery)で見ることが出来ます。





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アンソニー・ヴァン・ダイク『パリス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年12月11日(日)16時23分 | 編集 |
2011年12月11日(日)


目次
1. 戸惑うパリス
2. 原題


今回取り上げる作品は、アンソニー・ヴァン・ダイク作『パリス』です。

2011年12月11日アンソニー・ヴァン・ダイク『パリス』457

1. 戸惑うパリス


フランドルの画家アンソニー・ヴァン・ダイク(1599-1641)が描いているのは、トロイの王子パリスです。

この頃のパリスは、イデ山で羊飼いをして妻オイノネと一緒に暮らしていました。

平穏な毎日を送っていたパリスの前に、ある日突然ヘルメスに連れられた三女神が、天上界から降りて来ました。

三女神とは、ヘラ、アプロディーテ、アテナです。

ヘルメスは黄金の林檎をパリスに手渡し、最も美しいと思う女神を選ぶように命じます。
作品の中で、パリスが右手に握っているのが黄金の林檎です。

突如、パリスは美女コンテストの審査委員長を務める羽目になりました。
その表情からは、当惑の色が隠せません。


2. 原題


アンソニー・ヴァン・ダイク(Anthony van Dyck)が描いた『パリス』は、英語ではParisと言います。

この作品は、ロンドンにあるウォレス・コレクション(Wallace Collection)で見ることが出来ます。





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ポンペオ・バトーニ『ケンタウロスのケイロンから教育を受けるアキレス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年12月10日(土)11時59分 | 編集 |
記事のタグ: ウフィッツィ美術館
2011年12月10日(土)


目次
1. アキレスに教えるケイロン
2. 原題


今回取り上げる作品は、ポンペオ・バトーニ作『ケンタウロスのケイロンから教育を受けるアキレス』です。

2011年12月10日ポンペオ・バトーニ『ケンタウロスのケイロンから教育を受けるアキレス』407

1. アキレスに教えるケイロン


イタリアの画家ポンペオ・バトーニ(1708-1787)は、ケイロンがアキレスにリラを教えている場面を描きました。

リラとは古代ギリシアの竪琴を指します。
向かって右でリラを奏でているのがアキレスです。

後景では水の中で女性を力づくで連れ去り、性欲を満たそうとしている獣(けだもの)としてのケンタウロス族が描かれています。

これがケンタウロス族の本質なのです。
「力」がある者は何をやっても許されると勘違いしているわけですね。

傍(はた)迷惑な存在です。

現代でも人事権や予算編成権を握ると似たようなことをやっている勘違いした上司って、たくさんいるのかも知れません。

ケイロンは好色なケンタウロス族の中で稀有な存在であり、女を陵辱しているような同族とは一切交わらず、高邁な理想に燃える教育者としての生き方を貫いているのです。

ある意味孤高の存在とも言えますが、この生き方が評判となり多くの親たちが自分の息子をケイロンの元へ弟子入りさせ、学問・芸術・武術などを身につけさせようとしたわけです。

本来、教師というのはケイロンのような生き方を貫くべきで、生徒に対して絶大な権力を持つ教師という「聖職」に就いた者が破廉恥な言動をして世間を騒がせるなど言語道断なのです。

有り体に言うと性欲や食欲を捨ててでも子女の教育に情熱を傾けるという人物でなければ、教師という職業は務まらないはずなのです。

ところが最近の報道を見ると、好色なケンタウロス族を手本にしているような教師が今の日本にもいるみたいですね。


2. 原題


ポンペオ・バトーニ(Pompeo Batoni)が描いた『ケンタウロスのケイロンから教育を受けるアキレス』は、イタリア語ではAchille educato dal centauro Chironeと言います。

educare ZはZを教育するという意味です。
この作品はウフィッツィ美術館(Galleria degli Uffizi)で見ることが出来ます。





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ドナート・クレーティ『ケイロンの弟子になるアキレス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年12月09日(金)20時06分 | 編集 |
2011年12月9日(金)


