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ダスティン・ホフマン主演映画『卒業』を見た感想
記事URL  カテゴリ | 外国映画 | 2013年06月06日(木)19時09分 | 編集 |
2013年6月6日(木)


目次
1. 大学は出たけれど
2. 熟女の童貞狩り
3. 『赤と黒』のようなエロ映画
4. 無力な若者たち


1. 大学は出たけれど


レンタルDVDで、ダスティン・ホフマン主演の映画『卒業(原題:The Graduate)』を見ました。

邦題は『卒業』ですが原題のgraduateは卒業生という意味であり、卒業という語義はありません。
卒業に相当する英語はgraduationです。

ダスティン・ホフマンが演じるベンジャミンは、大学を卒業したばかりの青年です。

日本の教育制度だと大学を卒業したばかりの者の年齢は22歳であることが多いですが、ベンジャミンは卒業時20歳でまもなく21歳になろうとしています。

大学を卒業した後大学院に進学してさらに学問を追求するのか、あるいは就職して経済的な安定を求めるのか、ベンジャミンは決心がつかずひとまず夏休みを自由な身分で過ごすことにします。

ベンジャミンは親戚一同が集まった盛大な卒業記念パーティーにおいて、久しぶりに再会した親戚みんなに「この後、どうするつもりなのか?」という問い掛けをされて、いい加減うんざりしてしまいます。

この作品の公開は1967年ですが、大学を卒業はしたけれど確固たる人生の目標など見つからず、卒業後何となく流されて生きているベンジャミンのような人間が当時たくさんいたということでしょうね。


2. 熟女の童貞狩り


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ベンジャミンはパーティー会場でロビンソン夫人に声を掛けられ、彼女を自宅まで車で送るよう求められました。

アン・バンクロフトが演じるロビンソン夫人はベンジャミンが幼い頃から知っている女性で、娘のエレインとは幼馴染の関係です。

ロビンソン夫人は20歳の若者に成長したベンジャミンを夫が不在の自宅で誘惑し、セックスに持ち込もうと画策しますが、ベンジャミンの理性が勝りこの時は2人の間には何も起きませんでした。

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その後、ロビンソン夫人の熟女の色香に屈したベンジャミンは、ついに越えてはいけない一線を越えてしまいます。

ベンジャミンにとってロビンソン夫人は初めての女性でした。

綺麗なお姉さまからセックスの手ほどきを受けたベンジャミンは、ロビンソン夫人の熟れた肉体や性技にのめり込み、両親には内緒で毎晩のようにロビンソン夫人とホテルで会いセックスする不倫関係を続けて行きます。

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3. 『赤と黒』のようなエロ映画


この映画は最終盤においてベンジャミンが花嫁のエレインを結婚式場から連れ出して、2人で市バスに乗り込む場面が有名で、名作中の名作であると評価する人が多いのですが、私は率直に言って駄作だと感じました。

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作品の大半はベンジャミンとロビンソン夫人との情事に関わることであり、ベンジャミンにとっての恋の本命であるエレインは完全なる脇役に過ぎません。

若い2人の劇的な駆け落ちに至るまでの恋愛模様を扱った純愛路線の映画なのかと想像していましたが、実際には全く異なり、1人の青年が綺麗なお姉さまに童貞を奪われセックスの妙味を教え込まれ、お姉さまの熟れた肉体の虜になって行くというエロ路線の映画でした。

方向性としては、2012年4月21日(土)の記事『ジェラール・フィリップ主演映画『赤と黒』を見た感想 loro2012.blog』で述べた『赤と黒(原題:Le Rouge et le Noir)』に近いですね。

それならそれで、ロビンソン夫人役のアン・バンクロフトが全裸になって濃厚なセックス場面を見せれば良いと思うのですが、1960年代後半という世相を反映してかほとんど肌の露出はありませんので、1990年代後半以降にアン・ハサウェイやアシュレイ・ジャッドなどが見せている激しいセックス場面を見慣れている者にとっては、物足りない中途半端な性描写に終始しているという印象が残りました。

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4. 無力な若者たち


「卒業生(The Graduate)」という言葉を題名に据えているわけですから、大学と童貞以外に何か体験し卒業するべき対象があっても良かったのですが、結果的にはこれといった対象は描かれませんでした。

ベンジャミンとエレインとのデートにおいて、ショーガールが豊満な乳房をブルンブルンと揺り動かす場面が描かれているのですが、セクシーさからはかけ離れていて特に何かの伏線が敷かれているというわけでもありません。

あのブルンブルンの場面は不要だと思うんですけどね。

ベンジャミンがエレインにロビンソン夫人との不倫関係を告げた後、ベンジャミンとエレインとの人間関係はいったん破綻し、その後も決して良好とは言えませんでした。

その点でも教会からベンジャミンが花嫁を強奪する場面は、唐突に挿入されているという印象を受けましたし、市バスに乗った後の2人は最終的に不安げな表情を浮かべており、幸福感に欠ける様子がいつまでも映し出されて、結局この2人のやっていることは無計画で無謀で自己中心的であり、志向しているものが全く見えないという不完全燃焼のまま映画は終わってしまうのでした。


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