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アントニオ・デ・ペレーダ『天使によって解放される聖ペテロ』
記事URL  カテゴリ | 新約聖書絵画 | 2014年07月21日(月)10時30分 | 編集 |
記事のタグ: プラド美術館
2014年7月21日(月) 


目次
1. ヘロデ・アグリッパ1世
2. 迫害
3. 救出
4. 原題


今回取り上げる作品はアントニオ・デ・ペレーダ作『天使によって解放される聖ペテロ』です。

アントニオ・デ・ペレーダ『天使によって解放される聖ペテロ』449


1. ヘロデ・アグリッパ1世


イエス亡き後、使徒たちは精力的に宣教活動を行っていました。

イエスの生存中にローマ帝国から公認されたユダヤの統治者はヘロデ・アンティパス(在位:紀元前4-紀元後39)でした。

その後、ヘロデ・アンティパスはローマ皇帝カリギュラ(在位:37-41)によって追放されます。
後任としてガリラヤの統治権を得たのがヘロデ・アグリッパ1世(在位:39-44)でした。

ユダヤの統治者の系譜はこうなります。

ヘロデ大王(在位:紀元前37-紀元前4)→ヘロデ・アンティパス→ヘロデ・アグリッパ1世


2. 迫害


ヘロデ大王の孫に当たるヘロデ・アグリッパ1世はイエスの教えを広めようとする使徒たちを弾圧します。
まずエルサレム教会において指導的立場にあった大ヤコブを捕らえて斬首刑に処しました。

エルサレム教会とはイエスの弟子たちが布教活動のために作った組織です。

当初はペテロなどの構成員が共同生活を送りながら布教活動をしていました。
やがて共同生活の形態が崩れ「教会」と呼ぶ方が相応しい組織へと発展していったわけです。

ヘロデ・アグリッパ1世が大ヤコブの次に狙いを定めたのがペテロです。
エルサレム教会の屋台骨を支える大ヤコブとペテロを処刑してしまえば組織は弱体化すると睨んだのです。

ペテロはヘロデ・アグリッパ1世によって逮捕され牢獄に入れられます。
そして大ヤコブ同様、処刑されることに決まりました。

処刑日は過ぎ越しの祭りが終わる時と定められました。


3. 救出


処刑前夜、一人の天使が牢獄のペテロの元に現れました。
そして手足の鎖を解きペテロを解放したのです。

スペインの画家アントニオ・デ・ペレーダ(1611-1678)が描いているのは天使がペテロを救出する場面です。
年老いたペテロはやや驚いた面持ちで天使の瞳を見つめています。

天使は左手で逃げるべき道を示しています。
こうしてペテロは神の御業によって命を救われたのでした。


4. 原題


アントニオ・デ・ペレーダ(Antonio de Pereda)が描いた『天使によって解放される聖ペテロ』はスペイン語ではSan Pedro liberado por un ángelと言います。

liberar ZはZを自由にするという意味です。
この作品はプラド美術館(Museo Nacional del Prado)で見ることが出来ます。




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