目次
1. ケンタウロス族のケイロン
2. 賢者ケイロン
3. 原題


今回取り上げる作品は、ドナート・クレーティ作『ケイロンの弟子になるアキレス』です。

2011年12月9日ドナート・クレーティ『ケイロンの弟子になるアキレス』249

1. ケンタウロス族のケイロン


テティスとペレウスは相談した結果、アキレスの養育をケンタウロス族のケイロンに任せることにしました。

ペレウス自身も若い頃ケイロンに指導してもらった経験がありました。

ケンタウロス族とは半人半馬の怪物です。
ケイロンはクロノスとピリュラとの間に生まれた息子です。

系譜を示します。

ウラノス→クロノス→ケイロン


クロノスは妻レアに浮気がバレないようにするために、馬の姿に変身してピリュラと性交しました。
その結果ケイロンは下半身が馬の姿で生まれて来たわけです。

ピリュラはオケアノスの娘です。


2. 賢者ケイロン


ケンタウロス族は野蛮で粗暴な存在です。
しかし、ケイロンは例外的に賢者として知られています。

ケイロンはアポロンから音楽や医学を学び、アルテミスからは狩猟を学びました。

指導者としての才覚にも恵まれヘラクレス、カストル、イアソン、アスクレピオスなどの教育にあたりました。

アキレスはこのような賢者ケイロンに預けられたわけです。

イタリアの画家ドナート・クレーティ(1671-1749)が描いているのは、赤子のアキレスがケイロンに預けられる場面です。

画面向かって右の半人半馬がケイロンです。
ケイロンが見つめている先には赤子のアキレスがいます。

アキレスをケイロンに手渡そうとしている女神は母テティスです。


3. 原題


ドナート・クレーティ(Donato Creti)が描いた『ケイロンの弟子になるアキレス』は、イタリア語ではAchille apprendista di Chironeと言います。

apprendistaは弟子という意味です。

この作品はイタリア中部の街ボローニャ(Bologna)にあるPalazzo d'Accursioで見ることが出来ます。





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Jan-Erasmus Quellinus『ステュクスの水にアキレスを浸すテティス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年12月08日(木)16時19分 | 編集 |
2011年12月8日(木)


目次
1. 不死の体を求めて
2. 原題


今回取り上げる作品は、Jan-Erasmus Quellinus作『ステュクスの水にアキレスを浸すテティス』です。

2011年12月8日Jan-Erasmus Quellinus『ステュクスの水にアキレスを浸すテティス』507

1. 不死の体を求めて


テティスはアキレスを生んだ後、息子の体を不死にすることを考えます。

アキレスの父ペレウスは人間なので、何も対策を施さなければアキレスはいつかは死ぬ運命にあります。

テティスはアキレスをステュクスの水に浸すことにしました。
ステュクスは地下を流れている大河で、生者と死者の領域を分断する役割を負っています。

この川の水には特別な霊力が宿っているとされています。

そこで、ステュクスの水を人間の体につけることによって、不死の肉体を得ることが出来ると信じられていました。

フランドルの画家Jan-Erasmus Quellinus(1634-1715)が描いているのは、テティスがアキレスをステュクスの水に浸している場面です。

向かって左にある瓶(かめ)にはステュクスの水が入っています。

瓶の向かって右で青い衣装を身につけているのがテティスです。
テティスはアキレスの両踵(かかと)を持って頭から水に浸しています。

アキレスはステュクスの水を全身に浴びたことにより不死の肉体を得ました。

但し、母テティスが踵を持ったままの状態で水に浸しましたので、踵だけはステュクスの水には浸(つ)からなかったのです。

結果的にアキレスの踵は不死にはなりませんでした。

不死身の肉体を得たアキレスにとって踵以外の部位を攻撃されても致命傷にはなりません。
しかし、踵を狙われた場合アキレスは命を落とすことになるのです。

後年、アキレスは母テティスの願いも虚しく、実際に踵を狙い撃ちされて死ぬことになります。

これはテティスの行為に抜かりがあったと言うよりは、子供の一生は決して親の思い通りにはならないことの例えかも知れません。


2. 原題


Jan-Erasmus Quellinusが描いた『ステュクスの水にアキレスを浸すテティス』は、英語ではThetis Dips Achilles in a Vase with Water from the Styxと言います。

