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フランソワ・ブーシェ『ヘラクレスとオンファレ』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年10月31日(月)19時30分 | 編集 |
2011年10月31日(月)


目次
1. オイカリアの王女イオレ
2. 果たされない約束
3. アウトリュコスによる馬盗難事件
4. 2度目の狂気
5. デルフォイの神託
6. 原題


ヘラクレスの話は、2011年9月4日(日)の記事『フランシスコ・デ・スルバラン『ヘラクレスとケルベロス』 loro2012.blog』で休止していましたが、今日から再開します。

今回取り上げる作品は、フランソワ・ブーシェ(François Boucher)作『ヘラクレスとオンファレ』です。

2011年10月31日フランソワ・ブーシェ『ヘラクレスとオンファレ』420

1. オイカリアの王女イオレ


ここからは、ヘラクレスがエウリュステウスに命じられた12の功業を成し遂げた後の話です。

オイカリアの王エウリュトスには、イオレという美しい娘がいました。
父エウリュトスは、美しいイオレを嫁入りさせたくないと考えていました。

そこで、求婚者たちに対してイオレの夫になるための条件を、次のように公言していました。

「弓の競技で、自分と王子たちに勝つこと。」

エウリュトスは、アポロンから授けられた弓を持っていました。
この弓があれば、弓術で負けるはずがないのです。

娘イオレを手放したくないエウリュトスは、弓道競技で勝ち続けます。

ヘラクレスは、オイカリアの王女イオレを妻にするために、弓道競技に参加しました。
そして、ヘラクレスはエウリュトスたちを打ち負かしたのです。

ヘラクレスは約束通り、美貌のイオレを妻としてもらい受けようとしました。
ところが、エウリュトスは約束を守らず、この結婚に難色を示します。

エウリュトスは、ヘラクレスの心には未だに狂気が潜んでいると思っていたのです。
そんな凶暴な男には娘を与えることは出来ないというのが、エウリュトスの主張でした。


2. 果たされない約束


かつてヘラクレスは、妻メガラとの間に出来た三人の子供たちを炎の中に投げ入れて殺したことがありました。

これが第一回目の狂気です。

この狂気の噂はギリシア中に広まり、オイカリア王エウリュトスたちも聞き及んでいました。

オイカリア宮廷側は、ヘラクレスがイオレと結婚した場合、再び同じような惨事が起きるのではないかと危惧します。

オイカリア宮廷の中で、エウリュトスの息子イピトスだけは約束を守るべきだと主張しました。
しかし、王エウリュトスの判断で約束は反故にされてしまいました。

ヘラクレスは、約束が違うと激怒します。
しかし、王女イオレを強奪するわけにもいきません。

ヘラクレスは将来エウリュトスを成敗することを心に誓い、しぶしぶ引き下がったのでした。


3. アウトリュコスによる馬盗難事件


ヘラクレスが引き下がったその夜、エウリュトスの馬が盗まれるという事件が起きました。
エウリュトスは、ヘラクレスが約束を反故にされた仕返しにやったことではないかと怪しみます。

実際には、馬を盗んだのはアウトリュコスでした。
アウトリュコスとは、ヘルメスとキオネとの間に生まれた息子です。

アウトリュコスは、父ヘルメスから盗みの技を学びとりました。
今回の馬盗難事件は、盗みに長けたアウトリュコスの仕業だったわけです。

アウトリュコスは妻アムピテアとの間に、二人の娘を儲けています。

一人はアンティクレイアで、オデュッセウスの母になります。
もう一人はポリュメデで、イアソンの母になります。

系譜を示します。

ゼウス→ヘルメス→アウトリュコス→アンティクレイア→オデュッセウス

ゼウス→ヘルメス→アウトリュコス→ポリュメデ→イアソン


4. 2度目の狂気


エウリュトスの息子イピトスは、ヘラクレスは馬を盗んでいないと信じました。
イピトスは、今回もヘラクレスの側に立ったわけです。

エウリュトスは、ヘラクレスから馬を取り返して来るようイピトスに命じました。

イピトスは父王の命令に逆らうわけにもいかず、しぶしぶ足跡を頼りに馬を探しに行くことになりました。

その頃アウトリュコスは、盗んだ馬をいつまでも連れているわけにはいかないと思い立ちます。
そこで、魔法の力によって馬を羊に変えました。

アウトリュコスは、通りで偶然にヘラクレスと出会いました。
二人の間には、面識はありません。

アウトリュコスは、その羊をヘラクレスに売りつけることに成功します。

ヘラクレスが羊を連れて歩いているところへ、馬の足跡を追っていたイピトスがやって来ます。
ヘラクレスはイピトスとの再会を喜び、食事を共にします。

ヘラクレスは、食事をしながらイピトスがここまでやって来た理由を尋ねました。

そして理由を聞いた後で、イピトスが内心では自分を馬泥棒だと疑っているのではないかと怪しみます。

ここでヘラクレスは、再びヘラによって狂気を吹き込まれてしまいます。
正気を失ったヘラクレスは、オイカリアの王子イピトスを城壁から投げて殺してしまったのです。

これが、ヘラクレスの二度目の狂気です。


5. デルフォイの神託


その罪を償うため、ヘラクレスは奴隷として身を売られ、3年間の奉公に従事することが神託によって命じられました。

また、息子を殺されたエウリュトスに対して、賠償金を支払うことも課せられたのです。

奴隷として売りに出されたヘラクレスを購入したのが、リディアの女王オンファレです。
リディア王国とは、現在のトルコに相当する地域です。

オンファレは、オムパレと表記される場合もあります。
オンファレは主人の身でありながら、ヘラクレスと恋に落ちました。

もちろん立場としては、オンファレの方が上位です。
ヘラクレスは、従属的な立場としての愛人になったわけです。

フランスの画家フランソワ・ブーシェ(1703-1770)が描いているのは、ヘラクレスとオンファレが愛を交わしている場面です。

ヘラクレスは、オンファレの豊満な右胸を鷲掴みにしています。
オンファレは熟れた左脚をヘラクレスの太ももの上に投げ出して、お互いの情欲を高めています。

ヘラクレスは、筋骨逞しい肉体の持ち主として描かれている一方、オンファレは、丸みを帯びた豊麗な体つきの女性として描かれています。

オンファレは、ヘラクレスに対して一見甘えた仕草を見せています。
しかし、精神的にはオンファレが完全に優位に立っているのです。

その状況の中でヘラクレスは、「男としての役割」をオンファレから毎日求められたのです。
女王オンファレは、精力絶倫の女性でした。

これはこれで、男にとっては難行苦行だと思われます。


6. 原題


フランソワ・ブーシェ(Франсуа Буше)が描いた『ヘラクレスとオンファレ』は、ロシア語ではГеракл и Омфалаと言います。

この作品は、モスクワにあるプーシキン美術館(Государственный музей изобразительных искусств имени А. С. Пушкина)で見ることが出来ます。





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