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ギュスターヴ・モロー『オイディプスとスフインクス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年07月27日(水)13時24分 | 編集 |
2011年7月27日(水)


目次
1. オイディプスによる謎解き
2. テーバイ王オイディプスの誕生
3. 熟女の包容力
4. イオカステの悦び
5. 原題


今回取り上げる作品は、ギュスターヴ・モロー作『オイディプスとスフインクス』です。

2011年7月27日ギュスターヴ・モロー『オイディプスとスフインクス』659

1. オイディプスによる謎解き


スフィンクスが、道行く人に出していた謎とは、次のようなものでした。

「一つの声を持ち、四足、二足、三足になるものは何か?」

フランスの画家ギュスターヴ・モロー(1826-1898)が描いた作品では、スフィンクスに対峙して、謎に答えているオイディプスの姿が描かれています。

画面下方には、スフインクスによって殺された者たちの足などが描かれています。
岩を掴んでいる右手は、まだ辛うじて生きている証拠ですね。

不気味です。

スフインクスは、いつものように色目を使って、オイディプスを籠絡(ろうらく)しようと企みます。
ところが、スフィンクスの謎かけに対して、オイディプスは即座に答えを出してしまいました。

その答えとは、人間、です。

謎を解かれてしまったスフィンクスは、山から身を投げて自殺しました。
こうして、テーバイの人々は、スフィンクスの恐怖から解放されることになったのです。


2. テーバイ王オイディプスの誕生


見事に正解を導き出したオイディプスは、テーバイ宮廷に招かれ、スフィンクスを倒した英雄として摂政クレオンから歓待を受けます。

そして、当初の約束通り、クレオンはオイディプスにテーバイ王位を与えました。

テーバイ王となったオイディプスは、先王ライオスの王妃だったイオカステを妻とすることになったのです。

この瞬間、2つめの神託も成就してしまいました。
オイディプスは、神託で述べられた通り、父を殺害し、母を妻に娶(めと)ることになったのです。

ただ、この時点では、オイディプスもイオカステも、その事実には気づいていません。

悲しい運命に翻弄される人間たちにとって、真実を知らないということは、時に、人生の苦悩から解放されることにもなるのです。

知り過ぎてしまうことは、決して幸せなことではないのかも知れません。


3. 熟女の包容力


テーバイ宮廷の主となったオイディプスは、新婚初夜にイオカステと、思う存分セックスを楽しみました。

イオカステは若い妻ではありませんし、事情があって年齢の割には、セックス経験は、ほとんど皆無です。

しかし、イオカステの容色は未だ衰えず、熟れた肉体は健在です。

また、男性の操縦法を知らない若い娘とは違って、イオカステは、若い男性に対して、母のような包容力で接することが出来ます。

年上女性の包容力が最も発揮されるのは、セックスの時です。

10代後半のオイディプスには、上手なセックスをするだけの技量や精神的なゆとりは、まだ備わっていません。

二十歳前後では、まだ無理なんですよ。

しかし、妻イオカステは一切不満の色を見せず、セックスの後、オイディプスに向かって幸せな表情を浮かべ、彼のセックスを褒(ほ)めました。

まあ、イオカステは、オイディプスの実の母なんですから、「母のような」包容力でオイディプスのセックスを褒め、年下男性に自信を与えることは、容易(たやす)いことだったわけです。

男は、自分のセックスを褒めてくれた女性に対しては、心から愛情を注ぐ気になり、その肉体にのめり込んでいきます。

反対に、男が拙(つたな)いながらも、必死になってやっているセックスに対して、何ら反応を示さない女に対しては、次第に愛情も消え失せ、その肉体に対する関心も薄れていきます。

セックスに限りませんが、男女を問わず、無反応・無感動な人とは、やはり一緒にはいたくないですよね。


4. イオカステの悦び


イオカステにとっては、新婚初夜におけるオイディプスとのセックスは、実に、オイディプスを孕んだ時以来のセックスになります。

20年近くセックスをして来なかったイオカステは、熟れた肉体を持て余し、悶々とした日々を送って来ました。

オナニーから得られる快楽は、セックスによって得られる快楽とは性質が異なります。

イオカステは、自分一人では満たすことの出来ない性欲を抱えて、誰にも相談できず、毎晩の一人寝に耐えて来たのです。

「もう、このあたりで、イオカステを禁欲生活から解放してあげても良いでしょう。」

セックスの女神アプロディーテがそう思ったかどうかは分かりませんが、イオカステは、ようやくセックスパートナーを手に入れることが出来ました。

しかも、老齢だったライオスとは異なり、今度の夫は、若さ溢れる逞しい青年です。

イオカステは、夜毎のセックスの快楽に溺れると同時に、この夫が相手であれば、何の制約もなく子を産めるという喜びも感じていたのでした。


5. 原題


ギュスターヴ・モロー(Gustave Moreau)が描いた『オイディプスとスフインクス』は、英語ではOedipus and the Sphinxと言います。

この作品は、ニューヨークのメトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)で見ることが出来ます。





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