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ミケランジェロ・ブオナローティ『聖家族』
記事URL  カテゴリ | その他絵画 | 2010年08月03日(火)22時23分 | 編集 |
記事のタグ: ウフィッツィ美術館
2010年8月3日


ラジオでの放送日:2009年12月18日(金)、19日(土) 
講座名:イタリア語で”聴く”ルネサンスの名画 講師:松浦弘明

第12週 彫刻に接近する絵画 ーミケランジェロの人物描写ー
目次
1. 男性的なマリア
2. 5人の裸男
3. 彫刻が専門
4. 原題
5. シリーズ総括


最終第12週で取り上げるのは、ミケランジェロ作『聖家族』です。

2010年8月3日ミケランジェロ・ブオナローティ『聖家族』1 1donitop

1. 男性的なマリア


この絵画における最大の特徴は、何と言ってもマリアの逞しい腕でしょうね。
マリアの腕をこのように袖をたくし上げた状態で描いた画家は、他にいないと思います。

しかも、左の肩や脇の下は完全に露出しています。
背後にいる夫のヨセフは衣服で腕が隠れていますので、全く対照的ですよね。

マリアの脇の下を描ける画家は、ミケランジェロをおいて他にはいないでしょう。


2. 5人の裸男


画面後方には、下半身を露(あらわ)にした5人の男の像が描かれています。
しかし、これの意味するところは今のところ解明されていません。

ただ、マリアの衣服の襞が克明に描かれているのとは異なり、その人物像にはボカシが入っています。
従って位置関係としては、聖家族からはかなり遠いところにいることが見て取れます。

ということは、空間軸だけでなく時間軸も大幅に遠ざかると解釈して、聖家族が誕生する以前の異教徒が支配していた時代を表しているのではないかという説を唱える人もいるようです。

しかも、裸体で描かれていることから連想出来るのは、その時代の宗教が未開、野蛮であったということです。

少なくともキリスト教徒達は、イエス誕生以前の世界をそのように捉えているということになるでしょう。

鮮やかな色使いの衣装を身に纏(まと)っているマリアと後方の裸体像を対比させることによって、キリスト教がそれ以前の宗教に比べて文化的にも進歩していることを示そうとする意図が感じられます。


3. 彫刻が専門


ミケランジェロ・ブオナローティ(1475-1564)は、画家というよりは彫刻家としての名声が優っていた人物です。

ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂にある『ピエタ』とか、フィレンツェのアカデミア美術館にある『ダビデ像』が有名ですね。

2010年8月3日ミケランジェロ・ブオナローティ『聖家族』2+Michelangelo+s_Pieta_5450_cropncleaned_convert_20121211223210

2010年8月3日ミケランジェロ・ブオナローティ『聖家族』3 David_von_Michelangelo

なお、フィレンツェのヴェッキオ宮殿の前に置かれている『ダビデ像』は、アカデミア美術館(Galleria dell'Accademia)が所蔵している像の複製です。


4. 原題


『聖家族』は、イタリア語ではTondo Doniと言います。

「聖家族」をイタリア語に直訳すると、「聖なる」が「sacra」で、「家族」が「famiglia」ですので、『la Sacra Famiglia』となるはずなんですが、全く違う呼び名になっていますね。

tondoとは、美術用語で「円形画」を指します。

Doniは、この作品の制作を依頼したフィレンツェの商人アニョロ・ドーニ (Agnolo Doni)の名前に由来していると思われます。


5. シリーズ総括


全12週に渡って放送されたラジオ講座の内容に沿って、フィレンツェにあるウフィッツィ美術館(Galleria degli Uffizi)が所蔵する作品を見てきました。

講師である松浦氏がテキストに記した専門的な表現をいくつかは借用しましたが、絵画に対する個人的な見解を概ね自分自身の言葉で述べました。

従って私がブログで述べた内容については、松浦氏の講座趣旨とは異なる部分が多いと思います。

今後、NHKの各言語講座で、このような美術に関する企画が実現することを願っています。

予備知識無しに、漠然と絵を見ることも一つの方法論ではあります。

しかし、その絵が描かれた時代背景や人間関係の知識があれば、より深く作品を理解出来ると思います。


このブログでは今後も歴史と語学という二つの切り口を使って、名画を学んでいきたいと考えています。

今のところ新企画として原稿を書き進めているのは、以下の4つです。

1: 旧約聖書
2: 新約聖書
3: ギリシア神話
4: ローマ建国史


出来る限り時系列で、それぞれの物語を取り上げるという方針で執筆作業を進めています。

原稿の全体像がほぼ確定した時点でアップロードを開始するつもりですが、まだ当分先になりそうです。

しばらくは、聖書や神話関連以外の名画を紹介していく予定です。







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