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アダム・エルスハイマー『エジプトへの逃避』
記事URL  カテゴリ | 新約聖書絵画 | 2013年10月03日(木)14時12分 | 編集 |
2013年10月3日(木)


目次
1. 幼児虐殺
2. 夜の出発
3. 原題


今回取り上げる作品は、アダム・エルスハイマー作『エジプトへの逃避』です。

アダム・エルスハイマー『エジプトへの逃避』249


1. 幼児虐殺


イエスを礼拝した三博士が帰路につこうとすると、神から次のようなお告げがありました。

「ヘロデ大王の下へ立ち寄ってはならない。」

三博士はお告げに忠実に従い、ヘロデ邸を避けて東方へと帰って行きました。

ヘロデ大王は三博士の来訪を、今か今かと待っていました。
しかし3人がなかなか姿を表さないので、命令を無視されたことに気づきます。

統治者としての権威を軽んじられたと感じたヘロデ大王は激怒し、次のように命令を出しました。

「ベツレヘムに住む2歳以下の男児を皆殺しにせよ!」

現時点では幼子であっても、10数年も経てばユダヤの王になるような男の子が誕生したのかも知れません。
為政者としては、看過出来ない事実です。

災いの種は、小さな内に摘みとってしまうに限ります。
何の力もない幼児の内に殺してしまえば、自分の地位はこれからも安泰なのです。


2. 夜の出発


ヘロデ大王の幼児虐殺を避けるため、ヨセフ一家はベツレヘムを離れます。
ヨセフの夢に天使が現れて、エジプトへ逃げるようにお告げがあったのは夜でした。

アダム・エルスハイマー(1578-1610)は聖書の記述に則り、この脱出劇を月夜の出来事として描いています。
夜の暗闇の中で、ヨセフは左手に松明(たいまつ)を持っています。

マリアはイエスを抱いてロバに乗っています。
ロバの背中には聖母子が乗っているだけでなく、家族の当座の荷物もくくりつけられています。

こういった作業を手際良く抜かりなく行うためには、ヨセフのような年齢の男性が必要だったのでしょうね。
過日の記事で、神がヨセフの棒に花を咲かせたことによって、マリアとの婚約が決まったことを述べました。

10歳代半ばのマリアを初婚ではないヨセフがもらったことについて、不満を持った若者も多かったことでしょう。
しかし、マリアは婚約時には想像もしない事態に巻き込まれていきます。

若いマリアを支え勇気づける役割を担うためには、同世代の男性では心許(もと)ないと神が判断したのかも知れません。


3. 原題


アダム・エルスハイマー(Adam Elsheimer)が制作した『エジプトへの逃避』は、ドイツ語ではFlucht nach Ägyptenと言います。

Fluchtが逃走という意味です。
この作品は、ミュンヘンにあるアルテ・ピナコテーク(Alte Pinakothek)で見ることが出来ます。




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