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ピエロ・デッラ・フランチェスカ『イエスの復活』
記事URL  カテゴリ | 新約聖書絵画 | 2014年07月07日(月)11時59分 | 編集 |
2014年7月7日(月) 


目次
1. 番兵
2. 日曜の早朝
3. 原題


今回取り上げる作品は、ピエロ・デッラ・フランチェスカ作『イエスの復活』です。

ピエロ・デッラ・フランチェスカ『イエスの復活』356


1. 番兵


イエスの遺体は金曜の夕方に墓に入れられました。

総督ピラトはイエスの遺体が墓から盗み出される可能性を考慮しました。
そこで夜間、墓を警備するための番兵を配置したのです。

ただし翌土曜日は安息日ですのでユダヤ教徒たちは一切の活動を停止します。

旧約聖書は日没を基準にして一日を捉えています。
従って土曜日の安息日とは金曜の日没から土曜の日没までを指します。

ユダヤ教の戒律を遵守するならば金曜の日没からは労働をしてはいけません。
おそらく番兵たちも墓の警備はしたくないというのが本音でしょう。

ただ金曜の日中はユダヤ人たちが暴動を起こしかねない雰囲気でした。
その原因となったイエスの墓を監視する必要があるとピラトは考えています。

ピラト自身はユダヤ教徒ではありませんので、たとえ金曜の日没後であろうとも番兵に命じて警備をさせました。


2. 日曜の早朝


金曜の日没後から土曜の日没までは何も事件は起きませんでした。
安息日でありながら労働を命じられた番兵たちも一安心といったところだったでしょう。

そこで気の緩みが出たのか、土曜の日没から日曜の早朝にかけての警備では番兵たちは疲れから眠りについてしまいました。

イタリアルネサンス期の画家ピエロ・デッラ・フランチェスカ(1415頃-1492)の作品を見ると奥にいる二人の番兵たちは完全に眠りこけています。

手前の二人の番兵は異変に気づいて眠りから覚めたところです。

向かって左の赤い靴の番兵は手で顔を覆っています。
向かって右の青い服を着た番兵は上半身を起こそうとしているところですね。

番兵たちもここ数日の激動の中で神経を磨り減らし、肉体的には限界に来ていたのかも知れません。

イエスが墓の中から起き上がり復活するのは日曜の早朝です。
復活の瞬間を目撃した者は誰もいません。

もし番兵がちゃんと起きていたら第一発見者になっていたかも知れません。

後景の木々は生と死の対比を表しています。

向かって左の枯れた木々は死の象徴ですね。
向かって右の緑豊かな木々は生の象徴です。

イエスが右手に持っている白地に赤十字の旗は復活の象徴とされています。


3. 原題


ピエロ・デッラ・フランチェスカ(Piero della Francesca)が制作した『イエスの復活』はイタリア語ではResurrezioneと言います。

Resurrezioneはイエスの復活という意味です。

この作品はイタリア中部に位置するトスカーナ州にあるサンセポルクロ美術館(Il Museo Civico di Sansepolcro)で見ることが出来ます。

なおSansepolcroを構成しているil sepolcroは墓という意味です。
Santo Sepolcroはエルサレムにあるイエスの聖墳墓を指します。




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