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Jan Gossaert『ヘルマプロディトスとサルマキスの変身』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年06月05日(日)14時34分 | 編集 |
2011年6月5日(日)


目次
1. ヘルメスの子ヘルマプロディトス
2. サルマキスによる強引なセックス
3. 性交を超える愛
4. 原題


今回取り上げる作品は、Jan Gossaert作『ヘルマプロディトスとサルマキスの変身』です。

2011年6月5日Jan Gossaert『ヘルマプロディトスとサルマキスの変身』474

1. ヘルメスの子ヘルマプロディトス


ヘルマプロディトスは、ヘルメスとアプロディーテとの間に生まれた美少年です。
系譜を示します。

ゼウス→ヘルメス→ヘルマプロディトス


アプロディーテには、形式的な夫としてヘパイストスがいて、主たる愛人としてアレスがいることは周知の事実でした。

しかし、ヘルメスは美貌のアプロディーテとセックスすることを望み、言い寄りました。

アプロディーテは、ヘルメスのことなど全く眼中になく、彼からの求愛を拒絶します。

諦め切れないヘルメスは、ゼウスから借りた鷲を使って、アプロディーテが持っている黄金のサンダルを盗みます。

ヘルメスは、神々の伝令役として知られていますが、商業や旅行を司る神でもあります。
それ以外にも、泥棒の神という役割も担っているのです。

ヘルメスは生まれた直後に、アポロンが飼っていた牛を盗んだりして、早々と泥棒の才能を示しています。

そんなヘルメスは、アプロディーテのサンダルをまんまと盗み出し、それを返す代わりにアプロディーテとのセックスを要求したわけです。

ヘルメスは、卑劣ですね。

しぶしぶヘルメスとセックスをしたアプロディーテは、やがてヘルマプロディトスを産みました。
ヘルメスとアプロディーテの名前を合体させたのが、ヘルマプロディトスです。

ヘルマプロディトスは、アプロディーテの美貌を受け継いで、美形の少年に成長していきます。


2. サルマキスによる強引なセックス


ある日、ヘルマプロディトスが泉で水浴をしている姿を、サルマキスが見初めました。
サルマキスとは、この泉に住むニンフです。

ヘルマプロディトスの美しい肉体に欲情したサルマキスは、ヘルマプロディトスに言い寄ります。

セックスをする場合、通例では、男性から女性に言い寄るわけですが、時には女性が男性にセックスを求める場合もあるのです。

アメリカのドラマ『グリー』において、リア・ミシェル(Lea Michele)が演じるレイチェルが「女の性欲は、男と同じぐらいあるのよ」というセリフを言う場面があります。

私は男なので、女の性欲については本当のところは分かりませんが、男の性欲がこれだけ強いわけですから、女もそうなのかも知れませんね。

ギリシア神話では、アテナやアルテミスのように性欲を汚らわしいものとして、完全に否定する女神がいる一方で、アプロディーテのように快楽としてのセックスを肯定する女神も配置しています。

ただ、アプロディーテは、あくまでも男性からの求愛を待つ姿勢を保っています。

「隠しながら見せて誘う」という女性一流の戦術を駆使して、男をその気にさせて、男の方から先に愛の言葉を言わせるように仕向けるわけです。

それに比べて、サルマキスは、アプロディーテの生き方を超えて、自らがセックスの主導権を握り、女の方から愛の言葉を告げています。

しかし、ヘルマプロディトスはサルマキスの求愛を拒みました。

拒否されたサルマキスは、思いを遂げるために実力行使に出ます。
サルマキスは、嫌がるヘルマプロディトスに抱きついて行きました。

フランドルの画家Jan Gossaert(1478-1532)が描いているのは、女性の側からの猛烈な求愛の場面です。

向かって右の女性が、サルマキスです。
向かって左のヘルマプロディトスは、サルマキスの強引な求愛の仕方の前に、為す術がない様子です。


3. 性交を超える愛


サルマキスは、揉み合いの中でヘルマプロディトスの勃起したペニスを掴み、自ら膣内に挿入して、射精まで導きました。

ヘルマプロディトスも勃起して、射精したということは、嫌がりながらも多少はその気があったのでしょうね。

本当に心底嫌な女に対しては、男は勃起などしません。

こうして念願叶ってヘルマプロディトスとセックスをしたサルマキスでしたが、一度限りの性交では満足出来ません。

通例では、そうなのであれば二度三度とセックスを重ねて行くことになりますが、「通例ではない」サルマキスは、そうは考えませんでした。

サルマキスが考えたのは、ヘルマプロディトスとの合体です。

サルマキスは、ヘルマプロディトスと永遠に一緒にいるために、その肉体を合体させて欲しいと神に祈ったのです。

サルマキスの願いは、聞き入れられました。
ヘルマプロディトスとサルマキスは肉体が合一した結果、両性具有の生き物と化したのでした。

作品の後景向かって左に、ぼんやりと描かれているのは、肉体が合一したヘルマプロディトスとサルマキスの姿です。

サルマキスの愛の執念により、ヘルマプロディトスは二度とサルマキスから離れることが出来なくなりました。

セックスを超える肉体の合体が、ここに完成したのです。


4. 原題


Jan Gossaertが描いた『ヘルマプロディトスとサルマキスの変身』は、英語ではThe metamorphosis of Hermaphrodite and Salmacisと言います。

the metamorphosisが、生物学の用語で、変態、という意味です。

この作品は、オランダ西部の都市ロッテルダムにあるボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館(The Museum Boijmans Van Beuningen)で見ることが出来ます。





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