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ロバート・ケネディ主演映画『ボビー』を見た感想
記事URL  カテゴリ | 外国映画 | 2013年11月30日(土)20時40分 | 編集 |
2013年11月30日(土) 


11月23日(土)にBS日テレでロバート・ケネディ主演の映画『ボビー(原題:Bobby)』を見ました。

出演者の中で特に主役と見做(みな)せる俳優が見当たらないのでやむを得ずロバート・ケネディ主演と書きましたが、実際に元司法長官のロバート(任期:1961-1964)が役者として出演しているわけではなく、ロバートが生前に行った演説の様子などを撮影したビデオが映画の中に取り込まれているという意味です。

ロバート・ケネディ(1925-1968)は1963年11月に兄のジョンが大統領任期中に凶弾に倒れた後、1964年9月まで司法長官を引き続き務め、1964年11月にニューヨーク州の上院議員選挙に出馬して勝利し上院議員になりました。

1968年3月には大統領選挙への出馬を表明し、貧困の撲滅などを基本政策として打ち出して民主党の大統領候補となるべく選挙活動をアメリカ各地で行っていました。

公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(1929-1968)が1968年4月に暗殺された後、人種差別問題を解決するための政策実現を願う有色人種たちはキング牧師に代わる指導者として、人種差別撤廃などにも熱心に取り組むと表明していたロバートを支持していました。

ロバートは1968年6月5日に選挙活動で訪れたロサンゼルスのアンバサダーホテルの厨房内で暗殺されるのですが、この映画はロバート暗殺事件を中心に据えているわけではありません。

ロバートの選挙スタッフやロバートへの資金提供者、あるいは厨房で働く有色人種たちや歌手、さらには結婚式を控えた若者たちなど、暗殺の数時間前にホテルの中で起きていた出来事を虚実織り交ぜながら紹介していく手法を取っています。

映画の題名からしてロバートの半生を描いた作品だと勘違いする人もいると思いますが、エミリオ・エステベス監督が描きたかったのは1968年当時のロサンゼルスで悩みを抱えながら生きる人々の日常的な光景だったのだろうと思います。

その苦悩と共に明日を生きる希望も持ち合わせた人々の日常的光景が、暗殺事件という蛮行によって粉々に壊されてしまったわけですね。

映画ではロバートの暗殺とは全く無関係の不倫や麻薬などの話が延々と語られますので、暗殺事件の真相に切り込む内容を期待した視聴者にとっては退屈なものに映るかも知れません。

視聴者の退屈さを防ぐためなのか、出演者は豪華です。

監督のエミリオ・エステベスの実父マーティン・シーンが、ロバートに資金提供している富裕なジャック・スティーブンスを演じており、ジャックの妻サマンサをヘレン・ハントが演じています。

ロバート・ケネディ主演映画『ボビー』を見た感想1 502


アンバサダーホテルの宴会場でコンサートを開いているアルコール依存症の歌手ヴァージニア・ファロンは、デミ・ムーアが演じています。

ロバート・ケネディ主演映画『ボビー』を見た感想2 442

デミ・ムーアは1986年から1987年にかけてエミリオ・エステベスと婚約していました。

この映画の公開は婚約解消からおよそ20年が経った2006年で、デミが出演しているということは2人の間に婚約破棄に伴うわだかまりはないということなのでしょうね。

ホテルの支配人ポール・エバースと不倫関係にあるホテル内電話交換手アンジェラを演じているのはヘザー・グラハムです。

ロバート・ケネディ主演映画『ボビー』を見た感想3 496


ホテル内の美容室で美容師をしているミリアムは支配人ポール・エバースの妻で、シャロン・ストーンが演じています。

ロバート・ケネディ主演映画『ボビー』を見た感想4 495


アンバサダーホテルで周囲から祝福されない結婚式を挙げるダイアンは、リンジー・ローハンが演じています。

ロバート・ケネディ主演映画『ボビー』を見た感想5 252

ロバートとの会見を望むチェコスロバキアの女性記者レンカ・ヤナチェックは、スヴェトラーナ・メトキナが演じています。

ロバート・ケネディ主演映画『ボビー』を見た感想6 483

この映画にチェコスロバキア出身の女性を登場させたのは、ロバートの妻エセルがチェコ移民の孫娘にあたることを踏まえてのものと思われます。

ホテル内のコーヒーショップで女優になることを夢見ながらウェイトレスとして働いているスーザンは、メアリー・エリザベス・ウィンステッドが演じています。

ロバート・ケネディ主演映画『ボビー』を見た感想7 505


映画の最終盤ではロバートが凶弾に倒れ、その近辺にいたサマンサなどが巻き添えを受けて重傷を負う様子が描かれていますが、実際の事件でも5名の負傷者が出ています。


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ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ『山上の誘惑』
記事URL  カテゴリ | 新約聖書絵画 | 2013年11月29日(金)15時53分 | 編集 |
2013年11月29日(金) 


目次
1. 3つ目の誘惑
2. 原題


今回取り上げる作品は、ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ作『山上の誘惑』です。

ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ『山上の誘惑』319


1. 3つ目の誘惑


ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ(1255頃-1319頃)が描いているのは、イエスが3回目の誘惑に打ち勝って悪魔を追い払っている場面です。

2度の誘惑に失敗した悪魔は、イエスを高い山の頂上へと連れて行きます。
眼下に広がる景色を見下ろしながら、悪魔は次のように囁(ささや)きました。

「私を拝むならば、この全てを与えてやろう。」

それを聞いたイエスは言下(げんか)に答えます。

「私が仕えるのは神のみである。悪魔よ、退け!」

イエスから強い口調で命じられた悪魔は退散して行きました。


2. 原題


ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ(Duccio di Buoninsegna)が制作した『山上の誘惑』は、英語ではThe Temptation of Christ on the Mountainと言います。

この作品は、ニューヨークにあるフリック・コレクション(The Frick Collection)で見ることが出来ます。




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アーノルド・シュワルツェネッガー主演映画『トゥルーライズ』を見た感想
記事URL  カテゴリ | 外国映画 | 2013年11月28日(木)13時26分 | 編集 |
2013年11月28日(木) 


11月20日(水)にテレビ東京で、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画『トゥルーライズ(原題:True Lies)』を見ました。

ジェームズ・キャメロン監督が1994年に公開した映画ですが、1991年にフランスで公開された映画『ラ・トタール(原題:La Totale!)』のリメイク版です。

アーノルド・シュワルツェネッガーが演じるハリー・タスカーは妻と娘に対してコンピュター会社の営業職であると偽って暮らしていますが、実際にはアメリカ大統領直属の対テロリスト組織に所属するスパイを生業(なりわい)としていました。

