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ニコラ・プッサン『夏』
記事URL  カテゴリ | 旧約聖書絵画 | 2012年12月15日(土)13時03分 | 編集 |
記事のタグ: ルーヴル美術館
2012年12月15日(土)


目次
1. 畑の所有者ボアズ
2. 落ち穂拾いとは何か?
3. ダビデの先祖
4. 原題


今回取り上げる作品は、ニコラ・プッサン作『夏』です。

2012年12月15日ニコラ・プッサン『夏』 15summer


1. 畑の所有者ボアズ


フランスの画家ニコラ・プッサン(1594-1665)が描いているのは、ルツが畑の所有者ボアズに対して、落ち穂拾いの許可を求めている場面です。

ボアズは、ナオミの亡き夫エリメレクの親類にあたる人物です。
つまり、ボアズはユダヤ人ということですね。

そして、ボアズの母は遊女ラハブです。
遊女ラハブはユダヤ人ではなく、エリコの街で暮らしていた別民族の女性です。

遊女ラハブは、ヨシュアがエリコを攻略しようとする直前に、ユダヤ側に便宜供与したことがありました。
その功績が認められて、ヨシュアによって命を助けられた女性です。

このラハブと、アブラハムの血を受け継ぐユダヤ人男性サルモンとの間に生まれたのが、ボアズです。
系譜を示します。

テラ→アブラハム→イサク→ヤコブ→ユダ→ペレツ→(中略)→サルモン→ボアズ→オベド→エッサイ→ダビデ→ソロモン→(中略)→養父ヨセフ→イエス


2. 落ち穂拾いとは何か?


落ち穂拾いとは、土地を持たない最下層の農民が、富裕農民の情けに縋(すが)って行うものです。

生活に困窮した最貧の農民が生き延びるために、社会の安全装置の一環として、落ち穂拾いという仕組みが形成されていきました。

貧しいながらも姑に懸命に尽くすルツの姿を見て、大地主ボアズは様々な便宜を図ります。
働き者のルツは、見知らぬ土地で逞しく生きて行きます。

そうしたルツのあり方を見ている内に、ボアズは好意を超えた感情を抱くようになって行きました。
そして、最終的にボアズは、ルツを妻として迎えることになるのです。

作品では、前景中央向かって左の、マントを着ている男性がボアズです。
ボアズの前で跪(ひざまず)いて、右手を差し出しているのがルツです。

中景で農作業に従事しているのは、ボアズの使用人たちです。


3. ダビデの先祖


ユダヤ人ボアズとモアブ人ルツとの間に出来た息子は、オベドと言います。
オベデの息子が、エッサイです。

エッサイの息子が、紀元前1000年頃に古代イスラエル王国の第2代王になったダビデです。
系譜を示します。

テラ→ハラン→ロト→モアブ人の祖→(中略)→ルツ→オベド→エッサイ→ダビデ→ソロモン→(中略)→聖母マリア→イエス

ルツとは、イエスの遠い先祖にあたるわけです。


4. 原題


ニコラ・プッサン(Nicolas Poussin)が描いた『夏』は、フランス語ではL'été ou Ruth et Boozと言います。

ou Ruth et Boozは副題で、ルツとボアズ、という意味です。
この作品は、ルーヴル美術館(Musée du Louvre)で見ることが出来ます。







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