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ヤン・ブリューゲル(父)『冥界でのオルフェウス』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年10月16日(日)12時40分 | 編集 |
2011年10月16日(日)


目次
1. フランドルの画家
2. 冥界へ赴くオルフェウス
3. 原題


今回取り上げる作品は、ヤン・ブリューゲル(父)作『冥界でのオルフェウス』です。

2011年10月16日ヤン・ブリューゲル(父)『冥界でのオルフェウス』242

1. フランドルの画家


ヤン・ブリューゲル(父)は、ピーテル・ブリューゲル(父)の息子です。

ピーテル・ブリューゲル(1525頃-1569)には息子が2人いて、長男が同名のピーテル・ブリューゲル(1564頃-1636)です。

父と息子を区別するために、(父)(子)という表記を添えることになっています。

ピーテル・ブリューゲル(父)の次男がヤン・ブリューゲル(1568-1625)で、今日の作品の作者です。

このヤン・ブリューゲルにも同名の息子がいますので、父と息子を区別するために、(父)(子)という表記を添えることになっています。

ヤン・ブリューゲル(父)を中心とした系図は、以下のようになります。


ピーテル・ブリューゲル(父)→ヤン・ブリューゲル(父)→ヤン・ブリューゲル(子)


なお、画風などからそれぞれが異名を持っています。

ピーテル・ブリューゲル(子)は、地獄のブリューゲルと言われています。
ヤン・ブリューゲル(父)は、花のブリューゲルと言われています。

ヤン・ブリューゲル(父)は、ピーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)と親交がありました。


2. 冥界へ赴くオルフェウス


新婚早々にエウリュディケを失ったオルフェウスは、彼女を取り戻すために冥界へと向かいます。
冥界は、ハデスと妻ペルセポネが治めている、死者が暮らす場所です。

ハデスはクロノスの息子で、最高神ゼウスの兄にあたります。
クロノスは、ローマ神話のサトゥルヌスに相当します。

ハデスは父であるクロノスにいったん飲み込まれた後、ゼウスに助けられたのでしたね。

ヤン・ブリューゲル(父)が描いているのは、オルフェウスが辿り着いた冥界の様子です。
画面向かって左端に描かれている男女が、ハデスとペルセポネの夫婦です。

2人の前で竪琴を奏でているのが、オルフェウスですね。

オルフェウスがエウリュディケを冥界から連れ戻すために、ハデスとペルセポネに竪琴を聴いてもらっている場面です。

オルフェウスの熱意に打たれたペルセポネは、夫である冥府の王ハデスに帰還の許可を与えるよう説得します。

ハデスは妻の進言を受け入れ、エウリュディケが地上へ戻ることを許しますが、一つだけ条件をつけました。

「冥界を抜け出すまでは、決して後ろを振り返ってはいけない。それが条件である。」


この条件を承知したオルフェウスは、愛するエウリュディケを現世へ連れ戻すという目的を達することになるはずでした。

ところが、最後の最後でオルフェウスの心がブレてしまうのです。

その話は次の機会に。


3. 原題


ヤン・ブリューゲル(父)が制作した『冥界でのオルフェウス』は、イタリア語ではOrfeo agli inferiと言います。

gli inferiが、冥界、という意味です。

通例、inferoという語は、複数形で用いられます。
母音で始まる男性名詞に前置される、複数定冠詞のgliがついていますね。

この作品は、フィレンツェにあるパラティーナ美術館(Galleria palatina)で見ることが出来ます。





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