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ロヒール・ファン・デル・ウェイデン『ブラデリンの祭壇画』
記事URL  カテゴリ | 新約聖書絵画 | 2013年09月22日(日)18時53分 | 編集 |
2013年9月22日(日)


目次
1. ペルシアの占星術師
2. ヘロデ大王による統治
3. 原題


今回取り上げる作品は、ロヒール・ファン・デル・ウェイデン作『ブラデリンの祭壇画』です。

ロヒール・ファン・デル・ウェイデン『ブラデリンの祭壇画』778


1. ペルシアの占星術師


イエスが生まれた後、真っ先に駆けつけたのは羊飼いたちでした。
その後、星に導かれて東方から3人の博士がベツレヘムへやって来ることになります。

新約聖書では「東方」という表現が使われますが、恐らくペルシアのことを言っているのだろうとされています。
博士の専門分野は、天文現象の観測です。

三博士たちの主な仕事は、観測結果を科学的に分析し農耕に必要なデータを人々に提供することでした。
単なる星占い師ではありません。

ロヒール・ファン・デル・ウェイデン(1400頃-1464)は、三人の博士がペルシアから見て西方に現れた星を見上げている場面を描いています。

光り輝く子供の姿をした星が、西の空に現れたのです。
博士たちは驚愕し、跪(ひざまず)いて合掌しています。

そしてこの星に導かれて、博士たちはベツレヘムへと向かうことになるのです。


2. ヘロデ大王による統治


イエスが生まれた当時、ユダヤ人を支配していたのはヘロデ大王(在位:紀元前37-紀元前4)でした。
ヘロデ大王はローマ帝国との協調関係を構築して、ユダヤ人居住地域の統治を任されていました。

今回の主題とは関係ありませんが、ヘロデ大王はエジプトの女王クレオパトラ7世(紀元前51-紀元前30)が治めるアレクサンドリアに赴いたこともある人物です。

さて、東方の3人の博士はベツレヘムに向かう途上、道案内をしてもらうためにヘロデ大王の邸を訪れました。
3人の博士は、ユダヤの王が誕生したという噂を聞いたので、ベツレヘムへ行くところだと説明します。

異教徒である博士たちのベツレヘム訪問目的を聞いたヘロデ大王は、自分の地位を脅かす男の子が生まれたのだと解釈します。

そこでヘロデ大王は、3人の博士に次のように命じました。

「私もその赤ん坊を礼拝したいので、帰路は必ずここへ立ち寄って仔細を報告するように。」

ヘロデ大王は生まれた赤ん坊の様子を聞き、その後の対処方法を考えるつもりだったのでしょう。

結果的に三博士は、ベツレヘムからの帰路、神の命に従ってヘロデ大王邸には立ち寄らずにペルシアへと戻って行くことになります。

このことが、ヘロデ大王によるベツレヘム幼児大虐殺事件へと繋がって行くのです。


3. 原題


ロヒール・ファン・デル・ウェイデン(Rogier van der Weyden)が描いた『ブラデリンの祭壇画』は、ドイツ語ではBladelin-Altarと言います。

Bladelinは固有名詞、Altarは教会の祭壇を指します。
この作品は、ベルリン美術館 (Staatliche Museen zu Berlin)で見ることが出来ます。

なお、この絵は単独で飾られている作品ではありません。
3つの祭壇画で構成されている作品の内の、向かって右に位置している作品です。




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