映画とドラマと語学
| ホーム loro2012 |
| 投稿 |
ジョット・ディ・ボンドーネ『ユダの裏切り』
記事URL  カテゴリ | 新約聖書絵画 | 2014年05月31日(土)14時11分 | 編集 |
2014年5月31日(土) 


目次
1. 兵士の耳を切るペテロ
2. 原題


今回取り上げる作品はジョット・ディ・ボンドーネ作『ユダの裏切り』です。

ジョット・ディ・ボンドーネ『ユダの裏切り』328


1. 兵士の耳を切るペテロ


ジョット・ディ・ボンドーネ(1267頃-1337)はこの作品でゲッセマネの園におけるキリスト逮捕の場面を描いています。

画面中央では黄色いマントを羽織ったユダがイエスに接吻しています。
この行為により、イエスを捕縛に来たローマ兵士たちは誰がイエスなのかが分かったわけです。

画面向かって左端で右手にナイフを持っているのは一番弟子のペテロです。
ペテロはイエスを逮捕しに来たローマ兵の中の一人にナイフを持って切りかかったのです。

その結果、その兵士の右耳は切り落とされました。

逮捕されそうなイエスを逃すためにペテロがナイフを振り回したという有名な場面です。

ただこの場面を見ると一つ疑問が湧いてきますよね。
それは、なぜペテロがこの瞬間にナイフを持っていたのかということです。

ペテロはイエスを逮捕しに来るローマ兵と戦うことを目的として予めナイフを用意していたわけではありません。
なぜならペテロはこの夜にイエスが逮捕されることを知らないからです。

12使徒の内の一人がイエスを裏切るであろうことは最後の晩餐の時に聞かされて知っていました。
しかしその食事の後、ゲッセマネの園でイエスが逮捕されることまではペテロは予見していないのです。

だからこそイエスが最後の祈りを唱えている時に呑気に眠り呆(ほう)けていたわけです。

ペテロがイエスの逮捕を予見していたのであれば、初めからイエスをゲッセマネには行かせずに別の安全な所へ師と共に逃げるという選択肢もあったはずです。

とするとペテロは常日頃から身の危険を感じていて、いつもナイフを携帯していたのかということになりますよね。

イエス集団とユダヤ教パリサイ派との確執は長く続いていましたので、ペテロは命の危険を感じながらイエスに同行していたのかも知れません。

身体的な危害を加えてくる者には武器を持って対抗するしかないということです。
安全保障には武器が必要です。


2. 原題


ジョット・ディ・ボンドーネ(Giotto di Bondone)が制作した『ユダの裏切り』はイタリア語ではTradimento de Giudaと言います。

tradimentoは裏切りです。

この作品はイタリア北部の都市パドヴァにあるスクロヴェーニ礼拝堂(Cappella degli Scrovegni)の壁に描かれたフレスコ画です。




関連記事