1990年8月にイラクがクウェートを侵略し、翌年1991年1月にアメリカを中心とする多国籍軍がイラクを懲らしめるために湾岸戦争を始めたのですが、映画はこの世相を反映しており悪のテロリストであるアラブ人たちを正義のアメリカ人スパイ・ハリーがやっつけるという筋立てになっています。

ハリーの妻ヘレン・タスカーは刺激の乏しい日々に倦怠感を抱いており、職場に電話を掛けて来て会いたいと言ってくれる男性シモンに多少なりとも心を奪われてしまいます。

色気のない平凡な女性ヘレンを演じているのはジェイミー・リー・カーティスです。

アーノルド・シュワルツェネッガー主演映画『トゥルーライズ』を見た感想1 515


妻の浮気を疑ったハリーは諜報機関の調査力を駆使してシモンの素性を調べ上げ、ヘレンとの密会現場に踏み込んでヘレンを拉致する形で諜報機関の尋問室へと連行します。

尋問の最中、ヘレンは冴えない夫ハリーとの退屈な生活に飽きており何か刺激的な出来事を体験したいと答えました。

そこでハリーはヘレンの欲求を満たしてやるためにスパイの真似をさせて盗聴器を仕掛けるという偽の任務を与えました。

アーノルド・シュワルツェネッガー主演映画『トゥルーライズ』を見た感想2 189


緊迫感のあるスパイ行為に興味を示したヘレンは、敵方の男性とは絶対にセックスだけはしないという約束の下、本当のスパイ任務だと信じて高級娼婦の姿を装って指定されたホテルの部屋を訪ねます。

ヘレンは普段はどこにでもいるような目立たない風貌の女性ですが、任務を遂行するために曲線美を強調した短いドレスを身につけ胸の谷間を誇示することにより高級娼婦になり切ります。

アーノルド・シュワルツェネッガー主演映画『トゥルーライズ』を見た感想3 142


敵方の男性とされている見知らぬ男の前で黒いドレスを脱ぎ捨て官能的な踊りを披露し、男の性的欲求を掻き立てる仕草を立て続けに見せつけて盗聴器を仕掛ける機会を窺(うかが)います。

アーノルド・シュワルツェネッガー主演映画『トゥルーライズ』を見た感想4 142


スパイ作戦を実行するために高級娼婦を演じているはずのヘレンは、気分が高まりすぎて熟した肉体を惜しげも無く敵方の男性の前で晒していくのです。

アーノルド・シュワルツェネッガー主演映画『トゥルーライズ』を見た感想5 142


熟女の色香で敵方の男性を悩殺したと確信したヘレンは、セックスの誘いを断り盗聴器を仕掛けた後一目散に逃げ帰ろうとしますが、ここから大きく場面が転換しアーノルド・シュワルツェネッガー得意のアクション路線へと繋がって行くのです。

アーノルド・シュワルツェネッガー主演映画『トゥルーライズ』を見た感想6 142


映画はアメリカの諜報能力や軍事力の優越性を示す広報映画になっており、アメリカだけが正義であり、アラブやソ連などの他民族はアメリカの正義を邪魔立てする存在に過ぎないという視点で描かれています。

こうしたアメリカ正義論を基調とした映画は、一歩引いた地点から冷静に眺めると強者の論理を現実世界において受容させるために視聴者を教育・洗脳するという側面を担っています。

私は、結局武力によって他民族を制圧するという手段しか選択できないアメリカ人に対して、大きな失望感を抱いています。

この映画が興行的に成功した要因は、ジェイミー・リー・カーティスが冴えない主婦と妖艶かつ間抜けな偽スパイを見事に演じ分けた点に求められると思います。

その意味では、スパイアクション路線の映画と言うよりはセクシーコメディ路線と言った方が正確かも知れません。


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ケヴィン・コスナー主演映画『パーフェクト・ワールド』を見た感想
記事URL  カテゴリ | 外国映画 | 2013年11月27日(水)14時11分 | 編集 |
2013年11月27日(水) 


11月19日(火)にテレビ東京で、ケヴィン・コスナー主演の映画『パーフェクト・ワールド(原題:A Perfect World)』を見ました。

ケヴィン・コスナーが演じる脱獄囚のブッチ・ヘインズは8歳の少年フィリップ・ペリーを人質に取り、盗んだ車でテキサス州からアラスカを目指します。

時代設定は1963年の秋で、ケネディ大統領がテキサス州に遊説に来る直前となっていますが、映画の内容からして特に1963年11月である必要はないように思いました。

クリント・イーストウッドが監督を務めると同時に、テキサス州警備隊の責任者レッド・ガーネットも演じています。

レッド・ガーネットがブッチを追跡するために乗り込んだキャンピングカーには、犯罪心理学者のサリー・ガーバーが同行するのですが、話の展開からして特に犯罪心理学者が逃亡犯の追跡に同行する必然性はなかったように思います。

サリー・ガーバーを演じているのはローラ・ダーンです。

ケヴィン・コスナー主演映画『パーフェクト・ワールド』を見た感想 498


ブッチにとっての完璧な世界(パーフェクト・ワールド)とは、人間が大自然と向き合って格闘しながら生きているアラスカの大地を指しますが、逃亡の行き着く先をアラスカに定めるには説得力に欠け、目的地がアラスカかどうかはほとんど意味のないものになっていました。

逃亡生活を続けていく中で、ブッチはアメリカ人の典型的な行動様式である相手に銃口を向けて無理やり命令に従わせるという手法を取り続けます。

丸腰の相手に拳銃を突きつける場面はアメリカ人の作る映画には頻繁に出て来ますが、こうした映像の影響力によって拳銃を持つことこそが自分の主張を実現するための最も手っ取り早い方法であると理解するアメリカ人が増えていくのだろうと思い、嘆かわしい気分になりました。

ブッチには幼い頃父親に虐待され自衛のために父親を撃ち殺したという過去がありました。

逃亡犯とは知らずに家庭に招いてくれたマックが孫のクリーヴランドを虐待している様子を見て、ブッチは許すことが出来ずマックを射殺しようと考えます。

共に逃亡生活をしていく中でブッチに対して父性を感じていたフィリップは、ブッチがこれ以上拳銃を持って銃口を相手に向ける姿を見たくはありませんでした。

次にフィリップが取った行動がこのブッチの逃亡劇を終わらせる契機となるのですが、8歳の子供にしては大胆で現実味を欠く行為だったと思います。

ケビン・コスナーは2枚目俳優なので、脱獄囚や人殺しという汚れ役は似合っていませんでした。
もう少し狂気を帯びた人物を演じられる俳優の方が、ブッチという役柄に相応しかったと思いました。


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ダニエル・オートゥイユ主演映画『そして、デブノーの森へ』を見た感想
記事URL  カテゴリ | 外国映画 | 2013年11月26日(火)12時05分 | 編集 |
2013年11月26日(火) 


