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アンソニー・フレデリック・オーガスタス・サンディーズ『メディア』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年09月20日(火)00時22分 | 編集 |
2011年9月20日(火)


目次
1. イオルコスに帰還したイアソンとメディア
2. ペリアスの死
3. 追放されるイアソンとメディア
4. 原題


今回取り上げる作品は、アンソニー・フレデリック・オーガスタス・サンディーズ作『メディア』です。

2011年9月20日アンソニー・フレデリック・オーガスタス・サンディーズ『メディア』454

1. イオルコスに帰還したイアソンとメディア


アルゴー船に乗って冒険に出たイアソンは、コルキス王女メディアの魔術の力を借りて、首尾よく黄金の羊の毛皮を手に入れ、無事にイオルコスへと戻ることが出来ました。

道中、イアソンとの結婚式を挙げて妻となったメディアも、イアソンと共にイオルコス宮廷に入ります。

イアソンは、持ち帰った黄金の羊毛を叔父王ペリアスに引き渡し、当初の約束通り、王位の譲渡を求めますが、ペリアスは約束を守らず、イアソンには王位を譲りませんでした。

騙(だま)されたイアソンは、苦々しい思いを抱えながら、しばらくイオルコスで暮らして行きます。


2. ペリアスの死


失意のイアソンを傍で見ていたメディアは、ペリアスが死ねば、王位はイアソンのものになると考え、魔力によってペリアスが死ぬように仕向けます。

実際に、メディアが手を下してペリアスを殺害したわけではありません。
ペリアスを殺したのは、ペリアスの娘たちです。

メディアは、ペリアスの娘たちの前で、若返りの魔術と称して、老いた羊をその手でいったん殺し、湯の中に入れ、呪文を唱えて蘇生させ、若返らせるという術を示しました。

この魔術を目の当たりにしたペリアスの娘たちは、そのやり方をメディアから習った上で、体力の衰えた父ペリアスを若返らせようと実行しました。

しかし、メディアが彼女たちに教えたのは、不完全な呪文でした。

そうとは知らない娘たちは、教わった通り、父ペリアスの体を切り刻んで、煮えたぎる湯の中へ入れてしまったのでした。

不完全な呪文をどれだけ唱えても、ペリアスの体が蘇生するはずがありません。
こうして、ペリアスは娘たちの手によって殺害されたのでした。


3. 追放されるイアソンとメディア


イングランドの画家アンソニー・フレデリック・オーガスタス・サンディーズ(1829-1904)が描いているのは、怪しげな材料を調合して、薬品を作っているメディアの姿です。

中央の器からは、炎がメラメラと燃え上がっています。
向かって左下に描かれている動物は、カエルですね。

これから、このカエルを炎の中に入れて、薬の材料にしようというのでしょうか。

ペリアスの娘たちは、毎日のように、メディアのこうした薬品調合から発せられる不気味な香りや、不穏な空気を感じながら暮らしていましたので、メディアには人とは異なる不思議な魔力があると思っていました。

だからこそ、ペリアスの娘たちは、メディアに教えてもらった魔術を、盲目的に信じ込んでしまい、図らずも、父親を殺害するに至ったわけです。

ところが、この殺人事件を知った周囲の者たちは、王殺害の実行犯である娘たちよりも、その背後にいるメディアに疑いの目を向けて行きます。

メディアの魔術が契機となってペリアスが死んだことで、この異国の魔術使いの存在は、イオルコスの人々に少なからず恐怖心を与えました。

元々、メディアは胡散臭い存在として見られていましたが、この事件後は、誰も傍に寄って来ない恐れられる存在になってしまったのです。

イアソンが王になった場合、メディアは王妃として政治を補佐して行く立場になるわけですが、宮廷内で忌み嫌われている女が王妃として人々を束ねて行けるはずもありません。

そして、そんなメディアを妻に選んだイアソンにも、周囲は懐疑的な眼差しを向けるようになり、ついにイアソンとメディアは、イオルコスに留まることが出来なくなってしまいました。


4. 原題


アンソニー・フレデリック・オーガスタス・サンディーズ(Anthony Frederick Augustus Sandys)が描いた『メディア』は、英語ではMedeaと言います。

この作品の所在は、不明です。





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