2013年7月8日(月)
目次
1. トビト記
2. 妻を疑うトビト
3. 原題
今回から『旧約聖書外典』に述べられている話を取り上げます。
いよいよ、この旧約聖書絵画シリーズも最終章に入りました。
今回取り上げる作品は、レンブラント・ファン・レイン作『子ヤギを盗んだとアンナを責めるトビト』です。

1. トビト記
レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)が描いているのは、旧約聖書外典の『トビト記』で語られる場面です。
向かって左の老人は、ニネベに暮らすユダヤ人のトビトです。
ニネベとは、古代メソポタミア北部にあったアッシリアの都市です。
トビトは異国のアッシリア王の厚遇を受けて、王の執事として務めを果たしていました。
その後、エサルハドン(在位:紀元前681年-紀元前669年)がアッシリア王に即位したことを機に、トビトは執事を辞し、王宮を離れました。
そして妻アンナと息子のトビアスと一緒に、自宅でその後の生活を送ることになります。
ある日、トビトは自宅の中庭で休んでいる時に、雀の糞が目に入りそれが元で失明してしまいます。
レンブラントの作品では、目が見えない老人の姿が描写されています。
トビトが働けなくなったので、妻のアンナが仕立て物をして生計を立てることになりました。
2. 妻を疑うトビト
ある日、アンナが注文主に仕立て物を渡しに行った後、子ヤギを報酬としてもらい受け帰宅しました。
レンブラントの作品では、向かって右で子ヤギを抱いているのが妻のアンナです。
ところが、トビトは帰宅した妻を詰(なじ)りました。
「子ヤギを盗んで来たのだろう!
目が見えなくてもそれぐらい分かるんだ!」
失明し思い通りの生活を送ることが出来ないトビトは、日々苛々(いらいら)して妻のアンナに当り散らす夫だったのかも知れませんね。
アンナは、妻に向かって盗人呼ばわりするのかという唖然とした表情を示しています。
絶望的な病は、人間の精神を破壊していくのだと思います。
続きます。
3. 原題
レンブラント・ファン・レイン(Rembrandt van Rijn )が制作した『子ヤギを盗んだとアンナを責めるトビト』は、英語ではTobit Accusing Anna of Stealing the Kidと言います。
kidは、子供と訳されることが多いですが、子ヤギという意味もあります。
この作品は、オランダのアムステルダム国立美術館(Rijksmuseum Amsterdam)で見ることが出来ます。
目次
1. トビト記
2. 妻を疑うトビト
3. 原題
今回から『旧約聖書外典』に述べられている話を取り上げます。
いよいよ、この旧約聖書絵画シリーズも最終章に入りました。
今回取り上げる作品は、レンブラント・ファン・レイン作『子ヤギを盗んだとアンナを責めるトビト』です。

1. トビト記
レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)が描いているのは、旧約聖書外典の『トビト記』で語られる場面です。
向かって左の老人は、ニネベに暮らすユダヤ人のトビトです。
ニネベとは、古代メソポタミア北部にあったアッシリアの都市です。
トビトは異国のアッシリア王の厚遇を受けて、王の執事として務めを果たしていました。
その後、エサルハドン(在位:紀元前681年-紀元前669年)がアッシリア王に即位したことを機に、トビトは執事を辞し、王宮を離れました。
そして妻アンナと息子のトビアスと一緒に、自宅でその後の生活を送ることになります。
ある日、トビトは自宅の中庭で休んでいる時に、雀の糞が目に入りそれが元で失明してしまいます。
レンブラントの作品では、目が見えない老人の姿が描写されています。
トビトが働けなくなったので、妻のアンナが仕立て物をして生計を立てることになりました。
2. 妻を疑うトビト
ある日、アンナが注文主に仕立て物を渡しに行った後、子ヤギを報酬としてもらい受け帰宅しました。
レンブラントの作品では、向かって右で子ヤギを抱いているのが妻のアンナです。
ところが、トビトは帰宅した妻を詰(なじ)りました。
「子ヤギを盗んで来たのだろう!
目が見えなくてもそれぐらい分かるんだ!」
失明し思い通りの生活を送ることが出来ないトビトは、日々苛々(いらいら)して妻のアンナに当り散らす夫だったのかも知れませんね。
アンナは、妻に向かって盗人呼ばわりするのかという唖然とした表情を示しています。
絶望的な病は、人間の精神を破壊していくのだと思います。
続きます。
3. 原題
レンブラント・ファン・レイン(Rembrandt van Rijn )が制作した『子ヤギを盗んだとアンナを責めるトビト』は、英語ではTobit Accusing Anna of Stealing the Kidと言います。
kidは、子供と訳されることが多いですが、子ヤギという意味もあります。
この作品は、オランダのアムステルダム国立美術館(Rijksmuseum Amsterdam)で見ることが出来ます。
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