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ディエゴ・ベラスケス『ウルカヌスの鍛冶場』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年04月12日(火)14時43分 | 編集 |
記事のタグ: プラド美術館
2011年4月12日(火)


目次
1. 性交を肯定する女神アプロディーテ
2. アポロンの密告
3. 原題


今回は、ディエゴ・ベラスケスが1630年に制作した『ウルカヌスの鍛冶場』をご紹介します。

2011年4月12日ディエゴ・ベラスケス『ウルカヌスの鍛冶場』262

1. 性交を肯定する女神アプロディーテ


ウルカヌスは、ギリシア神話ではヘパイストスに相当します。

ヘパイストスは、妻アプロディーテが普段不機嫌なのは、自分の醜い容姿が原因であると諦めていました。

しかし、まさかアプロディーテが浮気しているとは夢にも思っていません。
ヘパイストスは、アプロディーテが貞淑な妻であると信じていたのです。

まあ、お人好しと言うか性善説を信じている人と言うか、このヘパイストスという男はどこまでも悲しい運命を背負っているのです。

美女は、微笑むだけで男が寄って来ます。
男が美女に近づく目的は、通例一つしかありません。

美女の方も、男と知り合った先に、二人の間に起きるであろう出来事については承知しているわけです。

知り合った男女の間にその類の出来事が全く起きないのであれば、人生は虚しいものになるでしょう。

その虚しさを熟知しているのが、性の女神アプロディーテなのです。
アプロディーテは、処女神であるアテナやアルテミスとは性交に対する考え方が全く異なります。

鈍感なヘパイストスには、そのあたりの女性の機微が理解出来ていません。


2. アポロンの密告


鍛冶の技術だけは一級品のヘパイストスが働いている所へ、ある日アポロンがやって来ます。
そして、ヘパイストスが耳を疑うようなことを言ったのです。

「あなたの妻のアプロディーテは、アレスと浮気しているよ。」

スペインの画家ベラスケス(1599-1660)は、アポロンがヘパイストスに告げ口をしに来た場面を描きました。

向かって左端に描かれたアポロンは、胸を張っていますよね。
アポロン本人は、正しいことをしているという意識があるのでしょうね。

妻の不貞は道義的には許されないことだという意識が、ベラスケスの時代のスペインにも社会通念として存在したのかも知れません。

一方、向かって左から2人目のヘパイストスは目を剥いてアポロンの話に耳を傾けています。

妻の情事を何も知らず、何も感じず、毎日鍛冶場で働くだけの日々を送っていたのがヘパイストスという男です。

夫である自分は結婚以来、妻の体に触れたことすらありません。
妻が許さないからです。

ただ結婚に至る経緯が経緯だけに、ヘパイストスはそれも止む無しと考えていました。

とりあえず、帰宅した家で美人妻が待っていてくれればそれで良いと、そのように妻との関係を捉えていたわけです。

ところが、アポロンから聞いた話では、昼間自分が部下と共に汗水たらして働いている間に、あろうことか妻は男を連れ込んで最も快感を得られる行為をしている・・・。

しかも、美貌の妻がその熟れた肉体を許しているのは、どこにでもいるような普通の男ではありません。

美しき軍神アレスなのです。

美男美女の性交・・・。

美貌の男性の腕に抱かれながら、美人妻がどれほどしどけない姿態を晒しているか、アポロンは包み隠さず報告しました。

「アプロディーテは、心から満足しているようだった・・・。」

妻を寝取られた男にとって、これ以上の屈辱的な言葉はありません。
自分には見向きもしない妻が、他の男には心を開き、股も開く・・・。

しかも、間男(まおとこ)との間に合意があるどころか、むしろ積極的なのは妻の方である・・・。

この後、ヘパイストスはアポロンから聞かされたことが真実であるかどうかを、自分で確認することにします。

ヘパイストスは、意を決して2人の浮気現場に踏み込んだのです。

そして、自分の手には負えない美人妻がアレスに対しては媚態や恍惚の表情を示している有り様を、目の当たりにすることになりました。

妻が他の男と性交している瞬間を見たヘパイストスは、女という存在に対して絶望感を抱きます。
そして、自分を蔑(ないがし)ろにした二人に対する復讐を誓うのです。


3. 原題


『ウルカヌスの鍛冶場』は、スペイン語ではLa fragua de Vulcanoと言います。

la fraguaは、鍛冶屋の作業場、という意味です。
Vulcanoは、ウルカヌス(ヘパイストス)ですね。

この作品は、プラド美術館(Museo Nacional del Prado)の所蔵となっています。





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