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ジョルジュ・ド・ラ・トゥール『聖ヨセフの夢』
記事URL  カテゴリ | 新約聖書絵画 | 2013年08月31日(土)15時09分 | 編集 |
2013年8月31日(土)


目次
1. ダビデの子孫
2. 夢に現れる天使
3. 原題


今回取り上げる作品は、ジョルジュ・ド・ラ・トゥール作『聖ヨセフの夢』です。

ジョルジュ・ド・ラ・トゥール『聖ヨセフの夢』376


1. ダビデの子孫


ヨセフは婚約者マリアが懐妊したことを知りました。

この時点ではヨセフとマリアとの間には、まだ性的な関係がありませんでした。
ということは、マリアのお腹の子は不義密通の子ということになります。

マリアの婚約者ヨセフは大いに悩みました。

マリアの懐妊を受け入れるということは、自分以外の男がマリアと性交して出来た子を自分の子として認知するということです。

マリアとセックスをした男性が誰であれ、ヨセフの知らないところでマリアがセックスをしていたという事実はヨセフの心に暗い影を落としました。

当然ですね。

あれこれ悩んだヨセフはマリアとの婚約解消を決意します。
自分自身の心の痛手もあるのですが、ヨセフの家系に傷がつくことを回避しようと考えたのでした。

実はヨセフは古代イスラエル王国の第三代王ダビデの子孫なのです。
ユダヤ人世界においては名門中の名門の家柄です。

そうしたダビデ家の子孫が婚約者の不義密通を知りながらその事実を受け入れるのは、やはり無理があります。

ユダヤの律法ではこのような場合、ヨセフはマリアの不義密通の事実を世間に公表する権利を有していました。
さらに、婚約者マリアを石打ちの刑にすることも可能だったのです。

しかしヨセフにはその権利を行使する意志はありませんでした。
そしてマリアとは縁を切ることに決めたのです。


2. 夢に現れる天使


ヨセフが身の振り方を決めた頃、彼の夢に天使が現れて次のように告げました。

「婚約者マリアを受け入れなさい。
マリアのお腹の子は聖霊によって宿ったのだ。
生まれて来るのは男の子で、民を罪から救うことになるのだ。」

夢でお告げを受けたヨセフは、マリアが懐妊した本当の理由を知ることになります。
マリアが宿したのは不義密通の子ではなく神の子だったのです。

ヨセフはこの天使のお告げを全面的に信じました。

ジョルジュ・ド・ラ・トゥール(1593-1652)が描いているのは、椅子にかけて眠っているヨセフの目の前に天使が現れた瞬間です。

ヨセフはマリアと婚約した時点で再婚の身でしたので、かなりの老齢で描かれていますね。


3. 原題


ジョルジュ・ド・ラ・トゥールが描いた『聖ヨセフの夢』は、フランス語ではLe Songe de saint Josephと言います。

le songeが夢という意味です。

この作品はフランス西部の都市ナントにあるナント美術館(Le Musée des beaux-arts de Nantes)で見ることが出来ます。




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