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エンリケ・シモネ『パリスの審判』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年12月15日(木)16時28分 | 編集 |
2011年12月15日(木)


目次
1. アテナの買収工作
2. ヘラの買収工作
3. アプロディーテの買収工作
4. 原題


今回取り上げる作品は、エンリケ・シモネ・ロンバルド作『パリスの審判』です。

2011年12月15日エンリケ・シモネ『パリスの審判』232


1. アテナの買収工作


3人の女神たちは、黄金の林檎を手にするためにパリスに対して買収工作を図ります。
向かって左端にいるのは軍神アテナです。

アテナはパリスに対して黄金の林檎を渡してもらう見返りとして、戦いにおける勝利を与えることを約束しました。

武勇の誉れ高い男になれるという餌で、パリスを釣ろうとしたわけですね。

アテナはアルテミスと同じく処女神でもあります。
局部を布で隠そうとしているのは、柔肌の露出は出来る限り避けたいという気持ちの表れでしょうね。


2. ヘラの買収工作


アテナの隣で服を着ているのがヘラです。

ヘラはパリスに対して黄金の林檎を渡してもらう見返りとして、広大な領地と絶大な権力を与えることを約束しました。

権力という餌でパリスを釣ろうとしたわけですね。

彼女の足元にいるのは孔雀です。
孔雀はヘラの聖鳥とされています。

孔雀の羽に目の模様が出来た理由は、2011年6月12日(日)の記事『ピーテル・パウル・ルーベンス『ユノとアルゴス』 loro2012.blog』で述べました。


3. アプロディーテの買収工作


アプロディーテはパリスに対して黄金の林檎を渡してもらう見返りとして、人間界における最高の美女の愛を与えることを約束しました。

性の悦楽という餌で、パリスを釣ろうとしたわけですね。

アプロディーテの言う最高の美女とは、スパルタ王女ヘレネのことです。
ヘレネはゼウスとレダとの間に生まれた娘で、卵から生まれた4人の内の一人です。

エンリケ・シモネ(1866-1927)が描くアプロディーテは、処女神アテナとは対照的に全身をパリスの前にさらけ出しています。

豊麗な肉体美で若者の心を鷲掴みにして、美女コンクールを制しようという考えです。

ヘラは衣服を身につけていますし、アテナは脱ぐことに抵抗を見せています。
この時点で、アプロディーテの勝利は決定づけられたと言って良いでしょう。

アプロディーテは男性が何を望んでいるのかを熟知しています。
だからこそ、彼女は愛と性の女神として君臨しているのです。

アプロディーテの隣に座っているのは息子のエロスです。


4. 原題


エンリケ・シモネ・ロンバルド(Enrique Simonet Lombardo)が制作した『パリスの審判』は、スペイン語ではEl juicio de Parisと言います。

el juicioが審判という意味です。

この作品はスペイン南部の地中海に面した都市マラガの美術館(Museo de Bellas Artes)で見ることが出来ます。





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