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コレッジョ『ガニュメデスの誘拐』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年11月12日(土)14時04分 | 編集 |
記事のタグ: 美術史美術館
2011年11月12日(土)


目次
1. トロイの王子
2. 誘拐されるガニュメデス
3. アントーニオ・アッレーグリ
4. 原題


今回取り上げる作品は、コレッジョ作『ガニュメデスの誘拐』です。

2011年11月12日コレッジョ『ガニュメデスの誘拐』776

1. トロイの王子


ギリシア神話の登場人物の中に、ガニュメデスというトロイの王子がいます。
ガニュメデスの父は、トロイ王トロスです。

ガニュメデスには兄イロスがいて、そのイロスの子孫がパリスです。
系譜を示します。

トロス→イロス→ラオメドン→プリアモス(トロイ王家滅亡)→パリス


トロイとは、ギリシア神話に登場する都市の名前です。
ヨーロッパでは長い間、トロイは神話の中の都市であって、実在はしないと考えられていました。

しかし、19世紀後半にハインリッヒ・シュリーマン(1822-1890)がトロイ遺跡を発掘したことにより、その実在が証明されたことは有名ですよね。

ブラッド・ピットが主演した映画『トロイ』は、このトロイを舞台にしたトロイ戦争を扱ったもので、ギリシア側の視点から描かれたものでした。


2. 誘拐されるガニュメデス


トロイという都市は、考古学や地質学の進歩によってその実在が科学的にも証明されたわけですが、ガニュメデスについては、あくまでも神話の世界の人物という捉え方をしている人が大半でしょうね。

なぜなら、彼は鷲に連れ去られたからです。
そんなことはやはり現実にはあり得ませんので、架空の話として捉えるのが普通だと思います。

ガニュメデスを誘拐するよう命じたのは、最高神ゼウスです。
この誘拐は、ヘラクレスの死と関係しています。

ヘラクレスは死後、神々の仲間入りをしました。
そして、ゼウスとヘラの娘ヘベを妻としました。

ヘベは神々の宴会の給仕役をしていたのですが、ヘラクレスと結婚することによりその役目を終えました。

給仕役がいなくなったことにより、ゼウスは後任を探す必要に迫られました。

そこで、ヘベの後任として地上界から神の世界へと無理矢理に連れて行かれたのが、美貌の少年ガニュメデスだったわけです。

ギリシア神話を読むと、ゼウスは何をやっても許される立場にあったようですね。

地上の美少年を神々の世界へと誘拐するなどという恐ろしいことも、ゼウスであれば容易に実行してしまうのです。


3. アントーニオ・アッレーグリ


この絵画を描いたコレッジョ(1489-1534)は、イタリアルネサンス期の画家です。

コレッジョとは北イタリアにある都市の名前で、画家コレッジョにはアントーニオ・アッレーグリ(Antonio Allegri)という本名があります。

通例では、彼のことを本名ではなく、生まれた土地に因んでコレッジョと呼んでいます。

コレッジョの描くガニュメデスは、大きな鷲に連れ去られるというよりは、自分から鷲にしがみついているようにも見受けられます。

足元には白い犬がいますので、大鷲はまだそれほど高い所までは上昇していない様子です。
この時点では、ガニュメデスにも心のゆとりがあるのかも知れません。

また、何のために鷲が自分のところへやって来て、どこへ連れ去ろうとしているのかという趣旨も、知らされてはいないのでしょうしね。

163cm×70cmという縦長のこの作品は、コレッジョ晩年の1531年頃の制作とされています。
晩年と言っても、40歳代前半ですけどね。

160センチ以上の高さがある絵画ですから、人によっては見上げるような形でこの絵を目にすることになると思います。

これから高く舞い上がっていこうとする鷲とガニュメデスの姿を描く上で、最も視覚効果が高いと思われる縦横の比率を研究してこのような形になったのでしょうね。


4. 原題


コレッジョ(Correggio)が描いた『ガニュメデスの誘拐』は、イタリア語ではRatto di Ganimedeと言います。

il rattoは、強奪、という意味です。

ドイツ語では、Die Entführung des Ganymedと言います。
die Entführungが、誘拐、という意味です。

この作品は、ウィーンの美術史美術館(Kunsthistorisches Museum)に所蔵されています。





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