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ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ『トマスの不信』
記事URL  カテゴリ | 新約聖書絵画 | 2014年07月15日(火)08時31分 | 編集 |
2014年7月15日(火) 


目次
1. 復活後
2. 次の日曜日
3. 原題


今回取り上げる作品はミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ作『トマスの不信』です。

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ『トマスの不信』243


1. 復活後


金曜日に十字架上で処刑されたイエスは日曜日の朝早くに復活します。
復活したイエスは弟子たちの前に現れ、一緒に食事をして肉体が復活したことを証明しました。

12使徒の一人であるトマスはこの集まりの中にいませんでした。
そこで彼はイエスの復活を喜ぶ仲間たちを尻目に次のような懐疑的な発言をします。

「私はイエスの右脇腹に指を入れるまでは復活を信じない。」

イエスが十字架上で絶命した後、本当に死んだのかどうかを確かめるために刑執行の係官が右の脇腹を槍で刺しました。

十字架から降ろされたイエスの右脇腹には傷口が出来ていたことをトマスは見ていたのです。

そして今後イエスが目の前に現れた場合に、その傷口がちゃんとあるかどうかを確かめるまではイエスの復活を信じることは出来ないと皆んなの前で述べたのです。


2. 次の日曜日


イエスが復活して1週間が経った次の日曜日、トマスはイエスの復活した姿を見ることになりました。
目の前に現れたイエスはトマスに対して次のように言いました。

「傷口を確認するまでは信じないと言っていたな。触るが良い。」

トマスが「信じない」と発言した時にイエスはその場にはいませんでした。
しかしイエスはトマスが発した言葉をちゃんと知っていたのです。

イエスに促されてトマスは右脇腹の傷口に指を入れました。
確かに傷口は開いています。

疑り深いトマスもこれで師イエスの復活を心から信じることが出来たわけです。

カラヴァッジオ(1571-1610)が描いているのはトマスが右手の人差指をイエスの右脇腹に挿入している場面です。

トマスは額に皺を寄せて興味津々でイエスの体にある傷口を覗き込んでいます。
まさに人間の表情ですね。

一方イエスは弟子の希望を叶えてやりながら冷静沈着な表情を見せています。

元々生きていた頃のイエスには浮世離れしたところがあったのでしょうが、復活後のイエスには人間を超越した力が感じられます。


3. 原題


ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ(Michelangelo Merisi da Caravaggio)が制作した『トマスの不信』はドイツ語ではDer ungläubige Thomasと言います。

ungläubigは形容詞で、疑いをいだいている~という意味です。

この作品はドイツのポツダムにあるサンスーシ宮殿美術館(die Bildergalerie im Park Sanssouci)で見ることが出来ます。




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