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イーヴリン・ド・モーガン『カッサンドラ』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年02月18日(土)23時05分 | 編集 |
2012年2月18日(土)


目次
1. トロイ王女カッサンドラ
2. アポロンの恋人
3. トロイ陥落
4. 原題


今回取り上げる作品は、イーヴリン・ド・モーガン作『カッサンドラ』です。

2012年2月18日イーヴリン・ド・モーガン『カッサンドラ』not

1. トロイ王女カッサンドラ


カッサンドラは、トロイ王プリアモスの娘です。
系譜を示します。

ラオメドン→プリアモス→カッサンドラ


王女カッサンドラも、ラオコーンと同じように木馬がトロイの滅亡を招くことを預言した一人です。

カッサンドラの預言は全て正しいのですが、誰にも信じてもらえないという呪いをかけられていました。

呪いをかけたのは、アポロンです。


2. アポロンの恋人


美貌の王女カッサンドラは、アポロンに求愛され恋人となります。
カッサンドラはその見返りとして、予言の能力をアポロンから授けられました。

カッサンドラは、授かった予知能力を早速使ってみることにします。
すると、アポロンが自分に対する関心をやがて失い、去って行く場面が見えてしまったのです。

カッサンドラは、予知能力を得たばっかりに、アポロンとの愛が消滅することが、前もって分かってしまったのです。

もうこれ以上、カッサンドラはアポロンを愛することは出来なくなりました。

その後、カッサンドラはアポロンが求める愛を、全て拒絶するようになります。
カッサンドラは、二度とアポロンに抱かれることはありませんでした。

こうなると、神は人間を許しません。
アポロンは、神である自分を侮辱するような態度を取り続けるカッサンドラに、罰を与えます。

その罰は、カッサンドラの言う正しい予言に対して、耳を傾ける者が一人もいないようにする、というものでした。


3. トロイ陥落


カッサンドラは、トロイ人が木馬を市内へ引き入れると、トロイは滅亡すると予言しました。
しかし、誰一人としてその予言を信じる者はいません。

木馬はトロイの城壁を壊してまで、市内へと引き入れられてしまいました。

イギリスの画家イーヴリン・ド・モーガン(1855-1919)が描いているのは、トロイの王女カッサンドラです。

正しいことを言っているのに、周囲に黙殺され続けた女性預言者の、苦悩の表情が描かれています。

ある意味では、カッサンドラは、ギリシア神話において最大の悲劇を背負った女性かも知れません。
予知能力など、なまじ持たない方が良いという意識が、古代ギリシア人にもあったのでしょうね。

先のことは知りたいし、かと言って、結末が分かってしまうと興醒めになるし、というジレンマは、人類が抱える普遍的な苦悩のようです。

後景には、トロイの街が燃える様子が描かれています。
向かって左には、木馬が見えますね。


4. 原題


イーヴリン・ド・モーガン(Evelyn De Morgan)が描いた『カッサンドラ』は、英語ではCassandraと言います。

この作品は、ロンドンにあるDe Morgan Centreで見ることが出来ます。





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