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Adriaen van der Werff『娘たちと一緒にいるロト』
記事URL  カテゴリ | 旧約聖書絵画 | 2012年06月13日(水)20時07分 | 編集 |
記事のタグ: エルミタージュ美術館
2012年6月13日(水)


目次
1. ダビデの先祖
2. 葡萄酒の謎
3. 原題


今回取り上げる作品はAdriaen van der Werff作『娘たちと一緒にいるロト』です。

2012年6月13日Adriaen van der Werff『娘たちと一緒にいるロト』447

1. ダビデの先祖


さて、前回からの続きで旧約聖書『創世記』がなぜこの近親相姦の話を削除せずに載せているのかという理由を説明します。

ロトの長女が生んだ息子はモアブ人の祖となりました。
モアブとはヘブライ語で「父によって」という意味だそうです。

このモアブ人の末裔にルツという女性がいます。
ルツは旧約聖書『ルツ記』の主人公です。

モアブ人女性ルツはユダヤ人ボアズと結婚し息子オベデを生みます。
このオベデの孫がダビデなのです。

つまり、古代イスラエルの栄光を築き上げた王ダビデはモアブ人の血を引いているわけです。
さらにダビデの子孫がイエスなのです。

系譜を示すとこうなります。

テラ→ハラン→ロト→モアブ人の祖→(中略)→ルツ→オベデ→エッサイ→ダビデ→(中略)→聖母マリア→イエス

モアブ人女性ルツは、ユダヤ教徒にとってはダビデの先祖となり、キリスト教徒にとってはイエスの先祖となります。

ルツの大元はロトと彼の長女です。
この血縁関係の事実が近親相姦の話を聖書から削除出来ない理由なのです。


2. 葡萄酒の謎


オランダの画家Adriaen van der Werff(1659-1722)が描いているのは、娘二人に葡萄酒をかなり飲まされて酩酊しているロトの姿です。

向かって右にいるロトの娘は、左腕を伸ばして父親の股間の上で葡萄の房を掴んでいます。
画面向かって右端には、たわわに実った葡萄が描かれています。

『創世記』の中にノアが葡萄酒を飲み過ぎて酩酊し全裸で眠り込むという出来事がありました。
旧約聖書は葡萄酒を飲み過ぎたことが原因で引き起こされた出来事をここでも取り上げているわけです。

葡萄酒は聖書においては重要な役割を担う飲み物ですね。
葡萄酒はノアとロトの出来事を経て、イエスの「最後の晩餐」まで繋がっていく飲み物なのです。


3. 原題


Adriaen van der Werff(Адриан ван дер Верф)が描いた『娘たちと一緒にいるロト』はロシア語ではЛот с дочерьмиと言います。

ロシア語で娘はдочьと言います。
дочьは単数主格です。

дочерьмиはдочьの複数形造格です。

この作品はエルミタージュ美術館(Государственный Эрмитаж)で見ることが出来ます。





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