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イングリッド・バーグマン主演映画『さよならをもう一度』を見た感想
記事URL  カテゴリ | 外国映画 | 2012年12月15日(土)12時55分 | 編集 |
2012年12月15日(土)


目次
1. 熟女に恋する青年
2. 焦りを感じる熟女
3. 熟女の本心は、誘って欲しいの


1. 熟女に恋する青年


12月10日(月)にNHKBSPで、イングリッド・バーグマン主演の映画『さよならをもう一度(原題:Goodbye Again)』をやっていました。

原作は、フランソワーズ・サガンの『ブラームスはお好き(原題:Aimez-vous Brahms…)』です。

原作小説の出版が1959年、映画の公開が1961年ですので、いずれも私が生まれる前のことです。

イングリッド・バーグマン(1915-1982)は、撮影時、45歳ぐらいですが、作品の主人公ポーラ・テシエは、40歳という設定です。

アンソニー・パーキンス(1932-1992)が演じる若い弁護士フィリップが、熟女のポーラに恋をして、ポーラのセックスパートナーであるロジェ・デマレとの間で、ちょっとした三角関係になるという筋立てです。

落ち着いた中年男性ロジェ・デマレを演じるのは、イヴ・モンタン(1921-1991)です。

現代であれば、若い男性が40代の女性を性的な対象として見て、実際に結婚にまで至ることは珍しいことではなくなりましたが、そのようなことがまず考えられなかった1950年代に、フランソワーズ・サガン(1935-2004)はそうした方向性の小説を書いていたわけですね。

フランソワーズは、小説の出版時、まだ24歳ですので、その若さで40代女性の心情を作品に表したことになります。

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2. 焦りを感じる熟女


イングリッドが演じるポーラは、現代の私の目から見ても十分に若く美しいのですが、当のポーラは、40歳という年齢を「もう若くはない」と捉えていて、今後、歳を重ねるごとに、男性からは愛の対象とは見てもらえなくなるのではないか、という不安を抱いて日々暮らしています。

実際に、交際中のロジェは、都合の良い時だけポーラと会ってセックスをし、「あなたを愛している」、と口にしても、どこまで真実なのかは、ポーラには今ひとつ確信が持てません。

ロジェは、ポーラとの恋愛の傍らで、次から次へと若く美しい女性に声を掛け、その内の何人かとはセックスにまで持ち込むというモテ男ぶりを発揮しています。

ポーラは、ロジェが浮気をしているかどうかまでは掴んではいませんが、薄々は気づいています。
それでも、ロジェを失いたくないがために、しつこく浮気相手の追求をするような真似はしません。

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そんなポーラとロジェの関係に割り込んで来たのが、アンソニー・パーキンスが演じる若い弁護士フィリップでした。

小説の日本語題名にもなっている「ブラームスはお好き?」という言葉は、映画においては、フィリップがポーラをクラシック・コンサートに誘う際に、使ったセリフです。

ポーラは、ロジェというボーイフレンドがいる立場なので、当初は、フィリップとの関係をあまり進展させたくないという意思を示していましたが、フィリップの粘り強い口説き文句に負ける形で、ブラームスのコンサートを2人で聞きに行くことを承諾するのです。

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3. 熟女の本心は、誘って欲しいの


僅かな譲歩を示した相手は、その後、大幅な譲歩にも応じるようになって行きます。
これは、恋愛だけでなく、営業にも当てはまる鉄則です。

恋愛においては、まずは、食事に誘い、次に、観劇などに誘い、その後、半日がかりのドライブなどに誘い、最終的にはセックスにまで持ち込むわけですが、初めの一歩である飲食に誘いをかけた際、あまりその気ではなかった相手が、やがて自ら望んでベッドを共にするようになり、思う存分セックスを楽しんでいるということは、映画という虚構の世界だけでなく、実生活においても、往々にしてあることだと思われます。

40歳という節目の年齢を過ぎたポーラの揺れる女心を、名優イングリッド・バーグマンが好演しています。

現代映画のような、露骨な性描写は一切登場しないモノクロ映画ですが、イングリッドの確かな演技力により、映像に描かれていない時間帯に男女の間で起きているであろうこと、例えばセックスですが、そういったことを鑑賞者が想像できる余地を残した仕上がりとなっています。

今となっては、イングリッド・バーグマン(1915-1982)も、イヴ・モンタン(1921-1991)も、アンソニー・パーキンス(1932-1992)も、みな、故人となりました。

映画の主題歌は、ブラームスの交響曲第3番第3楽章(ポコ・アレグレット)です。




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