映画とドラマと語学
| ホーム loro2012 |
| 投稿 |
ドメニコ・ベッカフーミ『黄泉へ下るキリスト』
記事URL  カテゴリ | 新約聖書絵画 | 2014年07月05日(土)21時10分 | 編集 |
2014年7月5日(土) 


目次
1. 復活前の行動
2. 原題


今回取り上げる作品はドメニコ・ベッカフーミ作『黄泉へ下るキリスト』です。

ドメニコ・ベッカフーミ『黄泉へ下るキリスト』527


1. 復活前の行動


イタリアの画家ドメニコ・ベッカフーミ(1486-1551)が描いているのは墓に入った後のイエスの霊魂の行動です。

金曜の夕方、イエスは墓に入り一旦肉体は滅びました。
その後、イエスの霊魂は黄泉の国へと向かいます。

黄泉の国にはイエスが誕生する前にユダヤ民族のために活躍した預言者たちや洗礼を受ける前に亡くなった幼児たちの霊が暮らしています。

これらの霊魂はイエスとの接点がありません。
従ってイエスに祝福を与えられずに黄泉の国に留まっているのです。

イエスはこういった霊魂に祝福を与え黄泉の国から天界へと導きました。

画面中央で青い服を着て白地に赤十字の旗を掲げているのがイエスの霊魂です。
白地に赤十字の旗は復活の象徴とされています。

イエスの姿を見た黄泉の国の霊魂たちは洞窟の奥から駆け寄って来ます。
イエスに祝福を与えてもらえば黄泉の国を脱することが出来るからです。

画面中央でイエスが手を取って祝福を与えているのは人類の祖アダムです。
赤いマントを身にまとったアダムは人類の大元の罪を作った人物とされています。

原罪の責任を一身に受けたアダムは神であるイエスの力によってようやく黄泉の国から離れることが出来るようになったのです。


2. 原題


ドメニコ・ベッカフーミ(Domenico Beccafumi)が描いた『黄泉へ下るキリスト』はイタリア語ではDiscesa di Cristo al Limboと言います。

discesaは降下という意味です。
カトリックではイエスの地獄巡りという意味で用いる場合もあります。

il limboは黄泉の国です。
洗礼を受けなかった幼児やイエス誕生以前に亡くなった義人たちの霊魂が集まっている場所を指します。

この作品はイタリアのシエナにあるシエナ国立美術館(La Pinacoteca Nazionale di Siena)で見ることが出来ます。




関連記事