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ピーテル・パウル・ルーベンス『ガニュメデスの誘拐』
記事URL  カテゴリ | その他絵画 | 2010年10月26日(火)21時18分 | 編集 |
記事のタグ: プラド美術館
2010年10月26日(火)


目次
1. フランドル・バロックの天才
2. イサベル・クララ・エウヘニア
3. 外交官
4. 原題


今回取り上げる作品はピーテル・パウル・ルーベンス作『ガニュメデスの誘拐』です。

2010年10月26日ピーテル・パウル・ルーベンス『ガニュメデスの誘拐』701

1. フランドル・バロックの天才


レンブラント(1606-1669)とほぼ同時代を生きたフランドルの画家ルーベンス(1577-1640)も『ガニュメデスの誘拐』を描いています。

フランドル・バロックを代表する画家であるルーベンスは、この作品に見られるような劇的な構図をその特徴としています。

絵画の中で進行している事態が見る者にとって決して遠い世界の話ではなく、眼前で行われているかのように感じられる画面構成がバロック絵画の特徴と言えます。

フランドルとは現在のベルギー西部やオランダ南部、さらにはフランス北部に跨(またが)る地域を指します。

わかりやすく言えば現在のベルギーのあたりということになります。
しかしもっと広い地域をフランドルと呼んでいたわけです。

従って「フランドル=ベルギー」や「フランドル=オランダ」という単純な図式では表せないということです。

フランドルは英語ではフランダーズ(Flanders)と発音します。
日本語のフランダースは英語の読み方から来ているわけですね。

さて、ルーベンスの解釈したガニュメデスの年齢は20歳前後の若者のようです。
狩りをしていた最中だったのでしょうか、矢の入った筒を肩から下げています。

トロイアの王子ガニュメデスは羊飼いであったと言われています。
羊の群れを守るために狩猟の技術を身につけた青年だったのかも知れません。

それにしてもルーベンスが描いたこの臀部は異常なまでの発達ぶりですよね。
胸筋や大腿筋はそれほどでもないのですが、お尻の大きさは均衡を欠くほどです。

鷲の嘴(くちばし)や爪の描写は生々しいですね。
最高神ゼウスの問答無用という意志が表れていて、見る者に恐怖心を抱かせます。


2. イサベル・クララ・エウヘニア


スペイン・ハプスブルク家の絶対君主フェリペ2世(1527-1598)の娘にイサベル・クララ・エウヘニアという女性がいます。

スペインはフェリペ2世の死後、フェリペ3世(1578-1621)が王位を継承します。
イサベル(1566-1633)はフェリペ3世の姉にあたります。

フェリペ2世の遺言により、イサベルは夫とともにスペイン領ネーデルラントの共同統治者となりました。

スペイン領ネーデルラントの首都は現在のベルギーの首都となっているブリュッセルにありました。

スペイン王女イサベルが統治するネーデルラントは首都ブリュッセルを中心に経済的にも軍事的にも安定していきます。

イサベルは多くの芸術家たちの庇護者としてフランドルのバロック文化を興隆させる役目を担いました。

17世紀の初頭にこのイサベルの宮廷画家となったのがルーベンスだったのです。


3. 外交官


ルーベンスは20歳代にはイタリアで画家としての活動を行っています。
また40歳代ではパリに赴きました。

パリではマリー・ド・メディシス(1575-1642)の生涯を描くよう依頼され連作大画を仕上げています。

こうした各国の宮廷画家としての生活を経る中でルーベンスは画力だけでなく政治力や語学力も身につけていきます。

イサベルの晩年にはフランドルは再びオランダと戦火を交える事態に突入します。

和平交渉のための外交使節団の一員としてイサベルはルーベンスを起用してマドリッドへ派遣しました。

ルーベンスは画家であると同時に外交官としての役割も担っていたわけです。
イサベルは幾つもの才能を有するルーベンスに大きな期待を寄せました。

この外交活動の最中にルーベンスはフェリペ4世(在位:1621-1665)に仕えていたベラスケス(1599-1660)と面識を持つに至ります。

同時代の天才同士、芸術談義に花が咲いたことでしょう。


4. 原題


ルーベンス(Rubens)が1636年頃に制作した『ガニュメデスの誘拐』はスペイン語ではEl rapto de Ganímedesと言います。

el raptoは誘拐という意味です。
この作品はマドリッドのプラド美術館(Museo Nacional del Prado)に展示されています。





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