この作品は個人所蔵になっています。





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コルネリス・ファン・ハーレム『ペレウスとテティスの婚宴』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年12月06日(火)12時48分 | 編集 |
2011年12月6日(火)


目次
1. 黄金の林檎
2. 煽られる競争心
3. 責任を回避するゼウス
4. アキレスの母テティス
5. 原題


今回取り上げるのは、コルネリス・ファン・ハーレム作『ペレウスとテティスの婚宴』です。

2011年12月6日コルネリス・ファン・ハーレム『ペレウスとテティスの婚宴』196

1. 黄金の林檎


コルネリス・ファン・ハーレム(1562-1638)が描いているのは、ペレウスとテティスの婚礼の様子です。

画面中央で左手に盃を持っているのがペレウスですね。
ペレウスが右腕を回して右肩を抱いている全裸の女神がテティスです。

ペレウスの向かって右に並んでいる女神たちは、地面に転がった黄金の林檎を興味津々な眼差しで見つめています。

この時点では、全ての神々が黄金の林檎の存在に気づいているわけではありません。

しかし気づいた神々は披露宴などそっちのけで、突如として投げ込まれた林檎を見つめているのです。

エリスが投げ入れた黄金の林檎には、次のように書いてありました。

「最も美しき女神に」

つまり、この林檎を受け取る資格があるのは神々の世界で最も美しい女神だけであるということが書かれているわけです。


2. 煽られる競争心


いつの時代でも、美しさを競うのは女たちの本能のようなものです。
ギリシア神話の女神たちも決して例外ではありません。

黄金の林檎を手にするために誰に言われるでもなく自然と前に進み出た女神たちがヘラ、アプロディーテ、アテナの3名でした。

ヘラは最高神ゼウスの妻であり、かつ姉でもあります。
元々、この黄金の林檎はヘラがヘスペリデスの園で所有している林檎の木からなったものです。

ヘラは、当然のこととしてこの林檎の所有権を主張します。

アプロディーテは愛と美と性を司る女神です。
外見的な美しさに関しては自分こそが一番であると自負しています。

アテナは、ゼウスの頭頂部から鎧を纏(まと)った姿で生まれた戦略を司る女神です。
また、美貌の処女神でもありその美しさは周囲の男神たちの認めるところです。


3. 責任を回避するゼウス


最も美しい女神を選ぶことが出来る最適任者は、最高神ゼウスであるはずです。
しかしゼウスはその責任を回避する道を選びました。

恐らくゼウスは内心では、アプロディーテが最も美しいと思っていたんでしょうね。

ところが、もしゼウスがこの美女コンテストで心のままにアプロディーテを選んだ場合、ことはすんなりと収まらず修羅場になることは必至です。

なぜならヘラは自分の妻ですし、アテナは最初の妻メティスとの間に出来た自分の娘です。
この二人の美女が落選した場合、大人しく引き下がるはずはありません。

自らの美しさを他の神々の前で全否定されたヘラとアテナは、アプロディーテを選んだゼウスを詰(なじ)り倒すことでしょう。

そして、もう二度と口を聞いてもらえなくなるかも知れません。

女神たちと険悪な関係になることを回避するために、ゼウスは人間界のパリスに審判を下す役目を与えました。

パリスは元々はトロイの王子ですが、この時点では羊飼いとして暮らしている青年です。


4. アキレスの母テティス


後に、このペレウスとテティスの間に生まれたのがアキレスです。
アキレスが不死身でないのは、父ペレウスが人間だからなんですね。

そこで母である女神テティスは、息子のアキレスを自分と同じように不死身にしようと考えました。
そして赤ん坊である息子の全身を、冥界の川ステュクスの水に浸していたわけです。

