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ダスティン・ホフマン主演映画『新しい人生のはじめかた』を見た感想
記事URL  カテゴリ | 外国映画 | 2013年11月07日(木)15時31分 | 編集 |
2013年11月7日(木) 


11月1日(金)にNHKBSプレミアムで、ダスティン・ホフマン主演の映画『新しい人生のはじめかた(原題:Last Chance Harvey)』を見ました。

原題のHarveyはダスティン・ホフマンが演じているハーヴェイ・シャイン(Harvey Shine)を指します。

ハーヴェイは妻ジーンと何年も前に離婚して以降、ジーンが引き取った娘スーザンとも疎遠になってしまい、ニューヨークでCM作曲家として一人で暮らしている初老の男性です。

スーザンがロンドンで結婚式を挙げるので出席して欲しいという知らせを受けたハーヴェイは、それが儀礼的な連絡であることにも気づかず娘に会いたい一心で、間近に大事な仕事の打ち合わせが予定されているにも関わらずロンドンへと向かいました。

ヒースロー空港に到着したハーヴェイは長旅で疲れており、空港内で到着した客たちの意識調査を行うために声を掛けて来た女性係員に対して突慳貪(つっけんどん)な態度を示し、足早に空港を後にします。

ハーヴェイは、いい年をして人への接し方を弁(わきま)えていない自制心に欠ける男性として描かれています。
このあたりの性格的な欠点が離婚の原因であると示唆されています。

このハーヴェイに声を掛けた空港係員が、後にハーヴェイの恋の相手となるケイト・ウォーカーです。
ケイト・ウォーカーはエマ・トンプソンが演じています。

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ケイトは男性との恋愛関係を上手く築くことが出来ない女性で、半ば結婚を諦めかけている熟女世代の女性です。

ケイトは生来の非社交的な性格が災いしてどこに行っても誰と知り合っても疎外感を味わう人生になってしまい、男性との縁が薄い人生を送っているのです。

かと言って処女ではなく、これまでの恋愛において妊娠中絶を経験しており、その辛い記憶が新しい恋に進んでいく意欲を削いでいるという側面もあります。

さて、ハーヴェイは結婚式の前夜に開かれた親族一同が会する夕食会に出席しましたが、仕事の連絡が頻繁に携帯電話にかかって来て落ち着いて食事や会話をすることも出来ず、むしろ他の出席者はそうしたハーヴェイの振る舞いに対して嫌悪感を抱きます。

自分がテーブルについていることで周囲に嫌悪感を与えていることに気づいたハーヴェイは疎外感と孤立感を味わい、結局居場所を失っていくのです。

ハーヴェイもケイトも周囲との良好な人間関係を維持するには相当な努力を強いられる閉鎖的な人格で、それほど気難しいというわけでもないのですが口が重いこともあり、気がつくといつの間にか周りから人がいなくなってしまうのです。

特に3名以上がテーブルについて飲食をしながら会話を楽しむ場では決まって孤立していくので、自分自身も惨めな思いを味わいますし、周囲にいる人たちも「この人、早く消えてくれないかな」と感じる始末です。

ハーヴェイもケイトも食事会が始まってしばらくすると誰も話しかけてくれなくなるので、離席するための口実を見つけて逃げるようにしてその場を離れるのです。

これを繰り返していたのでは人脈を広げることは出来ませんし、希望する異性と巡り合う確率は極めて低くなりますね。

ダスティン・ホフマン主演映画『新しい人生のはじめかた』を見た感想2 513


映画の中盤からは一度結婚生活に失敗しているハーヴェイと、これまでに人生の伴侶を手に入れることが出来なかったケイトが、渋滞という偶然の力によりヒースロー空港内にあるレストランで再会し、ハーヴェイの積極的な声掛けを契機に一歩ずつ2人の間の距離を縮めて行く様子が丁寧に描かれています。

出会った男女が深い関係になって行くにあたり、自分も傷つきたくないし相手も傷つけたくないというケイトの消極的な恋愛観をエマ・トンプソンが咀嚼(そしゃく)した上で好演しています。

熟年世代の男女が掴んだ最後の恋の機会という趣旨の映画ではありますが、ケイトのように図らずも周囲から浮いてしまい孤立を深めて行く生き方に共感できる人は20代の若者にも数多くいると思うので、熟年世代でなくとも視聴して感じ取るものはたくさんある良作だと思います。


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