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レアンドロ・バッサーノ『裁縫した作品を解くペネロペ』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年03月19日(月)23時47分 | 編集 |
2012年3月19日(月)


目次
1. ペネロペに殺到する求婚者
2. ペネロペの提案
3. 原題


今回取り上げる作品は、レアンドロ・バッサーノ作『ペネロペ』です。

2012年3月19日レアンドロ・バッサーノ『裁縫した作品を解くペネロペ』373

1. ペネロペに殺到する求婚者


オデュッセウスがトロイ戦争に参加すると言って、故郷イタキ島から出航したのはもう20年も前の話です。

その後、トロイ戦争は終結したのにオデュッセウスはイタキ島へ戻って来ません。

イタキ島の人々は、王オデュッセウスがもうどこかで死んだのではないかと思い始めています。
夫オデュッセウスの帰還を待ち続けるペネロペの元には、多くの求婚者が毎日のようにやって来ます。

もしペネロペがオデュッセウスのことを死んだものと諦めて再婚する決意を固めれば、求婚者の内の一人が美貌のペネロペを妻にし、そのままイタキ島の王の座を手に入れることになるわけです。

仮にオデュッセウスがどこかで生きていたとしても、この20年の間に異国の街で妻を娶り家族を作って別の人生を歩んでいる可能性もあります。

実際にオデュッセウスは、異国の街で妻を娶り家族を作って暮らしていましたよね。


2. ペネロペの提案


イタキ王妃ペネロペは、頑(かたく)ななまでに王オデュッセウスの留守を守り続けています。

しかし、周囲は音信不通の夫をいつまでも待ち続けている内に、ペネロペの容色が衰えることを心配します。

そして、美しい姿である間に権力を有する男と再婚したらどうかという声が日増しに高まっていきます。

毎日のようにペネロペの元を訪れ、頭を下げて求婚している男たちにも一応の立場というものがあります。

ペネロペとしても、彼らに対する返事を何年も保留にしておくことは出来ません。

そこでペネロペは一つの提案をしました。

その提案とは、義父ラエルテスの葬儀の時のための死装束を織り終えた時点でオデュッセウスの帰還を諦め、求婚者の内の誰かと再婚するというものでした。

ラエルテスはオデュッセウスの父です。
系譜を示します。

ケパロス→アルケイシオス→ラエルテス→オデュッセウス


当時の慣習として義父が亡くなった時に備えて、嫁が死装束を手織りして準備しておくことになっていました。

この時点では義父ラエルテスは生きていますので、ペネロペはこの慣習を巧みに利用して時間稼ぎをしようと思いついたわけです。

ペネロペには再婚するつもりなど毛頭ありません。
ペネロペは夫オデュッセウスが必ず戻って来ると信じています。

そこで昼間のうちに機織りをし、夜の内にそれを解くということを繰り返していました。

イタリアの画家レアンドロ・バッサーノ(1557-1622)は昼間織った糸を、夜、蝋燭の火の下で一人解いているペネロペを描きました。


3. 原題


レアンドロ・バッサーノ(Leandro Bassano)が描いた『裁縫した作品を解くペネロペ』は、フランス語ではPénélope défaisant son ouvrageと言います。

défaire ZはZを解くという意味です。
un ouvrageはここでは、裁縫した作品という意味で使われています。

この作品はフランス北西部の町レンヌ(Rennes)にある美術館(Musée des beaux-arts de Rennes)で見ることが出来ます。





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