映画とドラマと語学
| ホーム loro2012 |
| 投稿 |
ディエゴ・ベラスケス『ヨセフのチュニカ』
記事URL  カテゴリ | 旧約聖書絵画 | 2012年07月03日(火)20時45分 | 編集 |
2012年7月3日(火)


目次
1. 血のついたチュニカ
2. 原題


今回取り上げる作品は、 ディエゴ・ベラスケス作『ヨセフのチュニカ』です。

2012年7月3日ディエゴ・ベラスケス『ヨセフのチュニカ』258

1. 血のついたチュニカ


ヨセフの異母兄たちは、ヨセフを傷めつけた上で、井戸へ突き落とし、放置してその場を離れました。

その後、実際には、ヨセフは井戸から救出され、異民族の隊商に奴隷として売り飛ばされるのですが、兄たちはヨセフが井戸の中で死んだものと理解していました。

帰宅した兄たちは、ヨセフを虐(いじ)め、井戸へ突き落としたことに関して、父ヤコブに真実を話すはずもありません。

彼らは、自分たちの立場を守るために、ヨセフが野獣に襲われて命を落とした、という虚偽の報告をしたのです。

その報告を裏付ける証拠として、彼らはヨセフから剥ぎ取った衣服に、ヤギの血を塗りつけ、ヤコブに提示しました。

血がつき、ボロボロになった衣服を見た父ヤコブは、ヨセフが野獣に食い殺されたという作り話を信じてしまいました。

作品の題名になっているチュニカとは、ヨセフが身につけていたガウン風の衣服を指します。
ヨセフに限らず、この地域に暮らす多くの人々が、この時代はチュニカを着ていました。

ディエゴ・ベラスケス(1599-1660)の作品では、前景右下に犬が描かれています。
この犬は、ヨセフの衣服に向かって吠えています。

嗅覚の優れた犬には、衣服に付いた血がヤギのものであることがわかるのでしょう。
しかし、残念ながら、この犬の行為はヤコブには伝わりませんでした。

画面向かって右で両手を広げて、驚愕した表情を見せているのがヤコブです。
残りの5人は、ヨセフを陥れた異母兄たちですね。


2. 原題


ディエゴ・ベラスケス(Diego Velázquez)が制作した『ヨセフのチュニカ』は、スペイン語ではLa túnica de Joséと言います。

la túnicaが、チュニカと呼ばれている衣服です。
ヨセフは、スペイン語ではJoséと綴ります。

この作品は、マドリッド郊外にある王立エル・エスコリアル聖ロレンソ修道院(El Real Sitio de San Lorenzo de El Escorial)に収蔵されています。





関連記事