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ピーテル・パウル・ルーベンス『ペルセポネの略奪』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年05月13日(金)16時25分 | 編集 |
2011年5月13日(金)


目次
1. ゼウスの娘コレ
2. クロノスの息子ハデス
3. デメテルの悲嘆
4. 原題


今回取り上げる作品は、ピーテル・パウル・ルーベンス作『ペルセポネの略奪』です。

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1. ゼウスの娘コレ


ペルセポネはゼウスとデメテルとの間に出来た娘です。
当初の名前はコレと言いました。

ペルセポネという名前はハデスによって冥界へ略奪されてからの名前です。

ある日、コレは野原でニンフたちと花を摘んでいました。
そして美しい水仙を見つけそれに手を伸ばした瞬間に、大地が裂けてハデスが現れました。


2. クロノスの息子ハデス


ハデスはクロノスとレアとの間に出来た息子です。
ポセイドンやゼウスの兄にあたります。

父クロノスに飲み込まれていたハデスやポセイドンたちは、末弟のゼウスの活躍でクロノスの体内から脱出することが出来ました。

クロノスを打倒した後、ハデス、ポセイドン、ゼウスの兄弟はそれぞれの領地をくじ引きで決めることにしました。

くじの結果、ハデスは冥界、ポセイドンは海そしてゼウスは天空を治めることとなりました。
また、ゼウスが最高神として認められたのもこの時です。

ある日ハデスが大地の裂け目から地上を見上げると、コレが花摘みをしていました。
その姿を見ていたハデスにエロスが恋の矢を放ったのです。

コレに対して恋心を抱いたハデスはゼウスにコレを后にしたいと相談します。
ゼウスは最高神であると同時にコレの父親でもあります。

ゼウスは略奪してでもコレを妻にするようにと助言しました。

ハデスはゼウスに相談した時点では、コレの母親のデメテルの許可も得る意向を持っていました。
しかしゼウスは自分が許可しているのだから、デメテルの許可など不必要だと言います。

こうしてハデスはコレを力づくで冥界へと連れ去ることにしたのです。

ルーベンス(1577-1640)の作品では画面中央で赤いマントをつけているのがハデスです。
ハデスに抱きかかえられて両手を上げているのがコレです。

向かって右側に盾を持った姿で描かれているのは軍神アテナです。
楯にはメドゥーサが描かれていますね。

軍神かつ処女神のアテナはハデスの蛮行が許せず、コレを救うために追跡しているところです。
しかしアテナの努力も虚しく、コレは冥界へと連れ去られてしまいます。


3. デメテルの悲嘆


デメテルは娘コレが突如としていなくなってしまったことに気づき、コレを捜索しに出掛けます。
ところがどこを探してもコレの姿は見当たりません。

そこでデメテルは太陽神ヘリオスに事の次第を問い合せてみました。

ヘリオスは天空からこの世で起きている出来事を全て眺めているので、何でも知っている男神なのです。

するとヘリオスは、ハデスがゼウスの許可を得た上でコレを略奪したことを告げました。

男たちの傲慢勝手なやり方に憤ったデメテルは、自分の役割を放棄して放浪の旅に出ました。
デメテルは豊饒神であり穀物の栽培を人間に教えた神とされています。

そのデメテルが役目を放棄したために地上では収穫が激減します。

コレが略奪されたことによって、豊饒神デメテルは落胆しました。
その結果として全人類は飢えに苦しんで行くのです。


4. 原題


ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens)が制作した『ペルセポネの略奪』は、フランス語ではL’enlèvement de Proserpineと言います。

l’enlèvementが誘拐という意味です。
この作品はパリにあるプティ・パレ(Petit Palais)で見ることが出来ます。





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