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ヘレン・ミレン主演映画『クィーン』を見た感想
記事URL  カテゴリ | 外国映画 | 2013年06月07日(金)23時29分 | 編集 |
2013年6月7日(金)


6月1日(土)にWOWOWシネマで、ヘレン・ミレン主演の映画『クィーン(原題:The Queen)』をやっていました。

クィーンとはエリザベス2世を指します。

この映画では、トニー・ブレアが首相に就任した1997年5月を物語の起点としています。

その3ヶ月後の8月31日にダイアナがパリで不慮の死を遂げ、その報告を受けたエリザベス女王とブレア首相が王室を既に離脱している「前皇太子妃」の事故死に対して、どのように対応するべきかで苦慮する様子が克明に描かれています。

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なお、ダイアナは死の前年1996年8月にチャールズ皇太子と正式に離婚しています。

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この作品はイギリス映画にありがちな理屈っぽさとテンポの悪さを兼ね備え、さらには音響効果を多用せず登場人物の会話に重きを置くという盛り上がりに欠ける映画に仕上がっています。

そういった負の要素だけを考えると賑やかなミュージカル映画が好きな私にとっては、途中で飽きてしまい見るのを止めてしまってもおかしくない作品のはずなのですが、結果的に退屈せずに最後まで見通すことが出来たのはエリザベス2世を演じるヘレン・ミレンの重厚な演技力のおかげです。

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ヘレンはこの演技により、第79回アカデミー賞(2007年2月)の主演女優賞を獲得しています。

この時主演女優賞にノミネートされていたのは、『プラダを着た悪魔』のメリル・ストリープや『ボルベール 〈帰郷〉』のペネロペ・クルスなどでした。

このブログでは『プラダを着た悪魔』と『ボルベール 〈帰郷〉』については、既に原稿を書いています。

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『クィーン』の中でエリザベス2世及び夫のエディンバラ公フィリップは、ダイアナが既に王室のメンバーではないことを根拠に彼女の死に対して特別な反応をしない方針を打ち出します。

具体的には家族全員で夏季休暇を過ごしていたスコットランドにあるバルモラル城に留まり、ロンドンのバッキンガム宮殿にすぐには戻らないこと、あるいはバッキンガム宮殿には半旗を掲げないこと、及び女王としてダイアナの死を悼む声明を発表しないことなどです。

ところが、こうした女王の対応はイギリス市民にはあまりに冷淡な対応だと受け止められ、市民が王室批判を行う様子もテレビカメラに収められ世界中に放送されました。

女王がダイアナの死に対して無反応を貫くことで王室の人気が低下する危険性を察知したブレア首相は、何度もエリザベス2世と電話で話し合いロンドンに戻ってダイアナの死を悼んでいる姿勢を国民に示して欲しいと国民感情に対する理解を求めます。

その後エリザベス2世は態度を軟化させ、ダイアナの死を弔(とむら)うべくロンドンへと戻ります。

エリザベス2世はブレアの説得を受け入れ、国民のために自らの信念を曲げたわけですね。
決して亡くなったダイアナのために弔意を表したわけではないのです。

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ダイアナは確かに美人なのですが、それ故に男性との交遊には自由奔放な側面があると皇太子妃だった時代から噂されていました。

真偽の程は不明ですし今となってはダイアナには弁明の機会がないので、彼女の盛んだったとされる異性交遊について憶測だけで決めつけた言い方をするのは慎むべきです。

ただこの映画では皇太子と離婚した後、対人地雷の廃止を求めるなどの社会活動をする一方で奔放なセックス生活を謳歌しているとゴシップ誌に書き立てられていたダイアナは、女王夫妻にとって厄介な存在でしかなく、さらには死んでもなお悩みの種を王室内に撒き散らす悪女としてエリザベス2世の目には映っていたのではないかという描き方がなされているように感じました。


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