11月19日(火)にギャオで、ダニエル・オートゥイユ主演の映画『そして、デブノーの森へ(原題:Le Prix du désir)』を見ました(配信期間:2013年11月17日~2013年12月19日)。

原題のLe Prix du désirはフランス語で、直訳すると欲望の値段となりますが、映画の内容を踏まえると欲望の対価という訳し方が適切かなと思います。

ダニエル・オートゥイユが演じるダニエルはポーランド出身のベストセラー作家で、セルジュ・ノヴァック(Serge Novak)というペンネームで活躍しているのですが、ごく限られた人々しかセルジュ・ノヴァックがダニエルであることを知りません。

ダニエルはニコレッタ(Nicoletta)と結婚しており、ニコレッタには前夫との間にファブリツィオ(Fabrizio)という息子がいます。

美貌の妻ニコレッタを演じているのはグレタ・スカッキ(Greta Scacchi)です。

ダニエル・オートゥイユ主演映画『そして、デブノーの森へ』を見た感想1 386


ダニエルは義理の息子ファブリツィオが結婚式を挙げるカプリ島に単身向かう途中、船の中で美貌の女性と知り合いナポリのホテルで一夜を共にします。

翌日カプリ島での結婚式に遅れて到着したダニエルは、新郎ファブリツィオの隣で新婦として立つ若い女性が一夜限りの情事の相手だったことに気づき動揺します。

ファブリツィオの妻ミラを演じているのはアナ・ムグラリス(Anna Mouglalis)です。

ダニエル・オートゥイユ主演映画『そして、デブノーの森へ』を見た感想2 504


図らずもミラと近親関係になったダニエルは、その後もニコレッタやファブリツィオの目を盗んでミラと密会しセックスする関係を続けて行きます。

ダニエルとのセックスに積極的なミラは、同時に新婚の夫ファブリツィオとも友好的なセックスの関係を維持しています。

ダニエルとミラのこうした不貞が後に露呈し、欲望の代償(Le Prix du désir)として2つの家庭が崩壊していく話の筋なのかと思っていたら、ミラの友人エヴァが絡んでくるあたりから作品は思わぬ展開になって行くのです。

エヴァはマグダレナ・ミェルツァシュ(Magdalena Mielcarz)が演じています。

ダニエル・オートゥイユ主演映画『そして、デブノーの森へ』を見た感想3 448


この映画の台詞は大半がフランス語ですが、ダニエルとミラ及びエヴァの出身地であるポーランドで使われているイディッシュ語も多少出て来ます。

イディッシュとはユダヤ語を意味します。

イタリア語の映画題名はSotto falso nome(偽名を用いて)と言いますが、偽名とはダニエルと友人ポールとの知られざるかつての人間関係を示唆しています。

若くして亡くなったポールはエヴァの父親だったのです。


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堺雅人主演映画『クヒオ大佐』を見た感想
記事URL  カテゴリ | 日本映画 | 2013年11月25日(月)11時47分 | 編集 |
2013年11月25日(月) 


11月17日(日)にBS日テレで、堺雅人主演の映画『クヒオ大佐』を見ました。

この映画は実在の結婚詐欺師「ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐」と名乗る男と、彼をクヒオ大佐だと信じて騙された女性たちを描いています。

堺雅人が演じるクヒオ大佐は普段アメリカ軍の制服を着て街中を歩き、空軍に所属しているパイロットだと周囲に述べていましたが、実際には北海道出身の日本人であり本名や生年月日などは公式には明らかになっていません。

実際のクヒオ大佐は結婚詐欺によって1億円以上のお金を女性たちに貢がせたようですが、この作品ではお金を出させることに成功したのは2人だけで金額も小さいです。

クヒオ大佐を愛し、お金を騙し取られた女性を演じているのは松雪泰子と満島ひかりです。

この映画ではクヒオ大佐及び被害者女性のごく限られた側面しか取り上げていませんので、クヒオ大佐事件に関する全貌を知ることは不可能です。

むしろ吉田大八監督はこのクヒオ大佐事件と湾岸戦争における日本の巨額資金援助を関連付けて、アメリカの属国である日本の弱い立場を強調しています。

湾岸戦争は1991年1月にアメリカ軍を中心とする多国籍軍がイラクを空爆して始まった戦争ですが、日本軍は憲法の規定により参戦出来ませんでした。

当時の第2次海部改造内閣(任期:1990年12月~1991年11月)は軍隊を派遣する代わりに90億ドルを拠出して、資金面で多国籍軍の活動を支援しました。

湾岸戦争の引き金となったイラク軍によるクウェート侵略は1990年8月に発生しており、第2次海部内閣(任期:1990年2月~1990年12月)は湾岸戦争開戦前に既に40億ドルを拠出済みでした。

当時の日本政府は湾岸戦争を実質的に遂行するアメリカのジョージ・H・W・ブッシュ大統領(任期:1989-1993)への協力姿勢を示すために1990年に40億ドル、1991年に90億ドルさらには追加で5億ドルの資金拠出を行ったのですが、その135億ドルの大半はアメリカ軍が消費しました。

侵略の被害国であるクウェートにはわずかな金額しかもたらされなかったことにより、日本は戦争終結後にクウェートが選定した感謝対象国には入りませんでした。

1991年1月の為替レートを1ドル133.58円で計算すると、135億ドルはおよそ1兆8千億円になります。

アメリカの大統領は日本政府が行うべき予算編成を実質的に左右出来る立場にあるので、湾岸戦争のような有事の際には日本の首相に巨額の資金提供をさせることは当然のことだと捉えていて、資金提供についての功績など全く認めるつもりはないようです。

吉田大八監督は当時の海部俊樹首相及び橋本龍太郎大蔵大臣らの国会における写真を映画の中で用い、アメリカに隷属せざるを得ない日本の政治権力者たちの悲哀を描きます。

結局この映画はクヒオ大佐事件を表向きの題材としながらも、本当の主題は日本がアメリカの属国として存在しているという事実を明らかにすることにあるのです。

現代を生きる日本人の心の中には、大東亜戦争終結直後にアメリカ軍によって日本の国土が占領された時とあまり変わらないアメリカ人に対する苦手意識がいまだに潜んでいます。

また、日本人にとってアメリカ人とは大金を払ってでも教えを請うべき対象であって、対等の立場で意見などするべき対象ではないという社会通念がアメリカ人だけでなく日本人の中にも消えずにしつこく残っているのです。

クヒオ大佐が日常的に身につけていたアメリカ軍の制服はアメリカの権力の象徴であり、クヒオ大佐が活動した1970年代から1990年代にかけてこの軍服姿に一種の恐れをなす日本人男性がいたこと、及び軍服姿に信頼を寄せていとも簡単に心と体を許してしまう日本人女性がいたことは紛れもない事実のようです。

