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セバスティアーノ・リッチ『ディアナとカリスト』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年04月25日(月)14時03分 | 編集 |
2011年4月25日(月)


目次
1. 妊娠発覚
2. 原題


今回取り上げる作品は、セバスティアーノ・リッチ作『ディアナとカリスト』です。

2011年4月25日セバスティアーノ・リッチ『ディアナとカリスト』280

1. 妊娠発覚


アルテミスの姿に変身したゼウスに無理矢理ペニスを挿入されて、カリストは不本意ながら妊娠しました。

処女神アルテミスにとっては、この世で最も忌むべき行為が性交であり、性交の結果としての妊娠は、許し難い事態です。

カリストはゼウスとの性交後も、素知らぬ顔をしてアルテミスらと共に狩りなどをして一緒に行動していました。

しかし、懐妊した女性の体には月日の経過と共に変化が表れます。

ある日アルテミス一行は、狩猟で疲れた体を癒すため、水浴をすることになりました。

普段は衣服を脱いで皆で水浴を楽しむのですが、どうしたわけかカリストだけが服を脱ごうとしません。

不審に思ったアルテミスはカリストを問い質(ただ)しますが、カリストは俯いたまま答えようとしません。

アルテミスの命令で、他のニンフがカリストの衣を剥いでみました。
カリストの体つきを見れば、妊娠していることは一目瞭然でした。

セバスティアーノ・リッチ(1659-1734)が、画面向かって右側に立ち姿で描いているのがアルテミスです。

頭部に三日月の装飾品をつけているので、月の女神であることがわかりますね。

通例アルテミスは豊満な肉体美で描かれることが多いのですが、リッチの解釈は異なります。

この場面では、ゼウスの子を孕んだカリストとの対比を強調するために、あえて平板な胸で描かれています。

突き出した細く長い人差し指からは、糾弾する処女神の恐ろしさが伝わってきます。
一方、豊満な乳房を晒しているカリストは、主人であるアルテミスと目を合わせることが出来ません。

この豊かな乳房の下には、子を身ごもった腹部があるわけです。
カリストは何とか腹部を見られないようにと、懸命に腕で衣を抑えつけています。

この後、衣が剥がされ、迫り出した腹部が露になってしまうのです。
もうカリストには、逃げ場はありません。


2. 原題


セバスティアーノ・リッチ(Sebastiano Ricci)が制作した『ディアナとカリスト』は、イタリア語ではDiana e Callistoと言います。

この作品は、ヴェネツィアにあるアカデミア美術館(Gallerie dell'Accademia)で見ることが出来ます。





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