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ピーテル・パウル・ルーベンス『アレスとレア・シルヴィア』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年04月10日(火)14時20分 | 編集 |
2012年4月10日(火)


目次
1. シルウィウス誕生
2. アイネイアスの死後
3. アルバ・ロンガ
4. ヌミトルの娘レア・シルヴィア
5. アレスとレア・シルヴィアとのセックス
6. 原題
7. まとめ


今回取り上げる作品はピーテル・パウル・ルーベンス作『アレスとレア・シルヴィア』です。

2012年4月10日ピーテル・パウル・ルーベンス『アレスとレア・シルヴィア』256

1. シルウィウス誕生


新都市ラウィニウムで暮らすアイネイアスとラウィニアとの間にはシルウィウスという息子が生まれます。

系譜を示します。

ラティウム王ラティヌス→ラウィニア→シルウィウス


やがて、ラティウム王ラティヌスが亡くなり、アイネイアスがラティウム王となりました。

アイネイアスにはトロイから連れて来た息子のアスカニウスがいました。
系譜を示します。

アンキセス→アイネイアス→アスカニオス


シルウィウスとアスカニオスは、父は同じアイネイアスですが母親が異なります。
アスカニオスの母親はトロイ陥落時に亡くなったクレウサでしたね。


2. アイネイアスの死後


ラティウム王アイネイアスが死んだ後、アスカニウスがラティウム王位を継承します(在位:紀元前1179-紀元前1141)。

しかし、周囲のラテン人たちはトロイ人の血を引くアスカニウスがラティウム王を継承したことに難色を示しました。

ラティヌスの血を受け継ぐシルウィウスが王となるべきだ、ということを主張したわけです。

シルウィウスはラティヌスの血とアイネイアスの血の両方を受け継いでいます。
一方、アスカニウスはラテン人の血を受け継いではいません。

そこで妥協案として、シルウィウスが成人した時にアスカニウスがラティウムの街を出ることになりました。


3. アルバ・ロンガ


ラティウム王となったアスカニウスは義母ラウィニアと共同でラティウムの街を統治していました。

そして義弟シルウィウスが成人した時に、約束通りアスカニウスはラティウムを離れることになります。

ラティウムを離れたアスカニウスは、アルバ・ロンガと呼ばれる新しい都市をラティウム近郊に建設しました。

そしてアスカニウスは、ラティウムにあった宮殿の機能の大半をアルバ・ロンガに移します。

王アスカニウスが去ったラティウムには、義母ラウィニアと義弟シルウィウスが残りました。

アスカニウスはラティウムの街を離れたとは言え、形式的には依然としてラティウム王です。
しかし、実質的には新都市アルバ・ロンガの王となりました。

アスカニウスの死後、シルウィウスは正式にラティウム王となります(在位:紀元前1141-紀元前1112)。

そしてシルウィウスは義兄アスカニウスが創設したアルバ・ロンガ王の地位も継承したのです。

後年、歴史家によってアルバ・ロンガの王位継承は以下の系譜で示されることになりました。

ラティヌス→アイネイアス→初代アルバ・ロンガ王アスカニウス→シルウィウス→(中略)→プロカス→ヌミトル


4. ヌミトルの娘レア・シルヴィア


初代アルバ・ロンガ王アスカニウスから数えて13代目の王に当たるのがプロカスです。
プロカスには長兄ヌミトルと次男アムリウスがいました。

ヌミトルはプロカスの死後、王位を継承し、娘レア・シルヴィアと息子ラウススを儲けました。

次男アムリウスは父プロカスから財産を相続しましたが、それだけでは満足できません。
やがて、兄王ヌミトルを追放しアルバ・ロンガ王位を簒奪したのです。

ヌミトルの息子ラウススは王となったアムリウスによって殺害されました。

娘のレア・シルヴィアは命だけは助けられましたが、女神ウェスタに仕える巫女(みこ)になるよう命じられました。

女神ウェスタとはローマ神話における竈(かまど)の神で、竈から派生して家庭全般の守護神となりました。

ウェスタは家政を司りますが出産経験のない処女神です。

なお、ウェスタはギリシア神話ではヘスティアに相当します。

女神ウェスタに仕える巫女になるということは、生涯、処女を貫くということです。

アムリウスはレア・シルヴィアを女神ウェスタに仕える巫女にすることによって、兄ヌミトルの血統を根絶やしにする魂胆でした。


5. アレスとレア・シルヴィアとのセックス


レア・シルヴィアが巫女になって数年後、あり得ないことが起きてしまいました。
レア・シルヴィアが懐妊したのです。

ウェスタ神殿で奉仕する生活をひたすら続けている巫女たちには外部の男性との接点などありません。

徹底的な禁欲生活が求められ、処女のまま謹厳な聖職者としての宗教的生活を送るのがウェスタの巫女の本来のあり方です。

その巫女の中の一人であるレア・シルヴィアが妊娠したのです。
レア・シルヴィアに尋ねてみると、父親は軍神アレスだと言い張ります。

結局、レア・シルヴィアはアレスによって処女を奪われたという説が定説となって行きました。

フランドルの画家ピーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)はアレスがレア・シルヴィアの美貌に目をつけて、これから性交に及ぼうとする場面を描きました。

アレスは軍神としては頼りない一面を示すこともありますが、美貌の男神として名高いです。

このままでは処女を奪われてしまいそうなレア・シルヴィアですが、アレスの端正な顔立ちをうっとりと見つめながら、何となく抵抗するのを止めるかのような仕草にも見えますね。

巫女になったとは言え、セックスしたいという欲望を捨て切れないのは人間として当然のことだと思います。


6. 原題


ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens)が描いた『アレスとレア・シルヴィア』は英語ではMars and Rhea Silviaと言います。

この作品はウィーンにあるリヒテンシュタイン美術館(Liechtenstein Museum)で見ることが出来ます。


7. まとめ


ギリシア神話の神々や英雄たちが登場する話を取り上げるのは今回までです。
2011年3月7日から始まったギリシア神話絵画のシリーズも今回を持って完結です。

ギリシア神話とローマ建国史は密接な結び付きがあるのですが、話の舞台がイタリア半島に移りますので、ギリシア神話絵画というカテゴリに入る記事は今回で最後となります。

今日までギリシア神話の連載を読んでくれた皆さん、ありがとうございました。

次回からはローマ建国史というカテゴリに入る話を展開して行きます。





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