fc2ブログ
映画とドラマと語学
| ホーム loro2012 |
| 投稿 |
シャルル・ジョセフ・ナトワール『楽園追放』
記事URL  カテゴリ | 旧約聖書絵画 | 2012年05月13日(日)16時13分 | 編集 |
2012年5月13日(日)


目次
1. 果実の代償
2. 原題


今回取り上げるのは、シャルル・ジョセフ・ナトワール作『楽園追放』です。

2012年5月13日シャルル・ジョセフ・ナトワール『楽園追放』455

1. 果実の代償


蛇に唆(そそのか)されて木ノ実を食べてしまったイヴとアダムは神の裁きを受けることになります。

禁断の果実を食べたことではなく、神の命令に背いたという不服従の罪を犯したと認定されたのです。

アダムとイヴは楽園から追放されました。

そして、それまで食べることに困らなかった2人は労働をしなければ食糧を確保出来ないという罰を受けることになったのです。

シャルル・ジョセフ・ナトワール(1700-1777)が描いているのは、神からその旨を宣告されてアダムとイヴが困惑している場面です。

アダムは立ち上がって合掌し神に頼みごとをしています。
何とか一度は大目に見て欲しいと言っているのかも知れません。

一方イヴは自分の足で立っていられないほど泣き崩れて、精神的に打ちのめされています。
艶めかしい肉体は健在ですけどね。

旧約聖書に登場する神は不服従ということを最も嫌います。

その神が最も嫌がることを人類の祖はしてしまったのです。
もう後戻りは出来ません。

イヴの豊麗な肉体がこれから泥に塗(まみ)れていくのかと思うと忍びないですが、こうして時代は確実に一歩前進していくのです。


2. 原題


シャルル・ジョセフ・ナトワール(Charles-Joseph Natoire)が制作した『楽園追放』は英語ではThe Expulsion from Paradiseと言います。

expulsionは追放とか除名という意味です。

この作品はニューヨークのメトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)で見ることが出来ます。





関連記事