湾岸戦争から20年以上が経過した今でも、日本人のアメリカ人に対する劣等意識は根本的には何も変わっていません。

そして、制服という名の権力を身にまとったアメリカの軍人は基地が存在する地域の住民に対して、時に傲慢極まりない態度で品性下劣な不祥事を起こしながらも、いつまでもいついつまでも半永久的に日本の領土を占領し続けるのです。

堺雅人主演映画『クヒオ大佐』を見た感想3 324


現在日本国内に駐留するアメリカ軍の内、沖縄県にある基地には大きな関心が寄せられていますが、それ以外にも三沢や横須賀、佐世保などに軍事施設が設けられており日本の領土はアメリカによって軍事的に支配されているのです。


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ヨーゼフ・オステンドルフ主演映画『厨房で逢いましょう』を見た感想
記事URL  カテゴリ | 外国映画 | 2013年11月24日(日)11時49分 | 編集 |
2013年11月24日(日) 


11月17日(日)に東京MX092で、ヨーゼフ・オステンドルフ主演の映画『厨房で逢いましょう(原題:Eden)』を見ました。

原題のEdenは、シャルロット・ロシュ(Charlotte Roche)が演じるエデンを指しています。

ヨーゼフ・オステンドルフ主演映画『厨房で逢いましょう』を見た感想1 228


エデンはカフェで給仕として働く女性で、夫のクサヴァー(Xaver)と一人娘のレオニー(Leonie)と共に暮らしている平凡な主婦です。

そのエデンの容姿を気に入った天才シェフのグレゴアは、エデンの姿を見ることが目的でカフェを訪れていました。

ヨーゼフ・オステンドルフ(Josef Ostendorf)が演じるグレゴアは料理の腕前は一流なのですが女性に対しては奥手で、カフェの椅子に腰を落ち着けてエデンの働く姿を盗み見するぐらいしか楽しみがありません。

グレゴアは自分がエデン目当てでカフェに来ていることをエデンには悟られていないと思っていましたが、しょっちゅう自分に対してコソコソと視線を投げかけて来るグレゴアの存在にはエデンもとっくに気づいていました。

夫も娘もいるエデンは外見的に優れないグレゴアのことを当初全く気にもかけていなかったのですが、娘のレオニーの誕生祝いにとグレゴアが作ってくれたチョコレートケーキをエデンが口にした瞬間から、エデンのグレゴアに対する見方が変わります。

ヨーゼフ・オステンドルフ主演映画『厨房で逢いましょう』を見た感想2 226


エデンは夫のクサヴァーが仲間と一緒に出掛けて不在の毎週火曜日の夜にグレゴアの厨房を訪ね、グレゴアが作ってくれる極上の料理を調理場で堪能する生活を続けていくことになります。

グレゴアの料理は肉や野菜などの素材の旨さだけでなくソースが絶品で、エデンは皿に盛りつけられる前の料理を貪るように食べるぐらいグレゴアの料理の虜になってしまいます。

ヨーゼフ・オステンドルフ主演映画『厨房で逢いましょう』を見た感想3 226


グレゴアとエデンの間には性的な関係は一切無く、少なくともエデンにはグレゴアと不倫をする意志はありませんでした。

一方、エデンとクサヴァーとの間には時々にせよセックスの関係があり、やがてエデンは2人目の子供を妊娠することになります。

クサヴァーの周囲にいる者たちはエデンとグレゴアが密会している事実を掴んでおり、エデンのお腹の子の本当の父親は誰なのかという下世話な話を面白がってしていました。

疑心暗鬼に陥ったクサヴァーはグレゴアと対峙することになり、結果的にクサヴァー及びグレゴアには悲劇が降りかかります。

映画の台詞は全編ドイツ語です。

監督のミヒャエル・ホーフマン(Michael Hofmann)はエデンやグレゴアの顔だけに光を当てる演出手法を採用し、衣服や背景などが全く描かれていない場面が多数存在します。

ハリウッド映画のような光を多用した人物描写に慣れている人にとっては、この映画は暗~い感じの映像が多いという印象を受けると思いますが、衣装を脱ぎ捨て背負っている荷物を下ろして社会的地位や経済力などの後天的要素を全て捨て去った上で述べる台詞や浮かべる表情がその人物の本質なのだという監督の意図を感じました。


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アーロン・エッカート主演映画『世界侵略: ロサンゼルス決戦』を見た感想
記事URL  カテゴリ | 外国映画 | 2013年11月23日(土)12時17分 | 編集 |
2013年11月23日(土) 


11月16日(土)にフジテレビで、アーロン・エッカート主演の映画『世界侵略: ロサンゼルス決戦(原題:Battle: Los Angeles)』を見ました。

異星人が突如襲来しロサンゼルスやパリなどの各主要都市を攻撃して、たくさんの人間が死んで行くという荒唐無稽な話です。

荒唐無稽ではあるのですが、1942年2月24日夜半から2月25日未明にかけて謎の飛行物体がサンタモニカ上空を飛来したため、戦時体制下のロサンゼルス市民が敵国である日本の軍用機が襲来したと誤解し、軍隊ともども混乱に陥(おちい)ったという歴史的事実に基づく作品です。

サンタモニカ市の周囲をロサンゼルス市が囲む位置関係になっていますので、サンタモニカ市とロサンゼルス市はこの文脈では同一地域と言って良いです。

この1942年2月の出来事はロサンゼルスの戦い(The Battle of Los Angeles)と呼ばれています。

1942年当時はUFO(未確認飛行物体)という概念が世間に広まっていなかったため、赤く光る飛行物体が上昇と下降を繰り返しながら飛来する様子を目撃したロサンゼルス市民及び軍隊は、日本軍が空から攻めて来たと誤信したようです。

日本側の公式記録にも1942年2月24日から25日にかけてロサンゼルス一帯を攻撃したという事実はなく、飛来していた物体が日本軍機ではなかったことは明らかです。

だとすればあの飛行物体は何だったのかということになりますよね。

数多くの目撃情報が寄せられていますし、アメリカ陸軍は飛行物体を撃墜するために対空射撃をしています。
結果的に命中しなかったため取り逃がし、やがて謎の飛行物体はレーダーから消え去ったそうです。

アメリカと日本が交戦状態にある中、カリフォルニア州の沿岸地域にUFOが出現したという可能性も否定は出来ないと思いますが真相は不明です。

さて、1942年2月のロサンゼルスの戦いでは飛行物体からの攻撃は一切ありませんでしたが、映画では異星人がロサンゼルスの街を襲撃し壊滅的な被害が生じ、夥(おびただ)しい数の死者が出ます。

