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フレデリック・レイトン『ペルセポネの帰還』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年05月14日(土)16時42分 | 編集 |
2011年5月14日(土)


目次
1. ゼウスの決断
2. ヘルメスの先導
3. その後のペルセポネ
4. 原題


今回取り上げる作品はフレデリック・レイトン作『ペルセポネの帰還』です。

2011年5月14日フレデリック・レイトン『ペルセポネの帰還』462

1. ゼウスの決断


デメテルが役割を放棄して以来、地上では不作が続いています。
凶作になり人間たちが困窮しているということは、神々への捧げ物が激減することにもなるのです。

困ったゼウスはデメテルの怒りを解く必要性を感じます。
そこで、ペルセポネをデメテルの元へ連れ戻すことを決意するのです。

ゼウスは冥府の王ハデスのところに神々の伝令役ヘルメスを遣わしました。
ヘルメスはゼウスからの伝言としてペルセポネを解放することをハデスに伝えます。

ペルセポネの母デメテルの悲しみや地上の不作を聞いたハデスはペルセポネを地上へ戻すことを決意します。


2. ヘルメスの先導


ペルセポネを解放する際に、ハデスはザクロの実を12粒差し出しました。

冥界に来てから一切食べ物を口にしていなかったペルセポネは空腹に耐えかねて4粒だけ食べてしまいました。

この事実により、後にペルセポネは冥府の女王になってしまうのです。

フレデリック・レイトン(1830-1896)の作品では母娘の再会の場面が描かれています。

向かって左側の赤い服を着た女神が母のデメテルです。
大きく両腕を開いて愛娘コレを迎え入れる姿勢を示しています。

向かって右側のペルセポネは冥府での慣れない日々に疲れ果て、母の胸に一刻でも早く飛び込みたい様子が窺えます。

ペルセポネに付き添っている男神は迎えに行ったヘルメスです。
ヘルメスが右手に持っているのはケリュケイオンと呼ばれる杖です。

ケリュケイオンはラテン語読みをするとカドゥケウスと言います。
伝令使の杖という意味で、杖の先端には翼があり柄には蛇が2匹巻き付いています。

ヘルメスがかぶっている帽子はペタソスと呼ばれています。


3. その後のペルセポネ


やっと母デメテルの元へ戻ることが出来たペルセポネでしたが、冥府でザクロの実を食べたことにより冥府に戻ることが義務付けられました。

神々の取り決めによって冥府の食べ物を口にした者は二度と地上に戻ることは出来ず、冥府で暮らしていくことが定められていたからです。

但しペルセポネの場合は冥府へと拉致された上で空腹に耐えかねてザクロの実を食べたに過ぎないということが認められ、次のような結論になりました。

ペルセポネはハデスから差し出された12粒の内、4粒を食べました。

これを月に換算して12ヶ月の内4ヶ月は冥府で暮らし、残りの8ヶ月は地上で暮らすということになったわけです。

この決定をしぶしぶ受け入れた母デメテルは、娘が冥界にいる間は地上に実りをもたらすのを止めることにしました。

デメテルは豊饒神ですので収穫高を左右する権限を持っていました。

こうして1年の内約4ヶ月は「冬」という実りのない期間が地上に訪れるようになったのです。

そしてペルセポネが冥府を離れて、母デメテルのいる地上に戻る季節を「春」と呼ぶようになりました。

娘が戻って来たことを喜んだデメテルは地上に実りをもたらすことを再開するのです。


4. 原題


フレデリック・レイトン(Frederic Leighton)が制作した『ペルセポネの帰還』は英語ではThe Return of Persephoneと言います。

この作品はイングランドの都市州ウェスト・ヨークシャー(West Yorkshire)にあるLeeds Art Galleryで見ることが出来ます。





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