映画とドラマと語学、そして株式投資へ
| ホーム loro2012 |
| 投稿 |
スポンサーサイト
記事URL  カテゴリ | スポンサー広告 | --年--月--日(--)--時--分 | 編集 |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。





ジェームズ・ティソート『エリコの売春婦と2人のスパイ』
記事URL  カテゴリ | 旧約聖書絵画 | 2012年10月20日(土)15時01分 | 編集 |
2012年10月20日(土)


目次
1. モーゼ亡き後のユダヤ人
2. 娼婦ラハブ
3. 原題


今回取り上げる作品は、ジェームズ・ティソート作『エリコの売春婦と2人のスパイ』です。

2012年10月20日ジェームズ・ティソート『エリコの売春婦と2人のスパイ』454

1. モーゼ亡き後のユダヤ人


モーゼは、出エジプト以降、40年に渡って荒野を彷徨い、ユダヤ人を導いて約束の地カナンを目指しましたが、120歳にして力尽き、カナンに入る目前で亡くなりました。

モーゼが亡くなった後、ユダヤ人を統率したのはヨシュアでした。
ヨシュアは神の命により、カナンの地へと攻め入った人物として有名です。

2012年7月25日(水)の記事『パオロ・ヴェロネーゼ『ナイル川からのモーゼの救出』 loro2012.blog.fc2.com』で述べたように、ヨセフの父ヤコブの時代に、ユダヤ人の多くは凶作に耐えかねてカナンを捨てて、ヨセフが暮らすエジプトへと移住したわけですが、ほぼ不毛の地と化していたカナンには、その後、他民族が移り住むようになり、農業生産に成功して、生活基盤を作り上げ、何十年にも渡って暮らしていました。

エジプトを出てカナンへと舞い戻って来たユダヤ人が、再びカナンで暮らすためには、既にカナンで生活基盤を築いている異民族の彼らを、駆逐する必要があったのです。

ユダヤの論理でいけば、カナンの地は民族の祖アブラハムが神から与えられた土地であり、アブラハムの子孫であるヨシュアたちが暮らすべき場所なのです。

従って、そこに暮らしている異民族は、不法占拠者であり、邪魔者となります。

ユダヤ人の「正当な」立ち退き命令に従わず、カナンに居住を続けると言うのであれば、邪魔者たちを皆殺しにしてでも、カナンの地を奪還しなければなりません。

これが、ユダヤ人が信仰する「神」の意思です。

滅茶苦茶な論理ですね。
この自己中心的な論理が、現代においても踏襲され、「イスラエル問題」を招いているわけです。

ヨシュアは、ユダヤの神の命令に忠実な男でしたので、カナンの入り口に位置するエリコの街を攻略するよう、神の命令が下った時、早速、侵略計画を練りました。


2. 娼婦ラハブ


ヨシュアは、エリコの街に武力侵攻する前に、2人の諜報員を街の中へと潜伏させ、地理などの敵情を視察させました。

諜報員たちは、ラハブという遊女の家を拠点として、数々の任務を極秘裏に行なっていきました。

ナント生まれの画家ジェイムズ・ティソート(1836-1902)が描いているのは、ヨシュアに派遣された2人の諜報員とラハブが、ラハブの部屋でくつろいでいる様子です。

「くつろいでいる」と言っても、ただ単に「のんびりしている」わけではなく、2人の男性は任務の合間に、ラハブとセックスをする関係にあったことが示唆されています。

ラハブは、通説では、売春婦だとされていますので、諜報員たちがラハブと肉体関係を持ったとしても、格別不思議なことではありません。

やがて、ラハブの部屋に頻繁に出入りしている2人の存在及び諜報活動の事実が、エリコの人々に知られてしまい、2人は命を狙われることになります。

そこで、ラハブは、諜報員たちを城壁の外に綱で吊り降ろし、逃がしてやることに成功します。

ラハブに命を救われた2人の諜報員は、ヨシュアの元に辿り着き、内偵して得られた情報をもたらしました。

その情報を元に、ユダヤ人はエリコの街を侵略し、占領するのです。


3. 原題


ジェイムズ・ティソート(James Tissot)が描いた『エリコの売春婦と2人のスパイ』は、英語ではThe Harlot of Jericho and the Two Spiesと言います。

harlotは、prostituteと同義で、売春婦、という意味です。

この作品は、ニューヨークにあるユダヤ美術館(The Jewish Museum of New York)で見ることが出来ます。




関連記事

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。