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アントニオ・デ・ペレダ『イエスの苦しみの丸太』
記事URL  カテゴリ | 新約聖書絵画 | 2014年06月19日(木)15時22分 | 編集 |
記事のタグ: プラド美術館
2014年6月19日(木) 


目次
1. 1本の丸太
2. 切り倒したままの木
3. 原題


今回取り上げる作品は、アントニオ・デ・ペレダ作『イエスの苦しみの丸太』です。

アントニオ・デ・ペレダ『イエスの苦しみの丸太』421


1. 1本の丸太


イエスはゴルゴタの丘を登って行く際に十字架型の丸太を背負って行ったとされています。

なぜ十字架型かというと、処刑の際に両腕を地面に対して水平に伸ばして掌を釘で打たれたということが通説になっているからです。

十字架型にするためには丸太が2本必要になります。

一方、1本の丸太が磔刑(たっけい)に使われたのではないかという説もあります。

これだと十字架型にはなりませんので、両手首を頭上で重ね合わせる形にした上で釘で打ったのではないかとされています。

但し、1本の丸太と言っても相当重くて長いものだったと思われます。
なぜならイエスは丸太の重みに耐えかねて丘の上に到達するまでに3回転倒しているからです。

痩せ型だったイエスが人一倍力持ちだったとは考えにくいのですが、仮に腕力があったとしても電柱のような巨大な1本丸太を担いで丘を登って行くのですから、足元がよろけて倒れてしまうのも無理はありません。


2. 切り倒したままの木


作者であるアントニオ・デ・ペレダ(1611-1678)はこの丸太を切り倒したままの状態で描いています。
特に表面を削るといった加工を施していない、切り倒したままの丸太をイエスは担いだのではないかという解釈ですね。

これだと丸太の粗い木肌が裸のイエスの皮膚を傷つけ、丸太の重みだけでなく痛みまでも感じることになります。
ゴルゴタの丘へ向かうイエスは五感の全てを痛めつけられて死への道のりを歩んでいったわけです。


3. 原題


アントニオ・デ・ペレダ(Antonio de Pereda)が制作した『イエスの苦しみの丸太』はスペイン語ではCristo, Varón de Doloresと言います。

el varónは太い木材という意味です。

el dolorは肉体的及び精神的な苦痛を意味しますが、ここでは複数形(dolores)になっていますので幾つもの苦痛を味わったということを表しています。

この作品はプラド美術館(Museo Nacional del Prado)に所蔵されています。




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