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ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ『キリストの鞭打ち』
記事URL  カテゴリ | 新約聖書絵画 | 2014年06月10日(火)14時19分 | 編集 |
2014年6月10日(火) 


目次
1. ローマ兵による鞭打ち
2. 原題


今回取り上げる作品は、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ作『キリストの鞭打ち』です。

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ『キリストの鞭打ち』449


1. ローマ兵による鞭打ち


イエスはピラトの屋敷内で鞭打ちの刑に処せられました。
死刑にするほどの理由がないため、ピラトは鞭打ち刑が相当だと考えたわけです。

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ(1571-1610)の作品においてイエスを鞭で打っているのはローマ兵です。
当時の法律で40回以上は打ってはいけないという制限があったため39回打たれました。

肩から背中にかけてミミズ腫れ状態になっていたと思われます。
この後イエスは爛(ただ)れた肩に十字架を乗せてゴルゴタの丘を登っていくことになります。

前夜一睡もせずに神に祈りを捧げユダの裏切りによって逮捕され、その後ピラトやヘロデ・アンティパスの邸へと引き回されました。

ユダヤ民衆の十字架刑を望む声を聞いたピラトは暴動が起きることを恐れて民意を受け入れます。
保身のための決断ですね。

当時ローマ帝国によって管理されていたユダヤ人たちは日頃から選民思想を前面に出してローマ兵による管理に不服を述べていました。

ローマ帝国側からすれば、決して従順とは言えないユダヤ人への恨みつらみが積み重なっていたことでしょう。
現場を預かるローマ軍の兵士たちもユダヤ人の統治には相当手を焼いていたようです。

彼ら兵士の不満の矛先がイエスの無防備な肉体へと向けられたわけです。

画面向かって左側の兵士の顔は歪んでいますよね。
恐らく彼はイエスとの面識はなかったと思われます。

しかしイエスのことを日頃生意気なユダヤ人たちの代表として捉えたのだろうと推測します。
彼らはイエスの今までの言動を踏まえて次のように言いました。

「お前は弟子たちに敵のために祈れと言ってきた。
であれば、今殴りつけている俺のために祈れよ!」

カラヴァッジオはイエスの背中を描いていませんので真実はこの作品の後ろ側にあります。

何度も鞭打たれて爛(ただ)れてしまった彼の背中を見た時に生贄の子羊となってしまったイエスの悲劇を知ることになるのです。


2. 原題


ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ(Michelangelo Merisi da Caravaggio)が制作した『キリストの鞭打ち』はイタリア語ではFlagellazione di Cristoと言います。

Flagellazioneが鞭打ちという意味です。
この作品はナポリにあるカーポディモンテ美術館(Museo di Capodimonte)で見ることが出来ます。




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