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ジョルジョーネ『ユーディット』
記事URL  カテゴリ | 旧約聖書絵画 | 2013年08月12日(月)14時37分 | 編集 |
記事のタグ: エルミタージュ美術館
2013年8月12日(月)


目次
1. ホロフェルネスの首を踏みつけるユーディット
2. 原題


今回取り上げるのは、ジョルジョーネ作『ユーディット』です。

ジョルジョーネ『ユーディット』733


1. ホロフェルネスの首を踏みつけるユーディット


ジョルジョーネが描いた『ユーディット』は2013年8月2日(金)の記事『アルテミジア・ジェンティレスキ『ホロフェルネスの首を斬るユーディット』 loro2012.blog』で取り上げた絵とは場面設定が大きく異なりますね。

アルテミジア・ジェンティレスキ(Artemisia Gentileschi)は、敵将であるホロフェルネスの首をユーディットがまさに斬り落としている最中の苛烈な場面を、個人的な強姦体験を踏まえて憎悪を込めて描き切りました。

剛腕を誇る「男の将軍」が豊満な乳房を揺らす「女性」にねじ伏せられてしまうという痛快な瞬間を、臨場感溢れる構図で表現したわけです。

女性画家アルテミジア(1593-1653)が描くユーディットは、膨(ふく)よかな胸の谷間を強調した女性でした。

一方、男性画家ジョルジョーネ(1478-1510)はユーディットがホロフェルネスの首を斬り落とした後、その首を地面に転がして足で踏みつける場面を描いています。

アルテミジアのユーディットとは随分容姿が異なりますよね。
ジョルジョーネの作品において、ユーディットの女性らしさが最も強調されているのは太腿です。

左脚だけを露にして艶めかしい膝頭が描かれています。

右手には十字の柄を備えた剣をつまむようにして持ち、こういった殺人行為が本来のユーディットには不向きであることを表しています。

鮮血が迸(ほとばし)る場面を描かない代わりにユーディットには赤い衣装を身につけさせて、血の連想を促す仕掛けになっているわけです。

ユーディットの背後に広がる長閑(のどか)な風景は、機知と勇気によってユダヤの街を守り通した女性の心情を表しているのでしょう。

正義の剣を振り下ろした後、穏やかな表情を見せるユーディットはまた元の平穏な未亡人としての生活に戻って行くのでしょうね。


2. 原題


ジョルジョーネ(Giorgione)が描いた『ユーディット』は、ロシア語ではЮдифьと言います。
イタリア語だと、Giuditta (con la testa di Oloferne)ですね。

この作品はサンクト・ペテルブルクにあるエルミタージュ美術館(Государственный Эрмитаж)が所蔵しています。

Государственныйは形容詞で国家の~という意味です。
Эрмитажはエルミタージュですね。




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