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ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ『聖母の死』
記事URL  カテゴリ | 新約聖書絵画 | 2014年07月23日(水)08時41分 | 編集 |
記事のタグ: ルーヴル美術館
2014年7月23日(水) 


目次
1. 死体を描いてはいけない
2. 代わりの作品
3. 原題


今回取り上げる作品はミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ作『聖母の死』です。

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ『聖母の死』501


1. 死体を描いてはいけない


カラヴァッジオ(1571-1610)の描いたこの作品は当初ローマにあるサンタ・マリア・デッラ・スカラ聖堂(Chiesa di Santa Maria della Scala)のために描かれたものでした。

ところが聖母マリアの姿が死体として描かれているという理由で、すぐに教会の壁から取り外されてしまいました。

現代の感覚からすると聖母の死を題材として描いているわけですから、当然マリアは死んだ姿で描かれるべきです。
ところが、この作品が制作された17世紀初頭の教会側の捉え方は聖母の死を一般人の死とは区別していたのです。

神の子を生んだマリアが亡くなった時の様子を描く場合は、マリアが眠っているかのように描くことが求められたのです。

テヴェレ川に身を投げた娼婦の水死体のような描き方をしたカラヴァッジオの作品は、教会としては断じて受け入れることは出来ませんでした。

横たわるマリアの前で腰掛けて泣いている女性はマグダラのマリアであるとされています。
マグダラのマリアの前にある盥(たらい)は聖母の遺体を洗うためのものです。


2. 代わりの作品


カラヴァッジオの作品が取り外された後、教会は別の画家に同じ主題で絵を描くよう依頼しました。
出来上がった作品がこちらです。

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ『聖母の死』2 537


作者はカルロ・サラチェーニ(Carlo Saraceni)で、カラヴァッジオの画風を敬愛していた画家です。
サラチェーニ(1579-1620)は教会の意向を反映する形で死に際して目を開けたまま祈る聖母を描きました。

カトリック教会にとって聖母の死は一般人の死とは異なる荘厳なものである必要があったわけです。


3. 原題


カラヴァッジオが制作した『聖母の死』はフランス語ではLa Mort de la Viergeと言います。

la mortが死という意味です。
この作品はルーヴル美術館(Musée du Louvre)で見ることが出来ます。




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