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ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ『イピゲネイアの犠牲』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年01月02日(月)13時21分 | 編集 |
2012年1月2日(月)


目次
1. ミケーネ王アガメムノン
2. アルテミスの牡鹿
3. 止む風
4. イピゲネイアの呼び出し
5. イピゲネイアの最期
6. 原題


今回取り上げる作品は、ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ作『イピゲネイアの犠牲』です。

2012年1月2日ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ『イピゲネイアの犠牲』262

1. ミケーネ王アガメムノン


スパルタ王メネラオスは、トロイの王子パリスによって妻ヘレネを略奪されました。

その後、メネラオスは兄であるミケーネ王アガメムノンに、トロイに復讐するための協力を要請します。

アガメムノンはギリシア軍の総大将として、トロイに対して戦争を仕掛けることにしました。

なお、アガメムノンはペロプスの孫に当たります。
系譜を示します。

クロノス→タンタロス→ペロプス→アトレウス→アガメムノン


2. アルテミスの牡鹿


トロイと戦争するための準備をしている最中、アガメムノンは狩りに出掛けます。
そして次々と獲物を仕留める腕前を自画自賛して、次のように発言してしまいました。

「狩りの女神アルテミスでも、私には叶わないだろう。」

これは神に対してあまりに軽率な発言です。
ギリシア神話においては、神を冒涜する発言は断じて許されません。

さらにアガメムノンは、アルテミスが飼っていた牡鹿を射殺しました。
もちろんアガメムノンは、その鹿がアルテミスのものかどうかは知りませんでした。

しかし、知らなかったでは済まされないのが神の世界です。
牡鹿を殺されたアルテミスは、驕り高ぶったアガメムノンを懲らしめることにしました。


3. 止む風


アルテミスは海上の風を完全に止めてしまいました。
これではギリシア軍は、港を出発して帆船でトロイへと向かうことが出来ません。

困ったアガメムノンは、原因と対処方法について予言者カルカスに問いました。
すると、カルカスは次のように答えました。

「アガメムノンが狩りで、アルテミスの牡鹿を射殺したことが原因である。
罪滅しに娘のイピゲネイアを生贄として差し出すことが必要である。」

イピゲネイアとは、アガメムノンとクリュタイムネストラとの間に生まれた娘です。
クリュタイムネストラはスパルタの王女で、ヘレネとは姉妹の関係です。

なおヘレネの父はゼウスですが、クリュタイムネストラの父はスパルタ王テュンダレオスです。


4. イピゲネイアの呼び出し


アガメムノンは国家の戦争という大義のために、娘イピゲネイアを生贄にすることを決意します。

イピゲネイアを呼び出すにあたって、真実をありのままに話したら娘は逃げ出してしまうかも知れません。

そこでアガメムノンは一計を案じました。
当時イピゲネイアは、美貌の若武者アキレスに心を寄せていました。

そこでイピゲネイアをアキレスに嫁がせることにしたという嘘の手紙を、イピゲネイアに送ったのです。

手紙を受け取ったイピゲネイアは、母クリュタイムネストラと共に大喜びします。

イピゲネイアは、あのアキレスが自分に夫になるという夢のような知らせを信じました。
そして、アキレスとの挙式を挙げるために父アガメムノンの元へと馳せ参じたのでした。

アガメムノンは、クリュタイムネストラとともにやって来たイピゲネイアに本当のことを話しました。

絶望するイピゲネイアでしたが、国家のために王女としての役割を果すことを承諾します。

イピゲネイアよりもクリュタイムネストラの方が、アガメムノンを恨みました。

クリュタイムネストラは、こうした騙し討ちのような形で娘イピゲネイアを死に追いやるアガメムノンに対して、憎悪の炎を燃やします。

トロイ戦争後に、アガメムノンは妻クリュタイムネストラに復讐されることになります。

イピゲネイアを呼び出す口実として使われたアキレスも、クリュタイムネストラ同様にアガメムノンに対する不信感を募らせます。

このことが一つの伏線となり、アガメムノンとアキレスはトロイ戦争の只中で反目し合うことになるのです。


5. イピゲネイアの最期


イタリアの画家ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ(1696-1770)が描いているのは、イピゲネイアが祭壇の上に乗っている場面です。

画面中央の向かって右で、下半身に白い布を巻いているのがイピゲネイアです。
イピゲネイアの豊かな右胸に刃物を向けているのは、神殿の祭司カルカスです。

イピゲネイアは神殿における捧げものとして死ぬのです。
そこで、イピゲネイアを殺す役割は祭司が担うことになるわけです。

向かって右端に立ち、顔を布で覆っている男がアガメムノンです。
娘イピゲネイアの死ぬ場面をまともに見られないといった様子です。


6. 原題


ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ(Giovanni Battista Tiepolo)が描いた『イピゲネイアの犠牲』は、イタリア語ではSacrificio di d'Ifigeniaと言います。

sacrificioが犠牲という意味です。

この作品はイタリア北東部の街ヴィチェンツァ(Vicenza)にあるVilla Valmarana "Ai Nani"で見ることが出来ます。





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