アーロン・エッカートが演じるマイケル・ナンツ二等軍曹は異星人と交戦して激しい銃撃戦の末に打ち倒し、警察署内で生け捕りにすることに成功しました。

見るからに気味の悪い異星人は、鉄砲の連射を受けても人間のようには絶命しません。

そこで異星人の急所を探るべく、逃げ遅れて警察署内に居合わせた獣医のミッシェルが名乗り出るのですが、さすがに動物とは勝手が違いミッシェルは心臓部がどこにあるのかは発見出来ませんでした。

民間人のミッシェルはブリジット・モイナハンが演じています。

アーロン・エッカート主演映画『世界侵略 ロサンゼルス決戦』を見た感想 496


この映画は軍隊の存在意義を訴えるための作品だと解釈することも出来ますし、異星人の襲来にも立ち向かうアメリカ軍人の心意気を示した作品だとも言えるでしょう。

アメリカでの公開は2011年3月11日で、日本では東日本大震災が発生した日になりますね。
日本での公開は2011年4月に予定されていたのですが、震災の影響で延期され2011年9月に公開されています。


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ジェシー・アイゼンバーグ主演映画『イカとクジラ』を見た感想
記事URL  カテゴリ | 外国映画 | 2013年11月22日(金)14時37分 | 編集 |
2013年11月22日(金) 


今回の記事には露骨な性的表現が含まれています。
性的表現に対して心的なストレスを感じる方は、読まないことをお勧めします。

11月13日(水)にフジテレビで、ジェシー・アイゼンバーグ主演の映画『イカとクジラ(原題:The Squid and the Whale)』を見ました。

イカとクジラという題名は、ニューヨーク市マンハッタンにあるアメリカ自然史博物館(The American Museum of Natural History)に展示されているディオラマに由来します。

映画では、ジェシー・アイゼンバーグが演じる16歳の少年ウォルト・バークマンがアメリカ自然史博物館を訪れ、イカとクジラの立体模型を見つめる場面が描かれています。

この博物館に展示されているクジラはマッコウクジラで、英語ではsperm whaleと言います。
spermは生理学用語で精子のことです。

ウォルトの両親は妻ジョーンの浮気が原因で離婚することになり、ウォルトと10歳になる弟のフランクは曜日によって両親の住むそれぞれの部屋を行き来するという不便な生活を強いられることになります。

フランクは10歳にして既にオナニーの快楽を知っており、親の目を盗んで瓶ビールを飲むような早熟の男の子です。

フランクは学校の図書館で人目を避けるようにしてオナニーをし、パンツの中に射精された精液を手に取って書籍の背表紙になすりつけるという蛮行を行います。

あるいは、別の日には校舎内でオナニーをした後、他人のロッカーの扉に精液をなすりつけるという非道な行いをし、やがては図書館の精液事件と共に学校職員の知るところとなりました。

フランクの母親ジョーンと父親のバーナード・バークマンは学校の担任教師に呼び出され、両親の離婚という生活環境の激変が10歳の子供に多大なストレスを与えていることがこうした愚行の一因ではないかという指摘を受けました。

一方、16歳のウォルトは交際中の同級生ソフィー・グリーンバーグの部屋で手コキをしてもらい、オナニーを超える快感に我慢し切れず呆気なく射精してしまい大量の精液がベッドに飛び散りました。

見事な手コキを見せたソフィーを演じているのはハリー・ファイファー(Halley Feiffer)です。

ジェシー・アイゼンバーグ主演映画『イカとクジラ』を見た感想1 189


ウォルトもソフィーもセックスは未経験でしたが異性の肉体への好奇心は抑えがたく、彼氏のウォルトを早く射精に導くことでソフィーも性的な充足感を得ていたのでした。

ソフィーからすると自分の手コキによってもたらされる快感を長く我慢出来ずに、あっという間に射精してしまうウォルトは軽視すべき早漏男というよりむしろ優越感や自信を与えてくれる存在として映っていたのでした。

父親バーナード・バークマンは売れなくなった作家で、現在は生活のために教師をしており、ジョーンと離婚した後はすぐに教え子の女性リリーと恋仲になって同棲生活を始めました。

リリーはアンナ・パキンが演じています。

ジェシー・アイゼンバーグ主演映画『イカとクジラ』を見た感想2 514


ウォルトはソフィーよりも年上のリリーが同居しているという現実に必要以上に性欲を掻き立てられる羽目になり、父親の恋人だと分かっていながらもその熟れた太ももを見ていると欲望を抑え切れなくなって行きます。

リリーもそんなウォルトの性的好奇心を大らかな気持ちで受け止めながら、その一方では彼氏となったバーナード・バークマンとのセックスやフェラチオに勤(いそ)しむのです。

ローラ・リニーが演じる母親ジョーンは作家として売れ出した頃から、落ち目の作家と成り果てた夫のバーナードに愛想を尽かし、複数の男性たちと浮気を繰り返していました。

ジェシー・アイゼンバーグ主演映画『イカとクジラ』を見た感想3 524


ジョーンは離婚した後、フランクのテニスのコーチ・アイヴァンを自宅に招くようになり、息子のウォルトやフランクの目を避けるようにして溢れる性欲をアイヴァンとのセックスで満たすのです。

映画の題名からすると全く想像出来ない精液及び性的快感を一つの主題とした作品ですが、本質的な主題は両親の離婚によっていかに子どもたちの心が傷つくかという点に求められます。

さらには10代半ばのセックス未体験の少年にとっては、両親がそれぞれ別の異性とセックスをしているという事実を目の当たりにする日常生活のあり方は、未熟な心が大きく揺さぶられて健全な毎日を送ることが困難であるという側面も強く描かれていました。


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ロバート・デ・ニーロ主演映画『ボーダー』を見た感想
記事URL  カテゴリ | 外国映画 | 2013年11月21日(木)16時36分 | 編集 |
2013年11月21日(木) 


11月12日(火)にテレビ東京で、ロバート・デ・ニーロ主演の映画『ボーダー(原題:Righteous Kill)』を見ました。

原題のrighteous killは、もっともな殺人という意味です。
killは動詞の用法が一般的ですが名詞用法もあり、ここでは人殺しという意味で使われています。

righteous killはrighteous murderと言い換えられますが、ジョン・アヴネット監督がkillという言葉を選んだのは狙った獲物を仕留める殺し屋という意味合いを出したかったからかも知れません。

邦題のボーダーは英語のborder(国境)を指しているのだと思いますが、この映画には国境という要素は全く無関係ですので、何を意図してつけた題名なのか不明です。

この映画はロバート・デ・ニーロとアル・パチーノが刑事役で共演した2008年公開の作品で、映画評論家たちからは酷評されたそうですしアマゾンのレビューにも落胆した声が寄せられていますが、私は結構興味深く最後まで見通しました。

