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ピエール=ナルシス・ゲラン『眠っているアガメムノンを殺す前に躊躇するクリュタイムネストラ』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2012年02月24日(金)15時28分 | 編集 |
記事のタグ: ルーヴル美術館
2012年2月24日(金)


目次
1. アガメムノンの帰還
2. 殺害直前
3. 原題


今回取り上げる作品は、ピエール=ナルシス・ゲラン『眠っているアガメムノンを殺す前に躊躇するクリュタイムネストラ』です。

2012年2月24日ピエール=ナルシス・ゲラン『眠っているアガメムノンを殺す前に躊躇するクリュタイムネストラ』+Gérin_Clytemnestre_hésitant_avant_de_frapper_Agamemnon_endormi_Louvre_5185_convert_20121214162046


1. アガメムノンの帰還


ミケナイ王アガメムノンはトロイ戦争の指揮を執るために、10年もの間ミケナイ宮廷を不在にしていました。

その10年の間に、王妃クリュタイムネストラは愛人を作っていました。
愛人の名はアイギストスと言います。

トロイ戦争に勝利したアガメムノンは、10年ぶりに無事ミケナイへと戻りました。
クリュタイムネストラは、夫アガメムノンが戻って来たら殺害する計画を立てていました。

トロイ戦争の前にアガメムノンは娘のイピゲネイアをアルテミスの神殿に生贄として捧げています。

この行為がクリュタイムネストラの逆鱗に触れたのです。

トロイ戦争に出立する夫を見送る際に、クリュタイムネストラは次のように心に誓っていました。

「夫が生きて帰って来た時は、私が夫を殺して娘の復讐を果す!」

アガメムノンとクリュタイムネストラの間には三人の子供が生まれています。
長女イピゲネイア、次女エレクトラ、そして息子のオレステスです。

クリュタイムネストラは長女のイピゲネイアを最も愛していました。

最愛の娘イピゲネイアを殺したのは夫アガメムノンだったわけです。
戦争の生贄として娘を殺すという発想は、クリュタイムネストラの理解を超えたものでした。


2. 殺害直前


アガメムノンはミケナイに凱旋した時、トロイの王女カッサンドラを戦利品として連行して来ました。
クリュタイムネストラと愛人アイギストスは、アガメムノン凱旋の夜に殺害計画を実行に移します。

当初はアガメムノンだけを殺すつもりでしたが、今後邪魔になるであろうカッサンドラも一緒に殺すことにしました。

フランスの画家ピエール=ナルシス・ゲラン(1774-1833)が描いているのは、アガメムノンの寝室に入る直前のクリュタイムネストラとアイギストスの姿です。

画面中央に立っているのが美貌のクリュタイムネストラです。
右手には短剣を持っています。

クリュタイムネストラは土壇場になってやや怖気付いたような様子を示しています。

いかに計画して来たこととは言え、クリュタイムネストラは王を殺すことに躊躇(ためら)いを感じています。

クリュタイムネストラの右肩を押しているのがアイギストスです。
愛人アイギストスの立場としてはアガメムノンには早く死んでもらいたいわけです。

もしアガメムノンが明日以降ミケナイ王宮を取り仕切るとしたら、アイギストスとクリュタイムネストラの愛人関係はそう遠くない内に露呈します。

アガメムノンに二人の関係がバレたら、アイギストスは間違いなく処刑されるでしょう。
アイギストスには、凱旋した夜の内にアガメムノンを殺してしまう動機があったわけです。

アガメムノンは何も知らずに眠り続けています。
トロイ戦争に勝利したアガメムノンはこの後、妻に寝首を掻かれてしまうのです。


3. 原題


ピエール=ナルシス・ゲランが描いた『眠っているアガメムノンを殺す前に躊躇するクリュタイムネストラ』は、英語ではClytemnestra hesitates before killing the sleeping Agamemnonと言います。

この作品はルーヴル美術館(Musée du Louvre)で見ることが出来ます。





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