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ニコラ・プッサン『日の出を探す盲目のオリオン』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年09月29日(木)13時43分 | 編集 |
記事のタグ: メトロポリタン美術館
2011年9月29日(木)


目次
1. ポセイドンの息子
2. ヘパイストスの弟子ケダリオン
3. キオス島からクレタ島へ
4. 原題


今回取り上げる作品は、ニコラ・プッサン作『日の出を探す盲目のオリオン』です。

2011年9月29日ニコラ・プッサン『日の出を探す盲目のオリオン』216

1. ポセイドンの息子


オリオンは、海の神ポセイドンとエウリュアレとの間に生まれました。
エウリュアレは、クレタ島の王ミノスの娘です。

系譜を示します。

エウロパ→ミノス→エウリュアレ→オリオン


成人したオリオンは、一人で諸国を放浪していました。

オリオンはキオス島に立ち寄った際、キオス王女メロペに一目惚れしました。

メロペの父であるキオス王オイノピオンは、ディオニュソスの息子ですので、メロペはディオニュソスの孫に当たります。

系譜を示します。

ゼウス→ディオニュソス→オイノピオン→メロペ


オリオンは、王オイノピオンにメロペとの結婚を承諾して欲しい旨、申し出ました。

しかし、オイノピオンは、美しい娘メロペをオリオンに渡す意志はありません。
そこで、島の猛獣たちを退治したら結婚を許すと約束しました。

オイノピオンとしては無理難題を突きつけたつもりでしたが、オリオンは狩りの名手でしたので、あっという間に、島にいる獣達を射ち殺してしまいました。

無理だと思われた命令が達成されてしまったので、オイノピオンは困り果てた挙句、仕方なく、不必要な宴会を開くなどして、オリオンとメロペとの結婚を先送りにする作戦に出ます。

業を煮やしたオリオンは、ついに実力行使に出て、メロペを強姦してしまいます。

娘メロペが強姦された事実を知ったオイノピオンは、父であるディオニュソスに、葡萄酒の力でオリオンが泥酔するよう依頼します。

ディオニュソスは、オイノピオンの願いを聞き届け、オリオンを泥酔させました。
そして、オイノピオンは、オリオンが前後不覚になったところを狙って、両目を潰しました。

盲目にされたオリオンは、オイノピオンの従者たちによって砂浜に捨てられました。


2. ヘパイストスの弟子ケダリオン


視覚を失ったオリオンは、砂浜に蹲(うずくま)るしかありません。
すると、傷心のオリオンに次のような内容の神託が降りました。

「太陽神ヘリオスの光を受ければ、その目は治癒するであろう。」


オリオンは聴覚を頼りに、レムノス島の方向へと歩み始めます。

レムノス島には、ヘパイストスが時々利用している鍛冶場があり、そこでは、毎日のように槌の音が鳴り響いていました。

目の見えないオリオンは、金属を鍛錬する音を聞きながら、ヘパイストスの元へと辿り着きました。

事情を聞いたヘパイストスは、弟子のケダリオンをオリオンの目の代わりとして差し出しました。
ケダリオンを肩に乗せたオリオンは、一路ヘリオスのいるオケアノスの果てを目指します。

フランスの画家ニコラ・プッサン(1594-1665)が描いているのは、盲目のオリオンです。
右手に弓を持った大男がオリオンですね。

オリオンの肩に乗っているのは、ケダリオンです。
ケダリオンは小人ではなく、オリオンが巨人なのです。

ケダリオンの道案内で、オリオンはヘリオスの元へと到着します。


3. キオス島からクレタ島へ


オリオンは、ヘリオスの光を受けて両目を癒され、視覚を回復します。
そしてオイノピオンに復讐するために、オリオンはキオス島へと戻ります。

オリオンはキオス島内を隈(くま)なく探しましたが、オイノピオンの姿が見当たりません。
実は、オイノピオンは先手を打って、地下室に隠れていたのです。

この地下室は、オイノピオンがヘパイストスに依頼して造ってもらったものでした。

オリオンは、オイノピオンがクレタ島へ逃げたのではないかと考え、クレタ島へと渡ります。
そのクレタ島で、オリオンはアルテミスと出会うことになるのです。


4. 原題


ニコラ・プッサン(Nicolas Poussin)が描いた『日の出を探す盲目のオリオン』は、英語ではBlind Orion Searching for the Rising Sunと言います。

この作品は、ニューヨークのメトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)で見ることが出来ます。





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