ロバートが演じる熱血刑事タークとアルが演じる穏健派刑事のルースターは、凶悪犯罪を犯しながら無罪放免となり平気で街中で暮らし続けている者たちを立て続けに狙う連続殺人事件の捜査にあたっています。

裁判で無罪判決を勝ち取った強姦犯人や児童に性的虐待を繰り返していた神父などが、正義の制裁という名の下に次から次へと射殺されて行くのです。

捜査本部では警官犯行説が大勢を占めるようになり、日頃から感情を制御することが出来ず凶悪犯に対して正義の鉄拳を振りかざしそうなタークに疑いの目が向けられます。

ルースターはタークの無実を信じながらも同僚のサイモン・ペレスやカレン・コレッリらと共にタークの行動を監視する役目を担います。

タークのセックスパートナーでもあるカレンを演じているのはカーラ・グギノです。

ロバート・デ・ニーロ主演映画『ボーダー』を見た感想 505


殺人事件を扱っていますが目を覆いたくなるような残虐な犯行描写はそれほどありませんので、真犯人は誰なのかをじっくりと追いかけることが出来ます。


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イワン・クラムスコイ『荒野のキリスト』
記事URL  カテゴリ | 新約聖書絵画 | 2013年11月20日(水)15時55分 | 編集 |
2013年11月20日(水) 


目次
1. 洗礼後のイエス
2. 原題


今回取り上げる作品はイワン・クラムスコイ作『荒野のキリスト』です。

イワン・クラムスコイ『荒野のキリスト』296


1. 洗礼後のイエス


洗礼者ヨハネから洗礼を受けた後、イエスは一人で荒野へ赴きました。
荒野では40日間の断食を行います。

ロシアの画家イワン・クラムスコイ(1837-1887)は荒涼たる岩場に腰を降ろしているイエスを描いています。
不毛の地で思索にふけるイエスは、この期間夜を徹して修行に励んだと言われています。

苦しい修行に向き合うイエスに悪魔が3度にわたり誘惑をして来るのです。


2. 原題


イワン・クラムスコイ(Крамской, Иван Николаевич)が描いた『荒野のキリスト』はロシア語ではХристос в пустынеと言います。

Христосはキリストです。

пустыняは砂漠や荒野という意味です。
ここでは前置格пустынеになっています。

この作品はモスクワにある国立トレチャコフ美術館(Государственная Третьяковская галерея)で見ることが出来ます。




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ガエル・ガルシア・ベルナル主演映画『マンモス 世界最大のSNSを創った男』を見た感想
記事URL  カテゴリ | 外国映画 | 2013年11月19日(火)13時30分 | 編集 |
2013年11月19日(火) 


11月12日(火)にギャオで、ガエル・ガルシア・ベルナル主演の映画『マンモス 世界最大のSNSを創った男(原題:Mammoth)』を見ました(配信期間:2013年10月14日~2013年11月13日)。

邦題の副題「世界最大のSNSを創った男」は、マーク・ザッカーバーグなどの存在を想起させますが、映画の内容はSNSとは全く無関係です。

なぜこんな視聴者を誤解させるような副題をつけたのか理解に苦しみます。

ガエル・ガルシア・ベルナルが演じるレオ・ヴィダレスはニューヨーク在住で、ゲームサイトのプログラマー兼創始者として大成功を収めているネット業界の勝ち組の一人です。

レオの妻エレンはERの医師で、多忙な病院勤務のために夫や娘とはすれ違いの生活が続いています。
エレンを演じているのはミシェル・ウィリアムズです。

ガエル・ガルシア・ベルナル主演映画『マンモス 世界最大のSNSを創った男』を見た感想 486


レオ・ヴィダレスは商談で世界中を飛び回り、エレンは休日であっても緊急患者が担ぎ込まれた場合は呼び出されて出勤しなければなりません。

一人娘ジャッキーの世話が日常的に出来ないヴィダレス夫妻は、フィリピン人のグロリアに子守りを任せています。

グロリアは故国フィリピンに2人の学齢期の息子がいるのですが、息子たちに豊かな生活を与えるために単身ニューヨークへ移住して住み込みの家政婦の仕事をしながら仕送りをしているのです。

サルバドールらグロリアの息子たちの日常的な世話はグロリアの祖母が行っていて、夫のいないグロリアがニューヨークで稼ぐことは祖母の意向でもあるのです。

映画では、ニューヨークで物質的には何不自由なく育つジャッキーと、グロリアからの仕送りによってフィリピンでまあまあの生活をしているサルバドールの寂しい心情が描かれます。

ジャッキーは両親よりもグロリアと過ごす時間が圧倒的に多く、両親のことは好きなのですが、日常的に面倒を見てくれて必要な時に話し相手になってくれるグロリアになついています。

一方、10歳のサルバドールは弟のマヌエルから母親はいつ帰って来るのかと毎日のように尋ねられ、自分もマヌエル同様母親がいなくて寂しい思いをしているので頻繁に母親の携帯電話に電話をしています。

サルバドールはグロリアが稼ぐお金のお陰で10歳にして携帯電話を所有する生活を維持出来てはいるのですが、世話をしてくれている祖母に寄り添う気持ちにはなれず一日も早い母親の帰郷を願っています。

この映画は富を求めて彷徨う大人たちの都合に振り回されている幼い子どもたちの悲劇を描いた作品だと言えます。

ただ、親たちが幼い子供の養育を放棄して富を求める生き方を否定するのは簡単ですが、親に財力がなければ子供は将来大学にも行けず10代の子供であっても社会の底辺の仕事に従事することを余儀なくされるという現実があることも確かです。

グロリアもグロリアの祖母も、サルバドールが獣医になりたいという夢を持っていることを知っており、それを実現させるためにグロリアは子供の養育を犠牲にしてでもお金を稼ぎに異国の地にまで行っているわけですね。

一方、経済的には働く必要のないはずのエレンはERの医師という職業を選択してしまったが故に娘のジャッキーの養育に関わる時間がほとんど取れず、他人のグロリアが母親代わりになっているという現状に困惑し、ジャッキーから慕われているグロリアに対して嫉妬心すら覚えていくのです。

エレンもグロリアも良い性格の女性ですし、ジャッキーもサルバドールも行儀の良い大人しい子です。

しかし、良い人だからといって必ずしも幸せになれるわけではありません。

サルバドールは貧民地区に暮らす子供たちに自転車などを奪われた挙句、善人を装った小児愛者の男に連れ去られて翌朝、橋の下で意識不明の状態で発見されることになります。

この知らせを受けたグロリアは家政婦としての立場を放棄し、ジャッキーを家に置き去りにして荷物をまとめてJFK空港からフィリピンへと向かいます。

サルバドールの身に起きた悲劇は、図らずも母親グロリアの帰郷を促したのでした。


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マルティナ・ゲデック主演映画『マーサの幸せレシピ』を見た感想
記事URL  カテゴリ | 外国映画 | 2013年11月18日(月)14時20分 | 編集 |
2013年11月18日(月) 


