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ピーテル・パウル・ルーベンス『キリスト降架』
記事URL  カテゴリ | 新約聖書絵画 | 2014年06月28日(土)13時50分 | 編集 |
2014年6月28日(土) 


目次
1. 死せるイエス
2. ナポレオン1世
3. 原題


今回取り上げる作品は、ピーテル・パウル・ルーベンス作『キリスト降架』です。

ピーテル・パウル・ルーベンス『キリスト降架』216


1. 死せるイエス


十字架上のイエスの動きが止まった後、処刑に関わっていた係員がイエスの右脇腹を槍で突きました。
イエスはその行為に対して何の反応も示しませんでしたので処刑する側はイエスが死んだと理解しました。

その後、イエスの亡き骸は十字架から降ろされたのですが、その場面を描いたのがこの作品です。

2014年6月22日(日)の記事で取り上げた『キリスト昇架』の際の姿と比べると、イエスの肌の色は完全に血の気を失っていますよね(loro2012.blog)。

筋肉の張りもなくなり死亡したイエスの肉体からは完全に緊張感が消えています。

ところが、この作品全体からは漲(みなぎ)るような緊張感が伝わって来るのです。
その理由は周囲にいる人たちの態度です。

梯子(はしご)に登ってイエスの左腕を掴んでいる人物やイエスの左脚を支えている赤い衣服を身に纏っている人物は、死体を丁重に扱おうとする意志が感じ取れます。

イエスはこの時点では既に息絶えていますので、周囲にいる者が慎重に肉体を支えないと地面に落ちていくはずです。
偉大な聖人の最期をそのような形で終わらせてはいけないという人々の意志が、この作品からは強く感じられます。


2. ナポレオン1世


ヨーロッパの覇者となったナポレオン1世はアントウェルペンという都市の戦略的な重要性に目をつけて、港の拡張を図るための工事を行う計画を立てていました。

彼はアントウェルペンに視察に訪れたついでにこの大聖堂にも立ち寄りました。

大聖堂に飾られているルーベンス(1577-1640)の『キリスト昇架』と『キリスト降架』を眺めて私物化することを勝手に決めてしまい、この世界的な名画を2枚ともパリに持ち帰ってしまったのです。

相変わらずの暴君ぶりを発揮するナポレオンです。
本当に困ったものです。

ナポレオン1世(在位:1804-1814)の権勢が10年程度で終わりを告げた後、略奪されたルーベンスの絵画は再び大聖堂へと返却されることになりました。

2014年6月22日(日)の記事で述べたように、小説『フランダースの犬(原題:A Dog of Flanders)はイギリス人作家ウィーダ(1839-1908)が1872年に発表した作品です。

彼女は実際にアントウェルペンを取材して、この大聖堂に掛かっている2つの絵も見た上で小説を書いているはずです。

もし暴君ナポレオンの天下がもっと長く続いていたら、ウィーダは大聖堂でこの絵画を見ることは無かったかも知れません。

そうすると『フランダースの犬』の筋書きも変わってしまったかも知れませんね。

ナポレオンが神に見放されたおかげでルーベンスの名画は本来の居場所に戻ることが出来ました。


3. 原題


『キリスト降架』は英語ではThe Descent from the Crossと言います。

the descentは降下という意味です。

この作品はベルギーのアントウェルペン(Antwerp)にある大聖堂(Cathedral of Our Lady)に飾られています。




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