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ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ『聖パウロの改宗』
記事URL  カテゴリ | 新約聖書絵画 | 2014年07月28日(月)07時41分 | 編集 |
2014年7月28日(月) 


目次
1. ダマスカスへの道
2. 目からウロコ
3. 原題


今回取り上げる作品はミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ作『聖パウロの改宗』です。

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ『聖パウロの改宗』


1. ダマスカスへの道


パウロはキリスト教を世界中に広めるきっかけを作った人物として聖人に列せられています。
しかし、パウロは当初ユダヤ教を信奉しておりキリスト教徒を迫害していました。

現在のトルコに相当する地域で生まれたパウロは裕福であったユダヤ人の両親に育てられました。
若い頃にエルサレムに留学させてもらいユダヤ教の教理をしっかりと学んだ学識者でした。

イエスが処刑されたことについてもパウロはその結論には完全に賛成でした。
そして、イエス亡き後の弟子たちの布教活動も徹底的に迫害しました。

ユダヤ教の律法を完全には認めないイエス一派というのは迫害する対象でしかなかったのです。

こんな厳格なユダヤ教徒であるパウロはある日ダマスカス(現在のシリアの首都近辺)へと馬に乗って向かっていました。

目的はダマスカスで布教活動を行っているキリスト教徒への迫害です。


2. 目からウロコ


ダマスカスへの道すがら、パウロは稲妻に打たれて落馬します。
カラヴァッジオ(1571-1610)が作品に描いているのはこの場面ですね。

地面に叩きつけられた衝撃でパウロは視力を失いました。
そして天の声が聞こえたそうです。

「パウロよ、なぜ私を迫害するのか?」

発言の主はイエスです。
ただ、パウロはこの時点でキリスト教に改宗したわけではありません。

同行していた部下の手を借りてパウロはダマスカスに入りました。
そこでキリスト教徒のアナニナという人物がパウロのために祈りを捧げました。

すると、パウロの目からウロコのようなものが落ちてパウロは視力を回復したのです。
日本人も「目からウロコ」という成句を使っていますが、語源はこのパウロの話にあるとされていますね。

再び光を取り戻したパウロはユダヤ教を捨てキリスト教の布教に邁進することを決意します。
キリスト教徒を迫害していたのと同じぐらいの真剣さで布教活動に入ったわけです。

カラヴァッジオはこの劇的な瞬間を明暗を強調する画法で見事に描きました。
地面に仰向けになったパウロが眼を閉じているのは視力を失ったことを表しているわけです。


3. 原題


ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ(Michelangelo Merisi da Caravaggio)が制作した『聖パウロの改宗』 はイタリア語ではConversione di san Paoloと言います。

Conversioneは改宗とか回心という意味です。

この作品はローマにあるサンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂(Basilica di Santa Maria del Popolo)のチェラージ礼拝堂(Cappella Cerasi)に展示されています。




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