11月8日(金)にNHKBSプレミアムで、マルティナ・ゲデック主演の映画『マーサの幸せレシピ(原題:Bella Martha)』を見ました。

原題のbellaはイタリア語で美しい~という意味です。

美しいマルタ(Bella Martha)という題名では何のことか分かりませんので、邦題の方が内容を踏まえていると言えます。

英語の題名はMostly Marthaで、邦題のマーサはMarthaの英語読みです。
ドイツ語ではMarthaはマルタと読みます。

マルティナ・ゲデックが演じるマルタ・クライン(Martha Klein)は、ドイツのハンブルグにあるレストランでシェフとして働く独身女性です。

マルティナ・ゲデック主演映画『マーサの幸せレシピ』を見た感想1 223


美人で完璧主義なマルタは周囲と上手く調和することが出来ず、料理に対して難癖をつける客に対して暴言を吐くような気の強さも持っています。

マルタの姉が交通事故で亡くなったため、姪のリナをマルタが引き取って育てて行くことになりました。

マルタの姉はイタリア人男性と結婚してリナを儲けましたが、その後離婚してドイツで暮らしていました。
幼いリナは父親がイタリアで暮らしているはずだということぐらいしか知りません。

マルタはこれまで一人で気ままな生活をしていましたが、リナとの共同生活が始まり生活環境が一変します。
マルタはリナをハンブルグの小学校に転校させ、仕事と子育ての両立に苦悩して行きます。

そんな折、マルタが頼りにしていたスーシェフのレアが出産により職場を離れたため、オーナーのフリーダは代役としてイタリア人のマリーオをマルタに相談せずに雇用しました。

自分が精魂込めて築き上げて来た厨房の中を我が物顔で歩き回るマリーオを見て、マルタは憎しみに近い嫌悪感を抱きます。

マルタは職場でも環境の変化に見舞われ、心身ともに疲弊して行きます。

マルティナ・ゲデック主演映画『マーサの幸せレシピ』を見た感想2 188


この後、マルタはリナとマリーオに振り回されながらも次第に完璧主義に拘る性格を克服し、大らかに世間を見ることが少しずつながら出来るようになって行きます。

以前のマルタであれば、リナのような学齢期の子供は足手まといでしかなく、軽薄なイタリア男のマリーオは決して受け入れることが出来ない種類の男性だったのですが、やがてリナはマルタの人生に欠かせない存在となり、リナに慕われているマリーオに対しては恋愛感情を抱くようになります。

主演のマルティナ・ゲデックは、身に降りかかって来る一つ一つの出来事を通じて徐々に変化していくマルタの心の内を確かな演技力で好演していました。

マルティナ・ゲデック主演映画『マーサの幸せレシピ』を見た感想3 518


この映画の公開は2002年で、2007年にはキャサリン・ゼタ=ジョーンズ主演でマンハッタンのレストランに舞台を置き換えてリメイクされています。

2013年1月6日(日)の記事『キャサリン・ゼタ=ジョーンズ主演映画『幸せのレシピ』を見た感想 loro2012.blog』も参照して下さい。


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エリザベス・テイラー主演映画『ジャイアンツ』を見た感想
記事URL  カテゴリ | 外国映画 | 2013年11月17日(日)14時48分 | 編集 |
2013年11月17日(日) 


11月8日(金)にBSジャパンでエリザベス・テイラー主演の映画『ジャイアンツ(原題:Giant)』を見ました。

邦題は複数形のジャイアンツ(Giants)になっていますが、原題は単数形のジャイアント(Giant)です。
このgiantは名詞用法で、大物とか巨大油田という意味で使われているのだと思います。

エリザベス・テイラーが演じるレズリー・リントンはメリーランドの裕福な農場経営者の娘で、テキサス州から種馬の買い付けにやって来たジョーダン・“ビック”・ベネディクトと出会います。

ジョーダン・“ビック”・ベネディクトを演じているのはロック・ハドソンです。

エリザベス・テイラー主演映画『ジャイアンツ』を見た感想1 209


レズリーはテキサス州で広大な牧場を経営している美男子のビックに惹かれ、ビックもアメリカ東部の上流階級で育った美人のレズリーに恋をしました。

レズリーには婚約者がいたのですがその婚約を破棄し、2人は結婚してビックの故郷テキサス州に戻ります。

エリザベス・テイラー主演映画『ジャイアンツ』を見た感想2 188


この映画は2人が出会った1920年代から1950年代までの約30年間を時系列で描いた作品で、1956年10月に公開されています。

ベネディクト家に雇われていた青年ジェット・リンクをジェームス・ディーン(1931-1955)が演じていますが、ジェームス・ディーンはこの映画の撮影が終わった直後に自動車事故で他界していますので遺作となってしまいました。

ジェット・リンクはビックの姉ラズ・ベネディクトが落馬事故により死亡した後、ジェットのことを気に入っていたラズの遺言によりベネディクト家の土地の一部を譲り受けます。

ラズとは異なりジェットのことを前々から気に入っていなかったビックは、遺言で示された土地を買い戻すことでジェットをベネディクト家から追い出そうとしますが、ジェットは目の前に大金を積まれても心変わりせず遺言に従って土地を譲り受けることにしました。

実はジェットの本心は土地が欲しかったわけではなく、美貌の人妻レズリーの近くにいたかっただけなのです。

粗野で学のないジェットは洗練された都会育ちのお嬢様レズリーに一目惚れをしており、この後レズリーへの思いを断ち切ることが出来ない格好で独身を続けることになります。

エリザベス・テイラー主演映画『ジャイアンツ』を見た感想3 199


その後しばらくしてレズリーはジェットが建てた家に立ち寄り、かつてベネディクト家の下僕として働いていたジェットが形式的には独立して自分の家を構えている点に感心して、ジェットの持つ底力を頼もしく感じます。

一方のジェットはレズリーが去った後、自宅近くの大地の上に残ったレズリーの足跡を愛おしく見つめている内に、そこから原油が湧き出る可能性を感じ取ります。

数年後、油田掘削(くっさく)に成功したジェットは石油成金となり、牧場を経営するベネディクト家の資産を上回るほどの大金持ちになってその名をテキサス州だけでなくアメリカ中に轟かせることになりました。