ところが、テティスは踵(かかと)を持った状態でアキレスを川に浸したものですから、その部分だけが水に浸かりませんでした。

母の願いも虚しく、アキレスは踵に関しては不死身になることが出来なかったのです。
後に勃発するトロイ戦争において、アキレスの踵を射て殺したのはトロイの王子パリスです。

こんな感じで、ギリシア神話は人間関係が密接に絡まっていくのです。


5. 原題


コルネリス・ファン・ハーレム(Cornelis van Haarlem)が制作した『ペレウスとテティスの婚宴』は、英語ではThe marriage of Peleus and Thetisと言います。

この作品は、オランダの都市Haarlemにあるフランス・ハルス美術館(Frans Hals Museum)で見ることが出来ます。





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Abraham Bloemaert『ペレウスとテティスの婚宴』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年12月05日(月)14時03分 | 編集 |
2011年12月5日(月)


目次
1. エリスの投げた林檎
2. 原題


今回取り上げる作品は、Abraham Bloemaert作『ペレウスとテティスの婚宴』です。

2011年12月5日Abraham Bloemaert『ペレウスとテティスの婚宴』397

1. エリスの投げた林檎


エリスは、ヘスペリデスの園で黄金の林檎を手に入れました。
その後、ペレウスとテティスの結婚披露宴が行われている場所に到着しました。

自分一人だけ仲間外れにされたエリスは、神々が集う披露宴会場に恨みを込めて黄金の林檎を投げ入れました。

オランダの画家Abraham Bloemaert(1566-1651)が描いているのは、エリスが黄金の林檎を婚宴会場に投げ入れた瞬間です。

後景上部の、灰色の雲の上に乗っているのがエリスです。
仲間外れにされた腹いせに、右手から黄金の林檎を放っています。

このエリスは、一見すると剛腕なので男のようにも見えますね。
ただ、乳房がちゃんと描かれているので、女だと分かります。

なお、頭の上に載っているのは、髪の毛ではなく蛇です。

婚宴の主役であるペレウスとテティスは、前景に座った状態で描かれています。

下半身に赤い布を巻いているのが、アイギナ島の王子ペレウスです。
向かって右で豊麗な背中や腕を見せているのが、海の精霊テティスです。

新婚の二人は、まだ林檎の存在には気づいていません。


2. 原題


Abraham Bloemaertが描いた『ペレウスとテティスの婚宴』は、英語ではThe Wedding of Peleus and Thetisと言います。

この作品は、オランダ西部の街デン・ハーグ(Den Haag)にあるマウリッツハイス美術館(Mauritshuis)で見ることが出来ます。





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Johann Rottenhammer『ペレウスとテティスの結婚式』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年12月03日(土)15時56分 | 編集 |
記事のタグ: エルミタージュ美術館
2011年12月3日(土)


目次
1. 神々の饗宴
2. 原題


今回取り上げる作品は、Johann Rottenhammer作『ペレウスとテティスの結婚式』です。

2011年12月3日Johann+Rottenhammer『ペレウスとテティスの結婚式』244

1. 神々の饗宴


ペレウスとテティスの結婚式が終わった後、大勢の神々を招いて結婚披露宴が始まりました。
ドイツの画家Johann Rottenhammer(1564-1625)が描いているのは、披露宴の様子です。

向かって右の、白いクロスが掛かっているテーブルに、新郎ペレウスと新婦テティスが並んでいます。
前景向かって右で、横たわっている裸体の男神は、河の神です。

中央で上半身を露にして、テーブルの方へ顔を向けているのは、大地の女神ガイアです。
ガイアの向かって左で、背中を見せて法螺貝を掲げているのはトリトンです。

トリトンの向かって左にいる女性は、泉の妖精ナイアスです。

ガイア、トリトン、ナイアスが描かれているのは、この婚宴が、大地、海、河から祝福されていることを示しています。

不和の女神エリスは、まだ現れてはいません。


2. 原題


Johann Rottenhammerが描いた『ペレウスとテティスの結婚式』は、英語ではThe Marriage of Peleus and Thetisと言います。

この作品は、エルミタージュ美術館(State Hermitage Museum)で見ることが出来ます。





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