映画とドラマと語学、そして株式投資へ
| ホーム loro2012 |
| 投稿 |
Pieter Jozef Verhaghen『アブラハムに追放されるハガルとイシュマエル』
記事URL  カテゴリ | 旧約聖書絵画 | 2012年06月15日(金)14時55分 | 編集 |
2012年6月15日(金)


目次
1. ハガルの追放
2. 競争相手を排除
3. 恋愛における立場を有利にする方法
4. 原題


今回取り上げる作品はPieter Jozef Verhaghen作『アブラハムに追放されるハガルとイシュマエル』です。

2012年6月15日Pieter Jozef Verhaghen『アブラハムに追放されるハガルとイシュマエル』 hagar_is

1. ハガルの追放


アブラハムの最初の子であるイシュマエルは幼いイサクを虐めるようになります。
正妻のサラに子が生まれた以上、妾のハガルとしては複雑な心境になっていったのかも知れません。

そんな母親の動揺を子のイシュマエルは敏感に感じ取り、「邪魔者」であるイサクを虐めるようになってしまった可能性はあります。

ハガルは元々はサラの奴隷として傍に使えていた女性でした。

しかしイシュマエルを身篭ってからは立場関係が逆転し、ハガルは主人であるサラを侮るようになっていきました。

サラは子を産めなかった頃の自分を軽んじたハガルに対して一種の嫌悪感を持っていたはずですし、我が子イサクを虐める「妾の子」イシュマエルが次第に「邪魔者」に見えて来たはずです。

そうした中、ついにサラは実力行使に出ます。
夫のアブラハムにハガルとイシュマエルを追い出すように懇願したのです。

アブラハムはサラほど事態を深刻に捉えていなかったので、あまり積極的ではなかったようです。
しかし神のお告げがあり、2人を荒野へ追放することに決めました。


2. 競争相手を排除


フランドル地方の画家Pieter Jozef Verhaghen(1728-1811)はハガルとイシュマエルがアブラハムの家から追い出される場面を描いています。

画面中央の若々しい女性がハガルです。
ハガルの左手を握っているのがイシュマエルですね。

イシュマエルの左手には棒が描かれています。
これでイサクを叩いたりして虐めていたのでしょう。

向かって左端の女性はサラです。
サラが右手で掴んでいる子供がイサクですね。

この絵ではイサクとイシュマエルが似たような年齢で描かれていますが、実際には14歳の年の開きがあります。

当然イシュマエルの方が先に大人になりますし、後継者の地位を早く意識するようになるわけです。

サラが競争相手のハガルを排除したのは自分よりも若くて美しい女性への嫉妬心が多分にあったと思われますが、それ以上にイシュマエルの年齢や才気煥発な側面を見て、イサクが後継者争いに敗れるのではないかと危惧した部分もあったと思います。

いつの時代でも競争相手は少ない方が良いですし、いないに越したことはありません。

一般論として敵対する者が力をつけた後に真正面から戦うと自分が怪我をする恐れもありますし負けるかも知れませんので、競争に勝つためには相手の能力が開花する前に芽を摘んでしまえば良いわけです。

戦う前に勝負をつけるということですね。
これがイス取りゲームの勝者になるための鉄則です。

いずれにせよイシュマエルはこの追放劇により、ユダヤの本流から外れた人生を歩むことになりました。


3. 恋愛における立場を有利にする方法


現代でも複数の男女が知り合って恋愛が始まろうとする段階においては、男女共に敵対する同性者を早めに排斥しようとする動きが往々にして見られます。

例えば敵対する同性者に纏わる悪評を自分が狙いを定めた異性の耳にそれとなく入れたり、敵対者の過去の恋愛関係を本人のいない所で暴露したりして、当該敵対者の恋愛における立場が損なわれるように仕向けるわけです。

こういう手法を駆使することは卑怯なのですが、効き目が全くないとも言えませんね。

卑近な例を上げると、敵対する女性を排除するために狙いを定めた男性に当該女性の体重を伝えるというやり方で自分の恋愛における立場を有利にしようと画策する女もいます。

仮に私が「あの娘の体重はZキロなのよ(太っているのよ)」と聞かされても、私はこのブログで何度も書いているように痩身の女性には関心がありませんのでそれによって当該女性への見方が変わるということは一切ありませんけどね。


4. 原題


Pieter Jozef Verhaghenが制作した『アブラハムに追放されるハガルとイシュマエル』は英語ではHagar and Ishmael banished by Abrahamと言います。

banish Zは人Zを追放するという意味です。

この作品はアントワープにある王立美術館(The Royal Museum of Fine Arts)で見ることが出来ます。





関連記事