原題のgiantを巨大企業と訳すことが出来るのは、ジェットの興した石油会社ジェッテキサス(JETEXAS)が利潤を追求するだけでなく社会福祉に貢献するために総合病院を建設出来るほどの大企業に成長した様子が描かれているからです。

無一文の青年だったジェットは、テキサス州の大物(Giant)として知られたジョーダン・“ビック”・ベネディクトを資金面で上回るほどの大物になり、大企業(Giant)の経営者に上り詰めたわけです。

ただ、大富豪になったジェットにも手に入れることの出来ないものがありました。
それはレズリーの存在です。

レズリーは一時的にビックとの距離を置くことはあっても、夫を性的に裏切るような妻ではありません。
ジェットはレズリーの貞節を知っているだけに、レズリーの愛を勝ち取ることが出来ない自分の不幸を嘆くのです。

エリザベス・テイラー主演映画『ジャイアンツ』を見た感想4 427


レズリーもビックも、ジェットがレズリーに思いを寄せていることは知りませんが、映画の終盤で泥酔したジェットが独り言を言う場面でレズリーの娘ラズ・ベネディクト2世がジェットの秘めた胸の内を聞くことになります。

上映時間が200分という超大作ですが、洗練された東部上流社会とテキサス州の荒野との対比、あるいは大牧場経営者の富とそこで働く人々の貧困ぶり、さらには支配者たる白人が被支配層のメキシコ人に対して抱く差別意識、加えて男性たちが女性を軽んじる風潮に立ち向かう主婦レズリーの奮闘ぶりなど、見どころが満載で退屈する時間帯が全くない良作です。

人種差別や富の偏在について研究している人にとっては必見の映画だと思います。


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ジェシー・アイゼンバーグ主演映画『ソーシャル・ネットワーク』を見た感想
記事URL  カテゴリ | 外国映画 | 2013年11月16日(土)21時03分 | 編集 |
2013年11月16日(土) 


11月6日(水)にTBSで、ジェシー・アイゼンバーグ主演の映画『ソーシャル・ネットワーク(原題:The Social Network)』を見ました。

マーク・ザッカーバーグがフェイスブックを起業した経緯及び仕事仲間を増やす過程で敵も作った結果、訴訟を提起されてしまい巨額の示談金の支払いを余儀なくされた逸話が描かれている映画です。

ハーバード大学工学部の学生だったマーク・ザッカーバーグ(1984-)を演じているのは、ジェシー・アイゼンバーグ(1983-)です。

マークとジェシーは年齢も近いですし顔つきも何となく似ていますので、劇中でジェシーが発言している内容がいかにも事実であるかのように錯覚しがちですが、映画を見たマーク・ザッカーバーグは事実と異なる点が多々見受けられるとして不快感を示しています。

ただ、映画を見た人はデヴィッド・フィンチャー監督の描き方を通じてマークの人となりを評価すると思いますので、マークは実像からかけ離れた人物像が世界中に一人歩きして行くという危惧を抱いたのかも知れません。

この映画で描かれているマーク・ザッカーバーグの本質は、一言で言うと嫌な奴です。

マークはボストン大学に通っているエリカ・オルブライトと食事中に些細なことから口論となり、「ハーバードよりも落ちる悪い大学に通っていてごめんなさい」という嫌味を言われた挙句、振られてしまいました。
エリカ・オルブライトを演じているのはルーニー・マーラです。

ジェシー・アイゼンバーグ主演映画『ソーシャル・ネットワーク』を見た感想 505


学力的には「格下の」エリカから馬鹿にされて性格的な欠陥を指摘されたマークは、自室に戻った後自分のブログにエリカの悪口を書き連ねて鬱憤を晴らそうとします。

これだけでも幼稚な性格だと言えますが、さらにマークはハーバード大学に通う女子学生の顔写真をハッキングにより入手して、ネット上で顔写真ランキングを開催し投票を呼びかけました。

こんなことをしたらハーバード大学だけでなくこのランキングの存在を知った女性全てから嫌われるのは目に見えているはずですが、マークは得意のコンピューター技術を駆使してハーバード大学のサーバーが落ちるまで顔写真格付け大会を実施し続けました。

交際中の女性に振られた腹いせに、芸能人でもない一般女性の顔を評価対象にするというウェブサイトを作ったマークは、どこか性格的に歪んだ部分があると言わざるを得ませんね。

ただ、このハーバード大学に通う女子学生たちの顔写真を使ってウェブサイトを構築するという発想は、後のフェイスブックの起業へと繋がって行くことになります。

学生の氏名などの個人情報や、交際中の相手がいるか否かといった本来他人に対して明らかにする必要がない情報までもを網羅したザ・フェイスブック(The Facebook)は、瞬く間にハーバード大学生の心を掴み、やがてはエール大学、コロンビア大学、スタンフォード大学の学生なども登録会員に名を連ねて行きます。

いわば一流大学の学生たちが顔写真と属性をネット上で明示し、その情報を閲覧した会員が人間関係を深めるために連絡を取れるようにすることが当初のザ・フェイスブックの存在意義だったわけですね。

ザ・フェイスブックとは、ネット上に顔写真や学歴などを公開できるぐらい自信に満ち溢れた人たちが横の繋がりを広げるために利用していたウェブサイトだったと言えるでしょう。

まあ、世界中に広まった今でもそういった色彩は濃いと思いますけどね。

さて、ザ・フェイスブックという名称をフェイスブックに変えるよう進言したのはショーン・パーカー(1979-)です。

ショーン・パーカーを演じているのはジャスティン・ティンバーレイクです。

ショーン・パーカーが経営に参画し、フェイスブックの会員数が爆発的に増えて行く過程で、創業時よりマークによってCFO(最高財務責任者)に任命されていた親友のエドゥアルド・サベリンとマークとの人間関係に少しずつ溝が生じていきます。

そして、騙し討ちのような形で株式の保有率が大幅に希薄化することをのまされたエドゥアルドはマークと決別し、後にマークを告訴することになります。

恐らくこの映画はフェイスブック誕生秘話を事実に即して描いた映画ではなく、外部からフェイスブック首脳陣を見つめた映画製作者側の主観が多分に入った作品だと言えるでしょう。

ある程度は事実に即しているとは思いますが、マーク・ザッカーバーグやショーン・パーカーが自分で書いた書籍を映画化しているわけでもなく、どこまで関係者への正確な取材が出来ているかも不透明です。

マーク・ザッカーバーグが本当に嫌な奴かどうかは、本人と接してから判断すべきことですね。

なお、映画についての感想とは無関係ですが、私は数週間前にフェイスブックのアカウントを削除し実名登録の世界と縁を切りました。

私にとってフェイスブックは機能面で使い勝手が悪く、ブログとは異なり長く継続していくものではないと悟りました。

このブログは出来るだけ長く続けていくつもりです。


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