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アルブレヒト・デューラー『アダム』と『イヴ』
記事URL  カテゴリ | 旧約聖書絵画 | 2012年05月10日(木)16時56分 | 編集 |
記事のタグ: プラド美術館
2012年5月10日(木)


今回の記事には、露骨な性的表現が含まれています。
性的表現に対して心的なストレスを感じる方は、読まないことをお勧めします。


目次
1. イヴの人差指
2. アダムの中指
3. 若さの限界


今回取り上げる作品は、アルブレヒト・デューラー作『アダム』と『イヴ』です。

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1. イヴの人差指


アルブレヒト・デューラー(1471-1528)は1507年に、アダムとイヴを題材として作品を描いています。

ただ、1枚の作品の中に2人を描いたのではなく、別々に描きました。
2点とも、縦2メートルを超える大作です。

さて、イヴと言えば、やはりリンゴと蛇ですよね。

どの宗教を信仰していようと、どの民族であろうと、旧約聖書に載っているこのイヴの話は、世界中のみんなが知っているのではないかと思われます。

デューラーは写実の天才だけあって、蛇の描写も見事です。

見事というよりも怖いですね。
作品に描かれた蛇が、鑑賞者の視線に気づき、こちらをじろっと睨みそうな気配です。

蛇が差し出した禁断の果実を、イヴは左手の指でしっかりと握っています。
この瞬間に、楽園からの追放が決まってしまったんですね。

イヴの右手の人差指は、なぜこんなに不自然な状態で描かれているんでしょうか?
こんなふうに木の枝を人差し指で押すのは、何かデューラーなりの解釈があるのでしょうね。

裸の女性が右手で握るもの、それは、男性器です。
木の枝は、ペニスの象徴なのかしらね。


2. アダムの中指


一方のアダムなんですが、とっても嬉しそうですよね。

この直後に、妻と一緒に楽園から追放されるという憂き目に遭うことが、まだこの時点では分かっていないのでしょうね。

リンゴという果実を手にして、満足感に浸っているように見受けられます。

右手の中指と薬指が、くっついているのが気になりますね。
男性が右手の中指と薬指をくっつける瞬間、それは、女性器の中へ2本の指を入れる時です。

結局、この2枚の絵は、「人間にとっての禁断の果実とは、セックスの快楽である」ということを示しているのかも知れません。


3. 若さの限界


イヴは、こんなにも若く美しい肉体美を誇る女性なのに、残念ながら誘惑に負けて、その結果、塗炭の苦しみを味わうことになっていきます。

この2枚の絵は、男女に関わらず、外見的な美しさを備えている者が、人生において必ずしも安住の地を得られるわけではない、ということを教えているかのようです。

旧約聖書の物語としては、イヴを唆(そそのか)したのは蛇ということになっていますので、デューラーもその記述に沿って作品を構成しているわけですが、きっとこの蛇は、何かが変身した姿なんだろうと思います。

その「何か」が人間の目の前に果実を示した場合、それに対して無関心でいられる人間は、多分いないのでしょうね。

もし、いるとしたら、達観している人なのでしょうけれど、若年ではまず達観など無理ですね。

この世界的に有名な物語は、「若さの限界」を教えているのかも知れません。
ただ、その「若さ」は、全ての者が経験する道なのです。

誰も、イヴを責めることは出来ません。


4. 原題


アルブレヒト・デューラー(Albrecht Dürer)が制作した『アダム』と『イヴ』は、スペイン語ではAdán及びEvaと言います。

発音からすれば、「アダーン」と「エバ」というのが正しい表記になりますね。

これら2点の作品は、プラド美術館(Museo Nacional del Prado)の所蔵となっています。





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